ダニエル書(17)

2023年5月7日
聖書箇所:ダニエル書9章1節~19節
説教題:ダニエルの祈り

おはようございます。2023年5月第1週目の主の日を迎えました。今日は聖餐式を通して
イエス様の十字架の贖いの御業を覚えることが出来ますことを感謝します。
またネット配信をご覧のあなたもおはようございます。お元気ですか?あなたが本庄教会の礼拝に参加してくださることをうれしく思います。今日は前回の続きでダニエル書9章1節~19節から話します。それではご一緒に学んでまいりましょう。
 
1:ダニエル書は7章から12章迄の後半が預言書で、今日は9章迄来ました。ダニエルはベルテシャツァル(バビロンの王)の元年に神から啓示を受け、2回目はベルテシャツァルの第3年に啓示を受け、3回目は今日の箇所でメディヤ人ダレイオス(ダリオス)が王となった元年(紀元前538年頃)に啓示を受けました。

2:エレミヤの預言によればエルサレムはずっと荒れ果てたままではなく神の計画によると70年間と決まっていました。ダニエルが捕らえられたのは紀元前605年ですから70年後は紀元前535年という計算になりますので、あと3年でエルサレムに戻れるという事になり希望が湧いてきます。この70年という数字はとても大切な期間です。

もう一つ70年で覚えたいことはエルサレム神殿が完全に破壊されたのはいつだと思いますか。そうです紀元前586年ですね。それから70年後は紀元前516年です。丁度この年にエズラ達によってエルサレム神殿が再建されました。これも70年という預言通りです。

ではその根拠になるエレミヤの預言を見ていきましょう。エレミヤ25:8~12(1337頁)
何故エルサレムは破壊されたのでしょうか?神が恐怖の神だからでしょうか?そうではありません。旧約聖書の神は愛と恵みに満ち溢れた神です。しかし、彼らが(ダニエルの先祖たち)が300年以上にわたる神の呼びかけ(神はあわれみと忍耐の神ですが)に応えず不信仰の道を歩み、
また偶像礼拝の罪を犯し続けたからです。本当の神でないものを神として拝んだのです。
それ故、神の刑罰としてエルサレムはバビロンにより破壊され70年仕えるという預言です。
でも皮肉にも70年の終わりにはエルサレムを滅ぼしたバビロン帝国も傲慢のゆえに神によって罰せられ、他国に滅ぼされカルデヤの地は永久に荒れ果てる。これも預言の通りになりました。

でも神が愛と赦しに満ちた神ですので、彼らに幸せな道を歩むように道を備えているのも事実です。その預言がエレミヤ29:1~14(1343頁) ダニエル9:2節の「ダニエルが文書によって悟った」というのはこの預言の部分だと思われます。

1:エレミヤはエルサレムからバビロンに捕らえられた祭司、預言者たちに手紙を送り、その中で捕囚期間は70年という文章が当然あったことでしょう。神はアブラハム契約故に自分に逆らった者達の生きる道も備えたのです。
5:バビロンで家を建てて住み、果樹園を作り、その実を食べよ、妻を迎えて、息子、娘を生み・・・・そこで増えよ、減ってはならない。
7:町の平安(繁栄)を求め、その町の為に主に祈れ。※これはキリスト者の生き方です。
10:70年が満ちるころ、あなた方を顧み、あなた方に慈しみの約束を果たして、あなた方をこの場所(エルサレム)に帰らせる。
11:それは災いではなく平安を与える計画で有り、あなた方に将来と希望を与える為のものだ。
14:私はあなた方を引いていった先から元の場所に帰らせる。
※以上がエレミヤに与えられた預言ですが、ダニエルはこのような内容の手紙を読んだと思われます。そしてダニエル9:2から推察するとダニエル達はあと3年忍耐すれば国に戻れるのです。

ダニエル9:3に戻ります。私たち日本人はこの時どんな反応をするでしょうか。
真っ先に喜びつつ待ち望むことが先になるのかなと思います。70年まであと3年で良いのですからみんなで励まし合いあと少しでエルサレムに戻れるから忍耐して頑張ろうという気持ちになるでしょう。

3:でも3節を読むと彼の態度が意外に見えます。ダニエルは顔を神である主に向け断食し、粗布をまとって灰をかぶり祈りと哀願をもって主を求めた。この行為は何か?悔い改めの祈りです。今こそ、あと3年だから頑張ろうとではなく、まず神に悔い改めの祈りをささげているのです。

4:主に祈り告白しています。ダニエルは信仰深い人でしたが先祖が犯した罪を自分の事と受け止めています。神にその原因を擦り付けていません。ここが大切ですね。罪の告白が続きます。

5:私たちは罪あるもので不義をなし、6:私たちは預言者の語った言葉に聞き従いませんでした。7:主よ、義はあなたにありますが、顔を覆う恥は私たちにあります。8:私たちはあなたに対して罪を犯しました。9:まことに私たちは神に逆らいました。10:私たちは私たちの神、主の声に聞き従わず、11:私たちが神の前に罪ある者であったからです。14:御声に聞き従わなかったからです。※滅びの原因は先祖の罪で有りますが自分もその中の一人であることを明確に認識して神に罪の告白と悔い改めの祈りをささげています。
15~19:そしてここから許しを乞うて神に祈っています。主よ、聞いてください。主よ、赦してください。

日本人の歴史観
日本は78年前まで国民もあおられて軍国主義に突き進み、太平洋戦争に突入しました。先の戦争は日本が100%全て悪いわけではありませんが、数えきれないアジア人や欧米人を殺し、そして日本人も民間人を含め310万人が殺されたのは事実です。
多くの歴史家が過去の歴史を検証して、完全ではないにせよどこに問題点があったのか訴えています。私たちも、遠い過去の話で終わらせてはなりません。二度と戦争を繰り返さないために歴史から学び、悔い改め、前に向かって進みたいと願っています。その為にも先輩の罪を自分の事として受け止めるダニエルの祈り、生き方は大切です。過去の歴史を学び、未来志向で生きるなら私たちの生き方はもっと変わってくると思います。

私たちの生き方
 神の前に悔い改めるべきは悔い改め、誠実に主の前に生きよう。そして私たちの罪の為に十字架で苦しみ命を投げ出し救いの道を備えてくれた主イエスを見上げていこうではありませんか。