コロサイ人への手紙(19)

2023年11月19日

聖書箇所:コロサイ人への手紙4章1節~6節
宣教題:たゆみなく祈りなさい

パウロの仲間たち  第19回
おはようございます。2023年11月第3週目を迎え、礼拝をささげる恵みにあずかり感謝します。またネット配信を通して礼拝に参加してくださっているあなたもおはようございます。お元気でしたか?今日もご一緒してくださることを感謝します。それではコロサイ人への手紙から学んでまいりましょう。この手紙は、前半2章迄が教理の部分、後半の4章迄が生き方の部分です。短い手紙ですがいよいよ最後の挨拶のところになります。

今日は4章7節~9節「パウロの仲間たち」というテーマですが、キリストの福音を伝える働きは一人だと広がりが出てきませんね。どうしても共に働く同労者が必要になります。本庄教会でも牧師だけでは限界があります。牧師の奥さんや役員さん、そして喜んで主に仕えている兄弟姉妹たちがいて教会形成は可能になり、共に建て上げられていくのです。教会の皆さんの祈りと献身、具体的な奉仕があればこそ教会は建て上げられていくのです。

使徒パウロにはすぐれた信仰の仲間たちがいました。ユダヤ人もいれば、異邦人もいたのです。国際的ですね。彼らが一つのチームとなり、キリストの福音を広めていったのです。今日紹介する2人の人物(ティキコとオネシモ)を通して学んでいきたいと思います。又このチームは上下関係はありませんでした。同労の「しもべ」とあるように主イエス・キリストに仕える仲間同士だったのです。ここは大切なポイントです。

パウロの仲間たちは彼の下で皆が一糸乱れぬ動きをするような組織、団体、新興宗教やカルト集団ではなく、お互いが愛と信頼関係でキリストにあって結ばれていた人々です。キリスト教会もそうですね。牧師の下に一糸乱れぬピラミット型の団体ではありません。確かに牧師は教会の代表として多くの責任と役割を担うのでそれなりに尊敬はされますが、トップに君臨して皆さんに号令をかける立場ではありません。トップは主イエス・キリストただ一人です。兄弟姉妹と共に主に仕える同労者です。

7:まずはティキコ(幸運・摂理の人の意味)。この人はパウロからコロサイ人への手紙を預かり届けたのです。ローマから東の小アジアコロサイ迄は直線距離にして千キロメートル以上ありますので届けるまでに数か月かかったことでしょう。でも彼は主に忠実な信仰者で、主から知恵と力をいただき、祈りつつ、あらゆる困難や危険から守られて手紙を届けたのです。
・テキィコの紹介をします。
① 愛する兄弟。クリスチャンになると神の家族の一員に加えられます。それ故キリストにあって兄弟姉妹の関係になります。これはいいですよね。家族が多ければ困ったことがあっても助けてくれる人が多くなるので食べるものに困ることはありません。みんなで分け合えばよいのですから。本庄教会ではフードバンクをやっているので食べ物がよく集まります。バザーもやっているので着るものや生活用品も入ってきます。それは一つの家族としての生き方です。その上で互いに信頼と励まし、助け合うのが兄弟姉妹の関係です。
② 忠実な奉仕者。彼は神の前にも、人の前にも忠実(真実・信仰)に生きた人です。それ故パウロから手紙を運ぶ大役を任されました。こういう人が教会にたくさんいると助かります。彼に任せておけば安心だという人ですね。例えば、教会会計の場合、誠実にかかわりお金の管理をする。使い込みせず、公明正大に管理する人は教会運営には欠かせない人です。
③ 主にある同労のしもべ パウロとティキコは上下関係というより主にある同労者です。ですからお互い意見を出し、自分の考えを述べあい、祈りつつ歩んでいたと思われます。ここで大切なのは同労者と同業者は違いです。同労者は互いに助け、合い励まし合い、目的に向かって活動する関係。同業者とは同じ職業や業種の人の事。牧師同士は本来同労者のはずなのですが、いつの間にか同業者として競争し、自分の教会の会堂のほうが立派だとか、信者が多いとか、献金が多いと言って誇るようなことが無意識のうちに出る場合があります。パウロはテキィコを「同労のしもべ」と言っています。共に神に仕える「しもべ」という思いから離れてはなりません。牧師だけでなく全てのキリスト者は主の「しもべ」です。

ティキコの紹介例は他にもあります。例えばエペソ6:21~22(新約392頁)をお開きください。この手紙は紀元61年頃パウロによって書かれましたが、ここでもティキコがパウロから派遣されています。アジア地方出身の彼は、まずエペソ教会に手紙を届け、そのあと内陸へ200キロメートル離れたコロサイに行き手紙を届けたと思われます。
 又パウロの第3回伝道旅行の時もティキコの名前が出てきます。使徒20:4(新約276頁)チームの一員にアジア人として紹介されている。(今のトルコ近辺、アジア地方生まれ)

8:ティキコを遣わした理由は彼を通してコロサイ教会の兄弟姉妹たちを励まし、元気づける為でした。その為に選ばれたのがティキコです。まさに私たちが見習うべき人物像ですね

9:オネシモ(役に立つ人)。次はオネシモです。彼もまたパウロの信頼を受けてティキコと一緒にコロサイに派遣されています。パウロはオネシモをあなた方(コロサイ教会)の仲間の一人だと紹介しています。まだ会っていないのに面白い言い方ですね。この言い方は後の事(逃亡奴隷であることが判明しての対応)もあってこのような言い方をしているのかもしれません。
  続いて忠実(真実、信仰的)な人、愛する兄弟、イエスを救い主と信じて神の家族に加えられたものとして紹介されています。
他に彼の人物像を知る手掛かりはピレモンへの手紙8~13(新約435頁)です。ピレモン(親しい友の意)はコロサイ教会に集会所を提供する主に忠実な人でした。実は、オネシモは奴隷としてピレモンに仕えていましたが、素行が悪く彼は盗みを働いて、ピレモンのところから逃げてしまいます。そして逃亡生活の果てにローマにたどり着いたのです。

このローマで図らずも、牢獄にいたパウロと出会い交流が始まります。彼は奴隷である事、コロサイから逃げたこと、その原因は主人の者を盗んだこともパウロに打ち明け、イエスを救い主と信じて救われた(10節:獄中で産んだ我が子オネシモ)のです。後に彼はキリスト者として成長し、パウロから大きな任務を任されることになります。この時パウロがピレモンにとりなしの手紙を書いてティキコに持たせ届けたのがピレモンへの手紙です。逃亡者は見つかれば死刑ですが、でもパウロのとりなしによって彼は助かり、彼はその名の通り役に立つものとされ、伝承によれば教会指導者として活躍したと言われています、
結び
今日は挨拶を通して二人の人物から学びました。それぞれ彼らはパウロの信仰の友、兄弟、仲間として、主にある自分の使命に生きたのです。私達も同じです。立場は違いますがそれぞれに相応しい使命や役割があるのです。そのことに忠実に生かされてまいりましょう。