テサロニケ人への手紙第二(2)

2022年12月16日

2015年6月28日
聖書箇所:Ⅱテサロニケ2:1~12
宣教題:心騒がせるな 

テサロニケⅡ学びの2回目になります。使徒パウロは第一の手紙に続いて2回目の手紙を書く必要が生じました。それは前回同様、キリストの再臨について間違った理解をしている人がいて、教会が混乱していたのです。その根拠が2:1~2に書いてあります。主イエスが再び来られる事、私達が再び主のもとに集められることに関して、「ある人は聖霊によって啓示を受けたとか、言葉によって受けた、あるいはパウロの手紙を読んだらキリストの再臨が既に来たと書いてある」と言う人がいたのです。信者は偽物の手紙に惑わされ仕事を辞めて落ち着きを失い、心を騒がせる人が多くいました。それで使徒パウロは1回目に続いてすぐに2回目の手紙を書き送り人々が健全な信仰に立つように勧めをしました。これがかれたテサロニケ第二の手紙がかかれた背景です。

今日は2章からです。何が書いてあるかをまず見てまいりましょう。
1、惑わし 1~2
今私達は聖書の中でも非常に大切なキリストの再臨と言うテーマを学んでいます。再臨に関する記述は新約聖書だけで300箇所も出てくるそうです。それほど再臨は大切なテーマです。しかし、世の中的にはナンセンスだと思われ、多くの人々は嘲笑います。またクリスチャも軽んじ人が多くいます。あるいは信じない自称クリスチャンも人います。何故か。それは人間の理性に反する事と考えているからです。また現に二千年間キリストの再臨はないことも要因と思われます。

でもそれは極めて矛盾です。なぜなら使徒信条で、そこから来られて生きている人と死んだ人とを裁かれます。文語体ですと、かしこより来たりて、生ける者と死にたるものとを裁きたまわんと信仰告白して毎月、再臨信仰を認めているのです。でも信じない人が多くいるのも事実であります。
しかし、使徒の時代から時代から既にキリストの再臨について惑わしがありました。パウロたちによって教えられたにもかかわらず、間違った教えを鵜呑みにする人がいました。鵜という鳥は魚を丸ごと豪快に飲み込む。そこから間違った教えを丸ごと受け止める事を鵜呑みにすると言います。

ではどんな内容か。ある人は「聖霊によって啓示を受けたとか、預言の言葉を受けた、あるいは偽物の手紙を読んでパウロの手紙には既にキリストの再臨が来たと書いてある」といってテサロニケ教会の人々は混乱してしまったのです。これはキリスト教会が始まってすぐに起こったことです。
教会の歴史によればある人はキリストが1843年から44年の間に再臨すると言いました。またあるキリスト教異端グループは1914年に来ると言い、それで来なかったので次は1975年に来ると言い、最近もこの日に来ると言って来ないことがありました。このようにキリストの再臨はいつなのかは誰もわからないことなので決して言ってはならない事なのです。ですから現代に於いてどこかの牧師がいついつキリストは再臨すると言ったらそれは間違いであり、危険な事ですので信用したりしてはなりません。最近の韓国では私こそ再臨のキリストだといっている人が30人いますから注意してください。

2、背教の時代、不法の人(滅びの子)の登場 3~5
では全く分からないかと申しますとそうでもありません。無関心でいなさいということでもありません。何故ならクリスチャンにとって最大の望みはキリストの再臨及び後の千年王国、それに続く新天新地(私達が安易に天国と呼んでいるところ)ですから。キリストの再臨については前兆がありますから注意しておくべきです。それは何か2つあります。
①背教が起こる。
英語ではアポスタセイですか。一度キリストを救い主と信じた者が信仰から離れる事、信仰を捨てる事です。キリスト者と称している人が大脱落する時代が来ます。大きな規模で信仰を否定する時代が来ます。ルカ18:8でルカはイエス様の言葉を紹介しています。「しかし、人の子が来たとき果たして地上に信仰が見られるでしょうか」と主イエスはご自身の再臨の時に起こる事を述べています。そうです。Ⅰテモテ4:1でも使徒パウロがテモテに書き送っている手紙の中に述べているようにこれから後の時代に起きるのがキリスト教背教時代です。
②不法の人、滅びの子の出現後に主の日が来る
この不法の人、滅びの子は反キリストとも呼ばれています。この者が神に反抗し自分を神と宣言するのです。この者の現れは黙示11:7。黙示13章に出て来る獣。数字で表すと666。これが起こって後主の日すなわちキリストの再臨があるとパウロはここで兄弟姉妹たちに伝えました。

3、引き留める者の存在 6~7
この不法の人が神の定めの時まで現れないように引き留めているものがあります。何故引き留めているかと言いますと不法の人とは反キリストの事ですから、反キリストが登場する事は全人類がいまだかつて経験していないような困難な時代、大艱難時代になります。そうならないように引き留めるものが引き留めているという事です。ではこの引き留めるものとは何か。私が一番無理のない解釈は人格を持ち、教会、キリスト者と共にいて励まし、慰め、力を与えてくださるお方は、助け主、聖霊、御霊ではないかと理解しています。やがて恵みの時が終わると7節にあるように教会(キリスト者)の引き上げと共にこの聖霊もやがて取り除かれます。聖霊によって恵みの時代が続く。

4、主イエスが来臨の輝きをもって来られる。そして不法の人を滅ぼす。8~12
しかし聖書の預言では滅びの子(反キリスト)なるものは主イエスの来臨の輝きをもって滅ぼされてしまいます。悪はずっと続きませんのでご安心ください。この後キリストが世界の王となるメシヤ的王国すなわち千年王国がつくられて世界の秩序が大きく変わります。この時私達はキリストと共に栄光の体をもって世界を治める働きに加えられます。そしてやがてその千年が終わる時に閉じ込められていた悪魔が最後の反逆をして最終的に神に滅ぼされます。その後やっと全く新しい新天新地が神によってつくられて永遠の世界があります。黙示録20章、21章に詳しく書かれている。

適用
●キリストの再臨がある事を聖書から教えられたあなたはどう生きるか。 
 ・世界は終末に向かっているとともに真の希望、回復、完成の時に向かっている(理解)
・再臨の日を決して決めつける事はしない。主なる神以外に誰も知らないから。惑わされない。
・落ち着いた生活をして、あなたにしかできない使命、役割を明確にして仕事に身を入れる。
・自分の使命役割を明確にして人生全体を考えて生涯生き抜く。イエス様に似る事を最優先に生きる事。これを聖化と言います。
結び 
世界の終末と共に神の計画の完成の時でもある未来に思いを馳せながら、心を騒がせることなく、惑わされることなく(まことしやかな本に騙されないように)、普段と変わらない主を信頼する生活をして主を待ち望んでいこう。これがキリスト者の生き方。暗唱聖句 Ⅱテサロニケ2:3