ガラテヤ人への手紙(2)

2022年12月14日

2015年8月9日
聖書箇所:ガラテヤ1:11~24
宣教題:使徒とされたパウロ 

8月2日からガラテヤ人への手紙を学んでいます。この手紙は使徒パウロが早い段階で書いた手紙で、宛先はガラテヤ地方にある諸教会です。大きなテーマは、福音の真理、本質を守る為に記されたものです。福音とは私たちが信じる信仰の基本であり堅く持ち続けるものです。

前回の内容を確認しますと、ガラテヤ地方の諸教会はパウロ達によって福音宣教がなされ、人々はパウロの語る言葉に耳を傾け、イエス・キリストを救い主と信じて救いを受けキリスト教会が形成されました。しかし教会をかき乱す者たちがはいってきてパウロの教えたキリストの福音と違う教えを伝えました。それは福音+モーセ律法を守らないと救いわれないとか、救われても三流の信徒であるとか、福音+割礼を受けなければ救われないと教える偽教師でした。ガラテヤ諸教会の人々はその教えにすっかり心奪われてしまいました。そして偽物の福音に心が移ってしまったのです。

こうなると真のキリスト信仰ではありませんので、教会の雰囲気はがらりと変わります。自由や喜びがなくなり、人々の顔も非常に険しくなります。これを伝え聞いたパウロは危機感を持ち手紙を書いたのがこのガラテヤ人への手紙です。

11節~12節 文章の流れ的には先週の続き
パウロがのべ伝えた福音は、人間が考え、人間の手によって受けたものではない。また、教えられたものでもない。イエス・キリストの啓示によるものです。啓示は直接イエス・キリストから示され教えられたのだと証言しています。
福音とはキリスト信仰の中心で、パウロがⅠコリント15章で述べている様に、キリストが私達の罪の為に十字架上で死なれたこと、葬られたこと、そして三日目に甦り、今も生きておられることです。この福音の言葉を信じたら救われます。救いとはキリストと一つにされ、罪の赦しと新しい命が与えられる事で、新生すると言います。目には見えませんが信じた人はキリストと一つにされ、キリストの命を受けます。この福音のメッセージは人間が考えた作り話ではありません。キリストによって啓示されたことをパウロは知らされ、そして人々に伝えているのです。
現代に生きる私たちもパウロが啓示されたこの福音を信じる信仰によって救いを受けるのです。あなたもこの福音をそのまま信じたら新生する事が出来ます。

13節~14節 ユダヤ教徒であった頃のパウロの生き方
パウロは激しく神の教会を迫害した人、絶滅させようとしていた人、他の人よりもはるかにユダヤ教に進み、先祖からの伝承に人一倍熱心な人でした。この姿に旧約聖書が教える、神と隣人を愛する信仰の生き方はどこかに飛んでいってしまった感じがします。何故あの博学なパウロはキリスト者を迫害したのでしょうか。それは聖書から生きる意味や大切なものを求める生き方でなく先祖からの言い伝えや伝承の価値観の中に凝り固まっている姿が見えてきます。そしてキリスト信者は間違っていると思い込んで激しく迫害しました。パウロにとっては正義の戦いでありました。

15節~24節 180度変えられたパウロ
15節、けれども生まれた時から私を選び分け恵みをもって召してくださった方が・・・。パウロは自分の生き方が間違っている事を示されます。キリスト者を迫害するためにエルサレムからダマスコに向かう途上で直接「サウロ、サウロなぜ私を迫害するのか」というイエスの声を聞きます。迫害者ですから主なる神の一撃で滅ぼされるかもしれません。けれども神はパウロがユダヤ人以外の人々すなわち異邦人への使徒となるよう選び分けていたのです。恵みをもって導いてくださっていました。「恵みとは相応しくない者に与えられる神からの一方的な良いもの」という意味です。この恵みによりパウロはキリストの救いを受け主に異邦人に福音を伝える神の器として用いられるようになるのです。
この後、エルサレムに戻って先輩の使徒達に会う事をせず(17・18節)異邦人にキリストを伝える為にユダヤの東側にあるアラビヤ地方に移って年間にわたり福音宣教する事になります。その後、ケパ(ペテロ)に会うためエルサレムに上り、15日間滞在し、ペテロや主の兄弟ヤコブと親しく交わりイエス様の話を聞いたりしたのではないかと思います。
因みに主の兄弟ヤコブとはイエス様の肉の弟であり、後にエルサレム教会の指導者となりヤコブの手紙の著者の事であります。この後パウロは(21節)シリヤや地中海に面したキリキヤ地方で福音宣教の働きを14年間にわたってします。キリキヤ地方にはパウロの生まれ育った有名な町タルソがあります。パウロは故郷の町でも伝道したのではないでしょうか。またシリヤにはパウロの宣教拠点アンテオケがあります。ここがパウロの異邦人伝道の中心地です。(聖書地図参照)
こうして以前は神の教会を迫害していた者が今はキリストをのべ伝えているのでユダヤの諸教会の人々は神を崇める様になりました。

適用
○あなたはどのような自分の生き方にこだわっていますか。
パウロはユダヤ教の伝承、先祖の言い伝えに従う生き方こそ正しいと思い込んでいました。そしてキリスト信者は間違っていると思い込んで迫害したのです。皆さんはいかがですか。無神論こそ正しい考えだ。あるいは創造主なる神など存在せず、人は偶然の結果、進化して、私の先祖もサルだったと本当に思いこんでいますか。
聖書は「あなたは価値ある存在」として、創造主なる神の御計画の内に選び分けられ命を与えたと教えています。そしてあなたには使命があるのだと語り掛けています。あなたは進化論的生き方にこだわっていますか。それとも創造主に命を与えられ愛されて生きる事を選び取りますか。

○創造主なる神は恵みをもって召してくださるお方です(15節)
あのパウロは激しくキリスト者を弾圧し迫害した人物です。けれどもそのパウロにも神は大きな恵みをもって接してくださいました。いつも言います。恵みの定義は何ですか。「相応しくない者に与えられる神からの一方的なよいもの」です。実はこの恵みはあなたにも満ち溢れるほど与えられています。これを信仰によって受け止める時にあなたの人生も恵みあふれるものに変わります。

暗唱聖句 ガラテヤ1:11 
結び パウロがのべ伝えた福音は人間が考え出した作り話ではありません。主なる神、イエス・キリストによって示されたものです。人はどうしたら命にあふれて新しい人生を生きる事が出来るか。福音を信じる事です。福音とはキリストが私の罪の為に十字架上で死なれたこと、葬られたこと、三日目によみがえられた事を信じ受け入れる事です。キリストは今も生きてあなたに新しい命を与え、あなたと共にいてあなたを導き、励ましてくださる本物の神です。お祈りしましょう。