コロサイ人への手紙(5)

2023年8月6日
聖書箇所:コロサイ1章18節~20節
宣教題:御十字架の血によって平和をもたらし

おはようございます。2023年8月最初の礼拝となりました。今日は広島原爆の日です。一発の原爆で32万人の命が奪われました。これから日本政府はリーダーシップを発揮し9ヶ国の原爆保有国が絶対に核兵器を使わせないような仕組み造りをしていくべきです。被爆国日本の役割は大きいと思います。
またネット配信をご覧のあなたもおはようございます。暑い日が続いていますがお元気ですか?本庄キリスト教会の礼拝にご参加くださり嬉しく思います。今日はコロサイ人への手紙から5回目の学びになります。準備はよろしいですか。
 
聖書箇所は1:18~20になります。先週は御子イエスの姿に迫りました。4つありましたね。①御子は見えない神のかたち②御子はすべての創り主(世界は御子にあって(in)、御子を通して、御子の為に創られた)③御子は永遠なるお方④御子はそのからだである教会のかしらです。

今日はこの続きですが、その前に15節~20節の読み方ですが、当時の信者たちは讃美歌として覚えていたようです。新共同訳聖書はこの個所を韻文的(いんぶん)詩的な書き方にしています。お持ちの方はご覧ください。初代教会の信者は歌でみことばの真理を覚えていたのは興味深いですね。それでは本題に入ります。今日のポイントは2つです。

18:最初のポイント御子は初めであり、死者の中から最初の生まれた方です。
・御子は初めであり。すべてのもの(万物)の先におられ、父なる神とともにすべてのものを造られた。御子イエスの存在無くしてこの世界は成り立ちません。この世界のすべてのものを神は御子の内にあって、御子を通して、御子の為に造られ(創造)されたのです。世界中のすべては御子イエスによって成り立ち、御子イエスのために存在し、教会のすべての事も御子イエスが導いてくださっているのです。

・死者の中から最初の生まれたとは御子イエスの復活の事で、十字架にかかって死なれ、よみに下り、死人の内より三日目に復活した。キリストの復活により私たちが新しく生まれる(新生)、新しい創造が始まりました。

アダムの罪により被造物と神との間の調和が崩れた。大地はあなたのゆえに呪われる。創世記3:17(旧約5頁)こうして人は神と断絶し、死(霊的な死と肉体の死)が入りました。しかし神は死者の中から最初に生まれた方(御子イエス)を通して、人間に新しい命の道を備えてくださいました。それが御子イエスの復活です。ヨハネ11:25(新約205頁)イエスはマルタに対して言われた。「私はよみがえりです。いのちです。私を信じる者は死んでも生きるのです。」この様にイエスは十字架の死からの復活を通して信じる者に新しい命を与えてくださったのです。

・こうして、すべての事において第一の者となられた。御子は初めであり、死者の中から最初に生まれた方で有る事を通し地位、重要さ、価値に於いて第一のものとされたのです。この第一の者である御子イエスにおいて、世界は成り立っている事をあらためて確認してまいりましょう。

19:18節迄に御子イエスが偉大な神であることが述べられていました。その理由は神がご自分の満ち満ちたものすべてを御子イエスの内に宿らせたからです。神としての根拠のすべてが御子イエスの内に備わっています。霊的存在、無限、正義、変わらない、聖なる方、真実、愛なる方。このような神の性質、本質を全て兼ね備えているのが御子イエスです。ですから神を知りたいと願うならイエスを見上げ、より深くイエスを知ることが神理解の鍵になります。

20:2つ目のポイント、御子イエスはその十字架の血によって平和をもたらした。
ここを読むにあたってまず時代背景を知る必要があります。コロサイ教会に忍び寄っていた異端グループはグノーシス主義(知識、霊知)でした。この教えはギリシャ哲学から来ており、目に見えない霊的なものは善(良いもの)、目に見える物質は悪であるという教えです。彼らの教えによれば神が肉体をとって人(イエス)となってこの世界に来られた事はあり得ない考え方です。

グノーシス異端グループは信者を装い教会に入り込んできて、キリストは肉体を持っているように見えただけだと説明します。仮にそう現れて見えただけ、これを仮現論(ドケチズム)と言います。この教えは聖書(パウロ)と正反対なので、受け入れると教会は大混乱に陥ります。この危機がヨハネ黙示録が書かれた紀元90年まで続きました。キリスト教会は設立当初からずっと様々な異端との戦いがありました。以上が20節のみことばの背景にあります。

・その十字架の血によって平和をもたらし、このことばは御子イエスが肉体を持っていた証拠です。御子の肉体が裂かれ真っ赤な本物の血を流れたのです。私たちの罪の身代わりとして罪のない方が罪とされた十字架の死と復活であります。この御業の結果が2つあります。
❶私たちが神との平和な関係を持つことが出来るようにされた。私たちは御子イエスの十字架刑のみわざを信じるのみで救いを受け、神との敵対関係は消え平和を回復するのです。

❷自然界の回復、和解です。アダムの罪によって「大地はあなたのゆえに呪われる。」創世記3:17(旧約5頁)を読みました。人は神と断絶し死(霊的な死と肉体の死)が入ったのです。新約聖書のローマ8:22(310頁)。被造物のすべては共にうめき、共に生みの苦しみをしていますとあります。実にアダムの時代から6千年の今もこの状態は続いています。そして私たちは終末時代に生きるものとして地震や疫病、気候温暖化、気候変動の時代を生きています。

しかしキリストの復活により信じるものは新しい命と平和を受け、和解させていただきました。やがて全被造物もキリストの再臨、千年王国を通して回復し全く新しくされるのです。

こうして御子の為に万物を和解させ、地にあるものも、天にあるものも御子イエスによって和解させられるのです。神との平和がもたらされ全被造物は御子によって和解され、やがて千年王国によって全世界は劇的に変わります。

ここまでがパウロが語る、御子イエスの本当の姿です。非常にスケールが大きいですね。私たちが出来る事は何か?御子イエスを知るように求め、理解し、このお方の御心を大切にしながら従う事です。次回はキリストを信じた私たちの立場についてです。お祈りしましょう。