ダニエル書(21)

2023年6月11日
聖書箇所:ダニエル書11章2節~45節
説教題:地上の戦い

おはようございます。2023年6月第2週目の主の日を迎えました。ネット配信をご覧のあなたもおはようございます。お元気でしたか?あなたが本庄キリスト教会の礼拝に参加してくださることをうれしく思います。それではご一緒にダニエル書11章から学んでまいりましょう。

今日の箇所はダニエルがペルシャのキュロス王の第3年目に見た幻の箇所です。内容は「大きな戦の事、10章1節」今後350年に以上にわたり周辺諸国で繰り広げられる戦争について、その中でエルサレムをめぐる戦いについての事が預言されています。その内容の具体的なことは11章2節~35節迄です。36節~45節はこの世界の終わりに起こる反キリストの世界戦争と彼の結末について書かれています。ですから今日の話は大きく2つに分かれていることを初めにご理解ください。特に後半はダニエル書のクライマックスの部分です。

その前に頭を整理したいことは、この世の戦いの背景には、神の陣営の天使と悪魔の陣営の悪霊ども(堕落した天使を略して堕天使とも言います)の霊の戦いが天で繰り広げられていることを10章で学びました。そして11章は地上における具体的な戦いが繰り広げられています。

2:今、私は(人のような姿をした方)あなたに真理をつげる。今とはいつか。キュロス王の第3年(ダニエル10:1)バビロン帝国が滅んでダリヨス王、キュロス王と続きますが、その3年とは紀元前534年頃です。そこから世界の主な国がどうなっていくかをダニエルに示したのです。
即ちこの後366年間にわたり周辺諸国がどうなるかを「人のような姿」をした方がダニエルニ丁寧に教え示したのです。それが2節~35節迄。ポイントだけお話させていただきます。

・これから3人の王がペルシャで続きます。・更に4番目の王は他の誰よりも富む者となり、力を持つ。エチオピヤからインドまでも支配したクセルクセス王(別名:アハシュエロス王)彼は旧約聖書のエステル記に出てくる王様です。でも後にギリシャとの戦いに敗れて力を失います。

3:一人の勇敢な王が起こり、大きな権力をもって治め。これはペルシャ帝国時代が終わりギリシャ帝国時代が来ることを示しています。名前は有名なアレクサンドロス王(アレキサンダー大王)です。32歳の短い人生でしたが、天才的な戦略家でわずか13年の王位在任中にペルシャ帝国を滅ぼし世界征服した人物です。

4:しかし彼は若くして亡くなり、4つの国に分割されます。
5:そして5節以降へと続いてきます。4つの中で特に力を持つのが、南の王エジプト(プトレマイオス王朝)と北の王シリア(アンティコス王朝)。この二国の戦いが35節迄160年の間に6回続きます。特にこの中で悪人として有名なのが21節~35節に出てくる一人の卑劣な人物がいます。それが21節の反キリストの雛型(タイプ)である、北の王シリア(アンティコス4世エピファネス)です。

彼はユダヤ人を言葉巧みに騙し、町を破壊し、迫害し、略奪、虐殺します。(旧約外典マカバイ記1章には子供に割礼を受けせた母親を殺して、乳飲み子を母親の首につるして家の者達や割礼を施した者達を殺したことが記録されています)こうして彼はユダヤ人に対し悪を行い、又徹底したギリシャ化を進めようとしたのです。更に彼はエルサレム神殿を偶像で汚し、豚や穢れた動物を「いけにえ」としてささげ安息日を汚したのです。それが31節の言葉です。まさしく彼は反キリストの雛型として数多くの悪事が繰り広げたのです。

世の終わりの出来事
36~39:ここから別の王の話です。「この王は」世の終わりの7年間にわたる大患難時代に登場する反キリスト(666)そのものです。何故ならこの人物の特徴は、思いのままにふるまい、すべての神より自分を高く上げて大いなるものとします(Ⅱテサロニケ2:4新約415頁)。

40~43:終わりの時、世の終わりの7年間続く人類史上最も苦しい時代の大患難時代の話です。エルサレムを起点として南の王(エジプトを中心とする国々が彼(反キリストに反旗を翻す)これに対して反キリストの軍隊(北の王、エルサレムから見て北の王です。但し具体的な場所はわかりません。エジプトを陸と海から攻め込む。となれば当然エジプトの北に位置するイスラエルを通り戦場となるのです。

41:反キリストは麗しい国イスラエル(エルサレム)に攻め込み、多くの人々を殺害します。でもヨルダン川の東に住むエドム、モアブ、アンモンの人々は険しい山岳地帯に逃れるので助かります。42:エジプトもその手からまぬかれることはない。

43:反キリストはエジプトを制圧し、ルブ人(リビア)やクシュ人(エチオピヤ)も彼(反キリスト)に従います。
44:でも反キリストは東(イラン方面か?)と北(ロシア方面か?)の国々に裏切られ、一気に状況が変わってきます。彼(反キリスト)を怯えさせる。これがハルマゲドンの始まりです。

45:彼(反キリスト)は、海(地中海)聖なる麗しい山(エルサレム)の間に本陣を移します。ここがメギドの丘(ヘブル語でハルマゲドン)と呼ばれるところに彼の軍隊が集結します。ヨハネの黙示録16:16(新約510頁)。を開いてください。
しかし最終的に反キリストとその軍勢は再臨のキリストにより即座に捕らえられ火の池に投げ込まれます。この様子がヨハネの黙示録19:19~21(新約515頁)に書かれています。

結び
以上がダニエルを通して語られた地上の戦い(キュロス王から反キリストの雛型であるアンテォコス4世エピファネス)の事、そして36節から世界最終戦争である反キリストの軍勢対と再臨のキリストの戦いで反キリストとその軍勢はたちまちの内に滅ぼされることの預言を、ヨハネの黙示録を含めて見ていきました。
私たちも終末時代に生きるものとして、これからの世界の流れを少しずつ理解し、慌てることなく自分らしく生かされてまいりましょう。やることは昨日と変わらず人の前にも神の前にも誠実に淡々と生きることです。