ダニエル書(19)

2023年5月28日
聖書箇所:ダニエル書10章1節~14節
説教題:恐れるな ダニエル

おはようございます。2023年5月第4週目の主の日を迎えました。ネット配信をご覧のあなたもおはようございます。お元気ですか?あなたが本庄教会の礼拝に参加してくださることをうれしく思います。因みに先週の礼拝は35件視聴者があり感謝します。それでは今日もご一緒にダニエル書10章から学んでまいりましょう。

1:ここではダニエルの年齢が前回より少し進みキュロス王の時代に見た幻の事が書かれています。内容は「大きな戦の事」とありますが、これから後に起こるエルサレムを中心とした各国の戦いに巻き込まれる事であります。具体的な内容は12章迄続きます。
でもダニエルがすごいと思うのは、示された幻の事を全部理解していることです。以前幻が与えられた時と違う点は、天における霊の戦い、即ち神の軍勢の力と悪魔の軍勢の力の戦いが起きている事、地上の戦いを悟った事です。
特にすごいと思ったのは彼の記憶力、生命力です。バビロンに連れてこられて70年が過ぎ、年を重ね90歳近い年齢に達していても衰え知らずという感じです。しかしながら彼の年齢から考えるとエルサレムに戻らず、ペルシャに残って生きることを選びました。

2:季節は第一の月とありますのでユダヤ人にとっては過ぎ越しの祭りがおこなわれる大切な月でした。モーセ時代に神の裁きが過ぎ越したことやエジプト脱出を覚えて記念の食事をする大切な祭りでありました。
それなのに、何故、彼は三週間もの長い間、喪に服していたのでしょうか。考えられるのはキュロス王によってユダヤ人はエルサレムに帰ってもよいという命令が出て5万人が喜んで帰ったのですが神殿再建が順調にいっていないことが知らされたのではないかと思います。

ユダヤ人が国に帰ったら真っ先にすることは何か?そうです神殿再建です。彼らにとって信仰と生活のよりどころである神殿がバビロンによって完全破壊されましたが、帰国してすぐその立て直しに取り掛かります。ところが70年以上経つと既得権益というものがありユダヤ人の帰りを快く思わない人が多かったのです。それ故、神殿建設を妨害し再建が進まないまま3年近く立ったと言う事です。それを知らされて三週間喪に服して可能性が大きいです。

3:それゆえ、ごちそうを食べず、肉も葡萄酒も飲まず、身に油も塗らなかったというのです。
でも神はそんなダニエルを励ますため幻(啓示)を与えエルサレムの未来を示してくれました。
12章を見ると最後の1週即ち大患難時代の7年間につながるものであることがわかります。

4:過ぎ越しの月の24日ティグリス川の岸にいた時の幻が9節迄書かれています。
5:彼が目をあげてみると一人の人が現れた。亜麻布の衣を着て、金の帯を締めていた。ウファズとは地名のようです。6:体は緑柱石のよう、顔は稲妻のよう、目は燃える松明のよう、腕と足は磨き上げた青銅のよう、声は群衆の声のようであった。すごい迫力でヨハネの黙示録1章13節以降に出てくる栄光に満ちたイエスのようであります。受肉以前のイエス様の可能性が大きいです。

7:この時他にも人はいましたが、この幻を見たのはダニエル一人だけで他の人には見えなかった。でも迫力ある声が聞こえたので恐ろしくなって逃げ去った。
8~9:ダニエル一人が残り、大きな幻の声を聴き力が失せ、やがて深い眠りに陥った。
10~14:ここ迄が一くくりになっています。ダニエルは眠ってしまいましたが別の人物(正確には天使、み使い、ガブリエルではないかと考えます)によって起こされ、揺さぶられます。ここの励ましの言葉がいいですね。「特別に神に愛されている人ダニエルよ」今から話す言葉を理解せよ。立ち上がれ、私はあなたに遣わされたのだ。彼は震えながら立ち上がり、み使いは励まし続けます。
12:「恐れるな ダニエル」心が恐怖心でいっぱいの時に確かな存在者から「恐れるな」という声を聴くと安心します。何故恐れる必要がないのか。(あなたの言葉は聞かれている)そうです彼の祈りは神に届いていたのです。

13:ここは天使が別次元の戦いが天で起きている事をダニエルに示している言葉です。今まさにダニエルの時代に於ける霊の戦いです。ペルシャの国の君とはペルシャの側に立つ天使、み使いの長、いわゆる堕天使で悪霊どもです。ダニエルを励ました天使は、悪霊どもの天使即ち、堕天使と21日間対峙しているのです。そこに最高位の天使の一人ミカエルが助けにきてくれた。理由は彼がペルシャの王たちのところに残されていたからです。このように霊的戦いの影響によって地上で様々な戦いがある事を教えられます。
無神論者は、ばかげた事と思うことかもしれませんが現実の地上の世界でも人間の力や範囲を超えたところの霊的な戦いが背景にあるのです。14:これを終わりの日(ずっと後の日)イスラエルの民に起こる事をわからせる為にみ使いは遣わされたのです。

適用 3つ
●意外なのは天における霊の戦いがあることでした。神の側の軍勢と悪魔の側の軍勢との戦いです。でもこれは意外でも何でもありません。新約聖書時代にもありますので今もあることです。
例えばエペソ人への手紙2:2(385頁)6:10~18(392頁)悪魔の策略に固く立ちなさい。何をもって立ち向かうか。聖書のみことばの力と御霊によって祈ることです。
・黙示12:7~8(505頁)大患難時代における天の霊的戦いの描写です。竜(悪魔)とミカエル達み使いたちの戦いです。そして地上では反キリストとその軍勢がイスラエルを攻め込みます。この様に戦いは地上だけではなく天で大きな戦いが源にあることを私たちは知るべきです。

●特別に愛されているのはダニエルだけではありません。貴方も愛されています。ローマ1:7(297)又、神を愛する者の為にはローマ8:28(310)すべてに働いて益としてくださる。
私たちも神に愛され、そして神を愛する存在である事をいつも覚えて歩んでまいりましょう。

●ダニエルのように私たちの祈りも天に届いて聞かれています。但し私たちの思い通りにならない場合のほうが多いのです。それは神が私たちを愛して大きく育ててくださる為にです。神は私たちの祈りをすべて聞いてくださる。その祈りの答えは3つ。①それはあなたに必要なことではない(かなえられない)②良いことだけど待ちなさい。③すぐに道が開かれる。一番多いのは良いことだけど待ちなさい。でも神はあなたにとって最善を備えてくださいます。

ダニエルは幻がわかったのは90歳近い年齢になってからです。この模範を受け止めながら私たちも主に信頼して生きよう。