創世記(8)

2022年12月24日

2014年9月28日
聖書箇所:創世記12:1~9
宣教題:75歳からの再スタート 

先週はノアの箱舟のあとセム、ハム、ヤペテから生まれた人々が全世界に広がって行く過程を見ていきました。それはバベルの塔の事件により主によって言葉が混乱させられ半ば強引に全地に散らされていったのです。こうして400年がたち、セムの子孫の中からアブラハムが生まれます。

今日はアブラハムの話になります。その前にアブラハムと聞くと皆さんはどんなことを連想されますか。どうぞ。そうです。信仰に生きた立派な人物でした。この人の一生は175年でした。又創世記11章~25章までずっと続きます。それだけ著者の意図、思いが伝わってくるようです。これ以降はイサク、ヤコブ、ヨセフと50章まで続きます。因みにアブラハムの時代は族長時代と言われていますので参考にしてください。またアブラハムの名前を覚える場合は世界で最初に「は」を入れた人と覚えると良くわかります。何故か。最初の名前アブラムからアブラハムに変わっているからです。アブラム「高められた父」とか「父は愛する」という意味からアブラハム「多くの国民の父」と言う名前に変わります。

さて、このアブラハムは私達が模範とすべき人です。どのような人であったか。創世記11:27節~アブラハムの名前は出てきます。彼は古代文明発祥の地であるメソポタミヤ、またカルデヤのユーフラテス川沿いの豊かで高度な文化を持つウルという町に生まれ育ちました。但しこの町は月の神を礼拝することが盛んな町であります。その中でアブラハムは唯一の神、創造主をただ一人信じた人であります。主から「あなたの土地とあなたの親族を離れ、私があなたに示す地に行け」(使徒7:3)と言われ、このことばに従い一族を引き連れ住み慣れた町を離れる決断をするのです。但し行先は具体的には知らされていません。「信仰によって、どこに行くのか知らないで、出ていきました。」(ヘブル11:8)如何に彼が主に信頼していたが見て取れます。こうして彼は主の声に従いユーフラテス川沿いの北西に向かって旅をします。たどり着いた町がハラン(カラン)。ここも実はウルと同じように当時月の神を礼拝することが盛んな地であったと言われています。まさしくアブラハムの人生は波乱に満ちていました。そしてここでお父さんのテラが亡くなります。

ここから今日の聖書箇所である12:1~4、主の命令と祝福の約束(75歳)12:5~9カナンへの旅が始まります。何が書いてあるかを見てまいりましょう。

1、12:1~4、主の命令と祝福の約束
ある時、主はアブラハムに語りかけました。それが2つの命令と3つの祝福の言葉です。
2つの命令 
①あなたの生まれ故郷(ウル)父の家(ハラン)を出て、私が示す地に行きなさい。1節、命令形
・再度主はアブラハムに語りかけ、今までの生活環境から離れ、私が示す約束の地へ行けと語りか
けるのです。
②あなたの名は祝福となる。なれ。(祝福:主の愛によって恵みが与えられること)。2節 命令形
新共同訳:祝福の源となるように。口語訳:祝福の基となるであろう。
アブラハムを通して主の恵みが周りの人に広がるように。その源となるようにとの命令です。
2、多くの祝福を受ける 2~3節
①あなたを大いなる国民とする。やがてイサク、ヤコブを通してイスラエルの民に繋がっていく。
②祝福する。主の愛によって恵みが与えられること。旧約聖書の世界では霊的祝福と物質的祝福。
③あなたの名を大いなるものとしよう。アブラハムは信仰の父として大きな役割を果たしている。
④あなたを祝福するものを私は祝福すると主は言われる。これは後のイスラエルの民への祝福にもつながっていくのです。
⑤アブラハムを軽んじる者は呪われる。今のイスラエル民族にも適用される。私達の救いの根っこの部分であるイスラエルの回復の為にこれからも祈り続けようではありませんか。
⑥地上のすべての民族はアブラハムによって祝福される。アブラハムによってイスラエル以外の民である私達も信仰による恵みに与ることが出来るのです。それはアブラハムの子孫であるイエス・キリストの十字架の死と復活を信じる信仰によって実現するのです。

4節 主の言葉を受けて アブラハムは従う。
偶像に満ちて汚れた町、住み慣れた町を離れ、75歳で信仰により主が導かれた地へ行きなさいと
の言葉に従い新たなスタートを切ります。
彼の行動には自分の思いや願いを優先するより主の御心を第一として生きる姿勢が見て取れる。

2、12:5~9カナンへの旅
アブラハムはハランから主の示される南のカナンの地に向かい旅を始めます。信仰の態度2つ。
①6~7「モレの樫の木のところ」モレとは教師という意味です。樫の木は勢いがあり聖なる木とされていてカナン宗教(すなわち偶像礼拝で汚れた地)の中心地でありました。
ここに主は現われ、あなたの子孫にこの地を与えると語られた。かれはここで創造主なる神に祭壇を築いて礼拝します。アブラハムが信仰宣言をするという意味です。
②8、祭壇を築き主の名によって祈った。動物の犠牲をささげ公の礼拝を捧げるという意味です。
彼はどこにあっても主を礼拝する信仰の人として生きました。

適用
①あなたは自分の考え、思いが第一か。それとも立ち止まって主の御心を優先するか。
②あなたも私も隣人の祝福になるような生き方とさせて頂こうではないか。
③アブラハムが75歳で人生の再スタートを切ったように何歳からでも再スタートできます。
④どこにあっても主を礼拝するものは恵みを受ける。

結び 暗唱聖句 創世記12:1
今あなたは何歳ですか。いつからでも人生の再スタートを切ることが出来ます。主の御心を優先して生きるときあなたの人生は大いに恵みを受けます。

尚次回10月はイエスの弟子たち、11月はイエスのたとえ話、12月は救い主の到来についてです。主に期待しながら良い生日が続けられるように致しましょう。