ヨハネの黙示録(19)

2019年6月9日
聖書箇所:黙示録20:1~6 
説教題:千年王国の祝福 

先週はヨハネの黙示録19:11~キリストの地上再臨について学びましたので、今日は続いて千年王国になります。この千年王国に対する解釈はいくつかあります。一つはこの言葉を文字通りにキリストが世界を千年間治めるのではなく、今の教会時代が、霊的な意味でキリストの王国であるという解釈です。今既に千年王国は始まっていて、キリストが地上に誕生した時から神の国は始まっていると解釈します。その解釈に立つ人にとって20章はキリストが誕生した時の事と解釈するわけです。カトリック教会や改革派教会はこの立場です。これを無千年王国説と言います。

これに対して聖書を字義通りに文脈に沿って事実として解釈する立場は、キリストの地上再臨の後に、キリストによる千年間の王国時代がある。この地上でキリストを中心とする平和な千年王国があると解釈する立場があります。文脈に沿って出来うる限り字義通りに理解しようとする立場ですね。そして千年王国には私たちもキリストにある者として世界を治める側に立つという理解です。
私は千年王国があるいう立場に立って聖書を理解して、皆さんの前で宣教しています。

キリストの地上再臨の続きとして何があるか。使徒ヨハネが次に見る幻は1~3悪魔が千年の間縛られること。4~6は千年王国が実現すること。
○1~3:悪魔が千年の間縛られる
1:あるみ使いが底知れぬところの鍵と大きな鎖をもって天から下ってくるのを見た。
20章は19章の続きです。即ちキリストの地上再臨があり、反キリストや偽預言者が裁かれ、火の池に入れられる。その続きになります。主役の悪魔はどうなるか。底知れぬところに閉じこまれる。
ここは火の池(地獄とは)違う場所。底知れぬところはアブソスとかアビスと言い悪霊共を一時的に閉じ込める場所のことです。鍵は開けたり閉じたりするもの、鎖は縛る物。

2:悪魔は千年間縛られる。意味はサタン(糾弾する・非難する)竜(悪魔の凶暴な性質)古い蛇(アダムを惑わしたあの蛇、悪魔の事)悪魔(敵対するもの)全部悪魔に対する呼び方です。

3:千年間、底知れぬところに投げ込まれる。民を惑わすことがない。
今の時代、悪魔は様々な方法で私たちを惑わし、悪を行わせます。しかし千年王国時代は悪魔の惑わしが無くなるので非常に平和な時代が続きます。但しこの時代に生まれた人にも罪の性質は有りますので、人の罪は依然として残ります。その後サタンは解き放たれ、7節以降を見ると再び神に反逆して最終的に火の池に投げ込まれます。

4~6は千年王国が実現する
4:多くの座があり、座る人がいた。12使徒とキリスト者。千年王国でキリストと共に治める立場に立つ。また患難時代の時に迫害を受けて殉教の死を遂げた人たちが、生き返ってキリストと共に世界を治める事になります。

5前半:そのほかの死者:罪赦されなかった人という意味です。千年が終わるまで生き返らなかった。この人たちは千年王国が終わった後、神の最終的な裁きの座の前に立つまで生き返りませんでした。
5後半から6
:第一の復活について、第一の復活に与るものは幸いである。勿論私たちも含む。千年の間キリストと共に治める。この人たちには第二の死は何も力を持たない。では第二の死とは何か。
第一の死は肉体の死(魂と肉体の分離)第二の死(神との永遠の分離・火の池に投げ込まれる)
祭司となる:キリストと直接交わりが与えられる。そしてキリストと共に千年の間王となる。

適用
確かな未来がある
私たちは未来について良くわかりません。でも聖書にはこの世界の始まりから終わり(完成)の事が示されています。聖書によれば世界は完成に向かって進んでいます。聖書預言の通りになっています。そして、いつかは分かりませんが、キリストの空中再臨があり、7年間の大患難時代、キリストの地上再臨と続き、千年王国が誕生します。やがて千年王国が終わり、新天新地が誕生します。この様に聖書は確かな未来を教えくれます。
そのような世界の流れの中に私達は意味があって生まれ、それぞれに与えられた使命があります。その使命は何かを確認しながら自分たちの歩みを送っていければ幸いです。

結び
千年ということばは黙示録20:4~6しか出てきません。それ故この時代はないと思うと考える人が多いです。しかし聖書の結びの箇所に千年という言葉が6回出て来るには意味があります。
ではこの王国についての詳しい様子はないのでしょうか。有ります。旧約聖書を読むといたるところにその描写は出てきます。その一部を紹介すると、イザヤ2:4、11:3~9、35:1~2、詩篇15:1~5、詩篇24:1~6、イザヤ65:17~25、ミカ4:1~5。
これから旧約聖書を読むにあたって、ヨハネの黙示録で明らかにされた千年という期間限定のメシヤ的王国の視点を探って読むと更に聖書理解が深まります。注意深く読んでまいりましょう。そして恵みと励ましを旧約聖書から沢山受けていきましょう。お祈りします。