コロサイ人への手紙(1)

2023年7月16日

2023年7月9日
聖書箇所:コロサイ1章1節~8節
宣教題:パウロの手紙に親しもう 

おはようございます。2023年7月第2週目を迎えました。毎日暑い日が続いておりますがお元気でしたか?またネット配信をご覧のあなたもおはようございます。あなたが本庄キリスト教会の礼拝に参加してくださる事を嬉しく思います。今日聖書からあなたの人生の宝物を見出してください。そして命の糧としてください。

さて先週ダニエル書12章が全部終わりましたが、感想はいかがでしょうか?今日から新約聖書コロサイ人への手紙に入ります。時代的にはダニエルより600年ぐらい後の書物で紀元60年代に使徒パウロによって書かれました。この頃世界はローマ帝国が支配し、皇帝ネロによってキリスト者に対する激しい迫害の嵐が吹き荒れていましたが、最初にエルサレムで設立されたキリスト教会は30年を経て地中海沿岸、そして全世界に向かって広がっていく勢いがありました。

最初に何故コロサイ人への手紙を学ぶかをお伝えします。今まで新約聖書が書かれた年代順に沿って学んできました。新約聖書は今完成されていますが、実は一気に短時間で書かれたわけではありません。紀元40年代~紀元90年代(激しい迫害の70年代と80年代を除いて)に聖書記者たちが神の啓示を受け聖霊によって書き記しました。

皆さんは新約聖書が書かれた年代順に今まで学んできた聖書箇所を覚えていますか?ヤコブの手紙、マルコの福音書、ガラテヤ人への手紙、テサロニケ人への手紙第一と第二、コリント人への手紙第一、第二、ピリピ人への手紙でした。そして今日のコロサイ人への手紙となりました。因みにこの手紙はパウロの獄中(牢獄)書簡と呼ばれています。彼はイエス・キリストの良い知らせのメッセージを伝えた故に逮捕され、ローマで囚われの身となってしまいましたが、信徒たちに手紙を書いて励ましたのです。牢獄からの書き送った手紙は4つでエペソ、ピリピ、ピレモン(これのみ人の名前です)、コロサイとなっています。そこで今日からその一つコロサイ書を学びます。

1:手紙の差出人はキリストの使徒に立てられているパウロと同労者の若いテモテです。

2:あて先はコロサイにある教会の兄弟姉妹達です。コロサイとは町の名前で、エペソの東200キロ(ラオデキアの近くで今のトルコ)にある小さな町です。パウロはコロサイで伝道したことはありませんが、エペソで3年間伝道していた時にパウロの福音を聞いて救いを受けたエパフラス(7節)が故郷で伝道したと思われます。そのエパフラスから教会の情報を得ました。彼がローマの牢獄で囚われていたパウロを訪ね、コロサイ教会の様子を報告したのです。

報告の内容は必ずしも良いものばかりではありません。教会内部に異端的教えが入ってきていたのです。パウロはこれを「あの空しいだましごとの哲学」(2:8)と呼び、騙されないよう願いを込めて手紙を書きエパフラスに託したのです。これが手紙を書いた理由です。またこの手紙のテーマは「キリストは教会の頭(かしら)である」(1:18)。この視点を忘れないようにしましょう。また同じ獄中書簡のエペソ人への手紙は「教会はキリストの体である」です。因みにダニエル書は何だったでしょうか。そうです。歴史の内に働く神の主権でしたね。

私たちの父なる神から恵みと平安があなた方にありますように。ここは挨拶文ですが、形式ではなくてパウロの思いを述べています。キリスト者が神から受けている大切なもので、恵みと平安に生きる事です。この2つはセットです。恵みは私たちに対する神からの一方的な良いものという意味で、この一方的な良いものを神は私達一人ひとりに十分注いでくださっています。平安も神から来るもので単に私たちの置かれた状態が良いから平安と言う事ではなく、どんな厳しい状況に置かれていても心の中は神から来る平安があるので動かされない。この恵みと平安こそがパウロが示す信仰生活の原動力なのです。

例①いきなりですが日本でキリスト者が増えない理由は何だと思われますか?私が思う要因の一つに恵みの中で生きる事が不足しているからだと思います。主の恵みの中で生かされていることを常に意識していれば、不用意に人を裁き、貶(おとし)めることをせず、傲慢な態度をとりません。謙遜に人との関わりを大切にし、隣人愛に生きるようになります。そのうえで自由にのびのびと生きるなら、周りの人がキリストを信じたいと思うようになり救いに導かれるのです。

日本人は生真面目なので、隣人愛に生きるよりも正義感が先に出て理屈で相手を説き伏せようとします。人を裁くほうが先なので救われる人は少ないのです。主の恵みを感謝し、人を不用意に裁かず、隣人愛に生きる、この生き方なら多くの人が救われます。これが私の仮説です。

3:ここから手紙の本題に入ります。パウロはコロサイ人教会の為に祈る時、いつも父なる神に感謝している。ここも大切な考え方、生き方ですね。
例②愚痴と不平不満から話が始まる人って皆さんの周りにいませんか?ずっと不平不満と人の悪口が続く人っていませんか?そうするとこちらは良い気持ちがしませんので人は離れていきます。パウロは今捕らわれの身ですが、愚痴と不平不満は出てきません。いつも神に感謝している。こういう生き方なので彼の周りに人が集まってくるのです。どんなに苦しい時でも主にあって良い方向に考える。キリストにあって恵まれているので前向き肯定的に考える。物事を常にプラスに考え、どんな状況に置かれてもまず主に感謝、人に感謝に変わるとあなたの生き方が変わってきます。

4:感謝の理由は何か?彼の生き方を前提に、コロサイ教会の人々のキリスト・イエスに対する信仰と愛に生きている事を聞いている。普通の言葉で述べるならばイエス様が大好きで、いつもイエス様と相談しながらイエス様の心、考えを自分の生活に優先する生き方をする。それが隣人愛となって実を結ぶのです。キリストへの信仰と愛の実践を通して生きている。

例③私たちがこのような生き方に変われば、あなたの周りに人が集まり救われる人が増えるのです。本庄キリスト教会はあまりお金がないので特別の集会やコンサートはほとんどしていませんし、できませんし、またやる気もありません。でも私たち一人ひとりがキリストにあって隣人愛に生きるなら神は常に恵みの業を沢山起こしてくださいます。そしてあなたを恵みで満たしてくださるのです。今日はここまでにしたいと思います。

結び
これからパウロがコロサイ人への手紙を通して何を語ろうとしているのかを詳しく学んでまいりましょう。そしてキリストに従順にお従いしましょう。