マルコの福音書(62)

2022年12月13日

2018年2月4日
聖書箇所:マルコ13:1~8
宣教題:神イエスの終末預言 

先週はやもめの献金を通してイエスが献金とは何かを教えられた聖書箇所から学びました。
如何でしたでしょうか。基本的にはすべては主のものであり、私たちはそれぞれの能力、賜物に従って主から受けたものを預かり管理させてもらっています。多く与えられた人は多く求められ、少なく与えられた人は少なく求められます。いずれにしても主から受けたものを喜んで主にお返するのが献金の大原則です。これを確認できれば幸いです。
 さて今日はマルコ福音書13章からイエスの終末預言について学びます。世界はこれからどうなっていくのかという事は気になるところです。この私たちの疑問、質問に対してイエス様は丁寧に話されましたので大変助かると共に、この箇所を通してイエスの真意を理解していくならば私たちは真の平安で満たされますし、未来が見えてきます。どうぞ主に期待してください。
まずは背景について確認しましょう。イエス様はいつ話されたか。これは何と今日も火曜日の話です。ずっと火曜日が続いています。過ぎ越しの祭りが行われる週ですので、世界中に離散したディアスポラのユダヤ人たちが礼拝の為エルサレムに集まっていました。大賑わいです。そこにイエスを攻撃する人たちが入れ代わり立ち代わり質問して攻撃を仕掛けてきましたがその都度論破されてしまいます。最後に女やもめの献金する姿を見て主に信頼して委ねる信仰を高く評価されました。このように最後は明るいニュースで締めくくられたところで神殿内での話は終わります。

1:いよいよイエスは神殿を出て弟子たちと共にオリーブ山に向かっていきます。その途中弟子たちがエルサレム神殿を見て驚きの声を上げます。1節の言葉を読む。当然でしょうね。ペテロたちはエルサレムから遠く離れた田舎のガリラヤ出身ですから。その荘厳さに度肝を抜かれた事でありましょう。因みに神殿の石の大きさが3メートル以上、重さ8トン以上と言われています。神殿を支える城壁の壁はそれよりも大きいと言われています。彼らの驚きの声は昔も今も変わりません。今でも大きな教会堂や立派な会堂を見るとすごいなと思います。しかし一番肝心な事はその建物よりも、その中で信仰に生きる人の姿勢こそが大切なのだという事を忘れてなりません。

2:でもイエスはいとも簡単に返します。あなた達は見とれているのか。でも、この神殿の石は砕かれないで他の石の上に残る事はないと預言したのです。徹底して破壊しつくされるという意味です。この神殿はあのヘロデ大王によって工事が始められました。最初ソロモンによって建てられたエルサレム神殿は、紀元前586年にバビロン帝国の根深で寝ざる王により破壊されました。時代は過ぎてユダヤ人は70年後に国に帰る事を許され神殿建設を再開し小さな神殿を作ったのです。

でもこの神殿もイエスが生まれる前の時代に攻撃され傷んでいました。これを大きく豪華に変えて再建し始めたのがあの有名なヘロデ大王です。彼は自分の人気が出る為に大規模な神殿改修工事を始めます。そしてイエスの時代にはかなりできていたのです。完成は何とイエスの死後34年たちました。そしてイエスの預言通り紀元70年ローマの軍隊によって破壊しつくされてしまいます。何故石が砕かれ徹底して破壊されたかというと、神殿の内部には大量の金が使われていましたが火災によりこの金が溶け出し、石と石の間に流れ出たのです。ローマの兵士たちは分捕り物が自分の物になるので石の間に溶け出した金を一生懸命掘り出したのです。結果として破壊しつくされ、まっ平らになったという事です。この預言は紀元70年にイエスの言葉通りに成就するのです。

3:オリーブ山に着くとイエスが気になる事を言うので、4人の弟子たちは神殿向かって座っていたイエスの所に来て質問します。

4:弟子たちの質問の内容は、マタイ24:3の関係で見るとこの時代が完成する印(世の終わりのしるし)について聴いているのです。
○世の終わりのしるし。この訳は誤解を招きやすいです。人に世の終わりという不安を与えます。意味はこの時代の完成はいつかと聞いています。英語ではコンプリ―ション、オブ、ザ、エイジです。当時ユダヤ人は時代を今いる時代とメシヤが来た後の時代とに分けて考えました。新約聖書の言葉でいうと、千年王国の前にはどんな前兆があるのですかと質問しているのです。

5:イエスの答え
この時代が完成する印(世の終わりのしるし)について一連の事を丁寧に答えています。
5~6:にせキリスト。通常起こる事です。誤解の無い様に。ニセキリストが多く登場する。全世界に「私はキリスト、メシヤ、救い主である」と名乗る人は多くいます。驚き、惑わされないようにして下さい。本当のメシヤ、キリスト、救い主はイエスだけです。今この地上にはいません。

7:地域戦争のこと、これも常に全世界で起こっていることです。かならず起こる事ですので終わりがきたという意味ではありません。ここも誤解しないでください。

8:地球規模の戦争(民族は民族に、国は国に敵対し)当時のラビ用語で地球規模の戦争のことを言っています。第一次世界大戦は既に起こりました。地球規模の大地震は50年前とは比べ多発しています。この2つを見てもここから見て聖書の言うこの時代が完成する印(世の終わりのしるし)が始まったという事になります。でもこれは始まりにすぎません。産みの苦しみ、陣痛、これも当時のラビ用語であると言われています。だんだんと痛みが増してきます。今日はここまでです。
適用
○イエスこそメシヤである。
メシヤとは油注がれたものという意味です。聖書の時代に王、祭司、預言者の任命時には油が注がれました。イエスはこの3つすべての働きがあります。オリーブ山で①預言者として語っています。イエスは今も②大祭司として私たちの為に神のみ前にてとりなしておられます。そしてこれからイエスは世界の③王として再臨しこの世界を治めるお方です。それ故イエスのみが本物のメシヤ、キリスト、救い主なのです。やがて来るイエスの再臨、千年王国に備えてあなたはどのような使命がありますか。キリストにある使命に生かされ、備えてまいりましょう。
○歴史観
聖書から世界がどのように流れていくかを理解しつつ自分の生き方を確立していこう。今イエスの預言によるとまさしく終末、一つの時代が完成する少し前の時代であります。ここを認識しながら目を覚まして歩んでいこうではありませんか。
結び
今この世の完成が近い時代に生きている事は意味がある。この世の完成という事を正しく理解し恐れや不安に思う必要はありません。一キリスト者として、一市民として、他と比べる事無く、神を愛し人を愛する生き方を貫けばよいのです。そして自分がこの地上の生涯を終える時にやるべきことはやった。走るべき工程は走り尽くしたと言えるような人生を歩めばよいのです。あなたはこの地上の生涯が終わった瞬間に朽ちない栄光の体に変えられ、イエス様のもとに行くのです。ずっと主イエスと共にあります。これが私たちの人生です。終わりの時とは完成の時代の事です。