コロサイ人への手紙(20)

2023年11月26日

聖書箇所:コロサイ人への手紙4章10節~11節
宣教題:キリスト・イエスのしもべたち第20回
おはようございます。2023年11月第4週目を迎え、礼拝をささげる恵みにあずかり感謝します。またネット配信を通して礼拝に参加しているあなたもおはようございます。お元気でしたか?今日もご一緒くださることを感謝します。それではコロサイ人への手紙から学んでまいりましょう。今日は時間の関係で4章10節~11節までを「キリスト・イエスのしもべたち」というテーマで共に考えてまいります。

その前に前回の礼拝後に質問がありましたので、皆さんと一緒に考えてみたいと思います。「使徒パウロは逮捕されローマで投獄の身なのに、何故、自由に福音を伝えることが出来たのですか?」と言う質問でした。牢につながれ、鎖が繋がれ、兵士の見張がついていると人との交流は不可能と考えるのが一般的です。でもパウロは厳しい状況にあっても人との交流や福音を語る機会を多く持つことが出来ました。その理由を調べてまいりましょう。

パウロは第3回伝道旅行の後、ユダヤ人の妬みによって逮捕されましたが、身の潔白を求め皇帝に上訴するためローマまで護送されました。ローマ到着後は監視付きながらも一人での生活を許されていました。使徒28:16(295頁)。そして2年間自分で借りた家に住み、訪ねる人を迎え、少しもはばかることなく(遠慮することなく)自由に主イエス・キリストの福音を伝えることが出来たのです。使徒28:30~31(296頁)。但し鎖につながれていたエペソ6:20(392頁)

この2年間にコロサイ、ピレモン、エペソ、更にはピリピ人への手紙を書いたのです。ピリピ1:12~14(394頁)自分の逮捕がかえって福音宣教の前進につながったと告白しています。そして監視の兵士達(親衛隊)にも認められた存在となっています。※こうしてみると自分にとって不都合と思われる事を通して良い結果に導かれ神の御心であった事がわかります。

例:私達も信仰生活の中で自分にマイナスと思われるとがっかりしますが、神はすべての事を働かせて益としてくださる方で有ることを心にとどめておきましょう。結論:そんな訳で使徒パウロは2年間、ローマ兵の監視と鎖につながれていましたが、人の出入りも自由にできて福音を伝える事が出来ました。手紙も書き、訪ねてくる人を迎えて交流したのです。

さて本題ですが、今日もパウロの仲間たち3人を紹介します。前回は異邦人信者たちでしたが今日は全員ユダヤ人です。聖書で人類を分ける時はユダヤ人(神の選びの民)とそれ以外の民族を異邦人(ローマ人、ギリシャ人、日本人等)と呼びます。前回はティキコ、オネシモ、ピレモンでしたが、今回はアリスタルコ(良い政治?)、マルコ(主は恵み、ヘブル名がヨハネ)ユスト(ヘブル名イエス、主は救い)それぞれが個性豊かで主に忠実な人々です。

10:アリスタルコ 彼はパウロと一緒に捕らえられていましたが、ずっとパウロと一緒にいて離れていません。彼は数少ないユダヤ人同労者の一人です(11節)。非常に忠実な人物でした。この時点でユダヤ人が異邦人世界に出て行って働きを広げていく事にはまだ抵抗があったのかもしれません。よって彼らは私にとって慰めになりましたとパウロは告白しています。またこのアリスタルコについて、他の聖書箇所から人物像を探ってみましょう。使徒19:29(275頁)アリスタルコはパウロの第3回伝道旅行の時にエペソで福音を伝えていましたが、アルテミス神殿の模型を作る職人たちの反感を買い、捕まった中の一人です。彼はギリシャマケドニヤ地方に住むユダヤ人で、ずっとパウロと行動を共にしています。

パウロは第3回伝道旅行からエルサレムに帰ってきた後、ユダヤ人の妬みを受けて訴えられます。彼はローマ市民権を持っており皇帝に上訴するためにローマへの道を選びます。この時も、アリスタルコはパウロと行動を共にしています。使徒27:1~2(291頁)更に裁判を待つ牢獄の2年間ずっとパウロと共にいたのです。ピレモン24(436頁)
この流れを見ると彼は主にあって忠実な人物であるという姿が見えてきます。※地味ではあるが主に忠実でパウロから大きな信頼を受けていたアリスタルコのような人材は貴重です。

10:マルコ ヘブル名はヨハネ。彼はパウロと共に伝道したバルナバのいとこ。バルナバは面倒見の良い人物として知られています。マルコは若いころペテロの従者で、ペテロが語るイエス伝を書き上げマルコの福音書を残しています。裕福な家に生まれ育ち、伸び伸びとした性格の持ち主だったようです。でも失敗もしています。有名なのは第1次伝道旅行の時、勝手に任務から離れ、一人でエルサレムに帰ってしまう事件がありました。使徒13:13(260頁)。

数年後、パウロとバルナバは第2回目伝道旅行の相談をしますが、任務放棄をしたマルコの取り扱いを巡って意見が分かれ激しい議論となり彼らは別行動をとる原因にもなりました。それが使徒15:36~40(266頁)に記録されています。

でも10年以上過ぎてパウロはマルコを受け入れ交わりが回復しています。ここがいいところですね。今マルコはパウロに信頼され、重要な同労者として成長しています。※人は失敗してもやり直しがきくという模範ですね。あなたも私もまだまだ伸びしろがあると言う事です。パウロの最後の手紙、テモテⅡ4:11(429頁)この手紙は彼が殉教の死を遂げる直前に書かれた手紙ですが、テモテに対して「マルコを伴ってきてください」彼は役に立つからですと伝えています。こうしてマルコは失敗から学び、成長しパウロから信頼された人物と変わりました。

11:ユスト 彼もユダヤ人です。(割礼のある人と紹介されているので)。本名はイエス。主は救いの意味でユダヤでは一般的な名前でした。ヘブル語読みではヨシュアになります。彼もまたユダヤ人としては数少ないパウロの同労者で、パウロの慰めとなっています。
以上3人の共通点はユダヤ人、主にあって忠実な人、パウロの慰めとなった人。慰めは主なる神から来るもので、聖霊がそばにいて慰め励ましてくださいます。そしてパウロの大切な同労者として信仰と愛に生きた人々です。特にマルコのように過去失敗しても、やり直しがききますので、失敗を成長の糧とし、恐れることなく、聖霊に励まされつつ前に向かって生きてまいりましょう。その際、主の御心は何かをいつも求めていく姿勢が必要です。
結び
私達も主にあるものとして、隣人を愛し、慰め、励まし、共にキリストの教会を建て上げる同労者として歩んでまいりましょう。自分が教会で何をしてもらえるかではなく、自分が本庄教会でキリストにある同労者の一人として「何ができるだろうか」をいつも考えて歩んで行ければ幸いです。お祈りいたしましょう。