コロナ禍の中で 愛と善行を目指して
2020年8月9日
参照聖句:ルカ21:10~11
説教題:イエスの終末預言から学ぶ
おはようございます。8月第2週礼拝を共にできる事を感謝します。
先週は新型コロナの中にあって信仰者として、どう生きるかを考えました。
今日はイエスがオリーブ山で語られた預言の中から共に考えてみたいと思います。
11節にある疫病とは何か?ウイルスが飛沫感染や他の方法で人から人に伝染する病気です。人間の歴史は疫病との戦いでもありました。例えば黒死病と言われるペストは、大きなものでは過去3回広がりました。1回目は東ローマ帝国内で6世紀に60年流行したと言われています。2回目は14世紀にヨーロッパを中心に大流行、2千万人~3千万人が死んだと言われています。3回目は19世紀末に中国を起源としてインド、東南アジア、日本、アメリカ西海岸で広がったもの。
日本がよく知っているのは痘瘡(天然痘)です。朝鮮半島との交流により6世紀に伝わってきたと言われる恐ろしい病気。あの戦国武将、仙台の伊達政宗が右目を失ったのが天然痘と言われています。但し幸いなことに現在では天然痘は撲滅されています。
他に赤痢、コレラ、インフルエンザなどがあります。有名なのが江戸時代末期のコレラです。
当時はコロリと呼ばれ、安政5年には江戸(今の東京)で10万~26万人死んだと言われ、2次感染は文久2年、江戸で7万3千人と死んだと言われています。全国規模だと膨大な人数です。
100年前の大正時代にはインフルエンザ、スペイン風邪が大流行、全世界で1700万人~5千万人死んだと言われ、日本でも3回大きな感染があり、38万人~45万人が死亡しています。
そして今年の新型コロナウイルス感染、全世界で1890万人が陽性、死者70万9千人です。日本で陽性者は4万7千人で、亡くなった人が1043人です。因みにインフルエンザは年間3千人の方が亡くなっています。ワクチンがあっても。
この様に疫病は世界中で昔から常に存在し、日本でも様々な疫病が流行し、多くの人の命を奪っています。この疫病の中で人は生き延びてきました。ですから今の新型コロナを通して、直ぐに世の終わりだとか、患難時代が来たと言って大騒ぎし、不安を煽り立てる事をしてはなりません。
以上の話を踏まえて聖書から見ていきましょう。平行記事はマタイ24章、マルコ13章も参考にすると分かりやすいです。
イエスの終末預言に疫病という言葉がルカの福音書だけに出てきます。ルカは医者なので疫病についても記録しているのかもしれません。貴重な記録ですね。この箇所はイエスが十字架に掛かって死なれる前、オリーブ山からエルサレム神殿を見て、弟子達の質問に答えた時の事です。内容は、①神殿がやがて破壊される時②世の終わりの生みの苦しみの時③キリストの再臨についてです。
ルカ21章11節、12節、このイエスの言葉は「生みの苦しみの始まり」を述べています。ここから世界の流れは、産みの苦しみ、7年間の大患難時代、後にキリストの地上再臨による患難時代の終結、そしていよいよ世の終わり(即ち、世の完成)であるキリストの世界統治、千年王国と繋がります。マタイ24:7~8を開く。
10:民族は民族に、国は国に敵対して立ち上がりは、1世紀のラビ専門用語で世界戦争のことです。これは1914年~1918年まで続いた第一次世界大戦によって現実のものとなっています。世界中で1600万人が死んでいます。因みに日本は連合国に加わり勝利者の立場です。
またこの戦後の対立が残り次の第二次世界大戦に繋がっていきました。これが100年前から今に続く、生みの苦しみの始まりの時代です。
11:大きな地震:諸々の地震という意味で、地震は複数形。今日、地震は日本はじめ中国、ニュージーランド、アメリカ西海岸等いたるところで起きています。50年前と比べるとケタ違いの多さです。
方々に飢饉や疫病(伝染病)が起こる。方々にとありますが、ここも複数形です。飢饉も諸々の飢饉です。世界中いたるところで起きています。日本は食糧自給率がわずか37%ですから、いつ飢饉が起きてもおかしくありません。これが日本の現状です。
疫病:人間はコロナだけでなく様々な疫病との戦いがあります。毎年くるインフルエンザはもちろんの事、コロナウイルスで18年前に中国南部を起源とするサーズがありました。覚えていますか。日本でも大騒ぎしましたね。これは終息しましたが、マーズは2012年中東アラビア半島で発生して今も流行が続いています。
恐ろしい光景や天からのしるし、異常気象、温暖化による高温、大雨、巨大台風による災害は世界規模で、日本もそのまま影響を受けています。この様に私達は「生みの苦しみ」の時代に生きているのです。
適用
様々な災害は私たちも受ける可能性があるので備えることが必要です。
結び
聖書的に見ますと私達は「生みの苦しみ」の時代を生きているのです。但し、患難時代に入ったわけではないので注意してください。でもこの生みの苦しみの時代を経て、やがてキリストが直接統治する千年王国時代が始まるのです。ここに希望を持って、主を見上げて礼拝をささげ、今週も、主にあるそれぞれの使命を果たしてまいりましょう。