キリストの地上生涯に於ける聖霊

2022年12月20日

2020年3月22日
参照聖句:マタイ1:18
説教題:キリストの地上生涯に於ける聖霊 

おはようございます。今日は聖霊について8回目の学びになります。今迄学んだ事を振り返ってみましょう。まず聖霊は人格(知性、感情、意志)を持つ神である事3回、聖霊は父なる神と子なる神イエス・キリストと全く同格な神である事2回、旧約聖書に於ける聖霊の働きを2回、そして今日は新約聖書からキリストの地上生涯に於ける聖霊の働きを学んでまいります。

イエス・キリストは神の子としてこの地上に来られた時には完全な人間の形をもって来られました。それ故神である面と完全な人である面の2つの性質をもっていたのです。ところである人はイエス様は神なので聖霊様の働きは必要ないのではと思う方がいるかもしれませんが、新約聖書の福音書を調べてみると様々な形で聖霊はイエス様の生涯に関わっています。聖書を開きます。

①マタイ1:18~21
18:前半、この箇所を普通に読むと、イエス様はマリヤとヨセフが結婚前の婚約時点で性的関係をもって生まれたのかと思ってしまいます。でもユダヤ式婚約の意味が分かるとそのような疑問は無くなります。ユダヤ式結婚の手順を分かりますので見ていきましょう。7段階
①双方の両親の合意で話が進められる。
②花嫁の父親に花嫁料を払った段階で正式な結婚関係が成立する。(婚約)
③同居は1年ほど先になるが、法律的には結婚関係と見なされる。(婚約)
④婚約期間は花嫁が父親に仕える期間である。
⑤この期間を通して花嫁の純潔が証明される時となる。
⑥婚約期間に花嫁が他の男と関係を持てば、姦淫の罪を犯したことになる。
⑦結婚関係の破棄は離婚によってのみ成立する。
以上が結婚の手順です。ヨセフとマリヤが婚約していたとは②と③の状態で②花嫁の父親に花嫁料を払った段階で正式な結婚関係が成立する。③同居は1年ほど先になるが、法律的には結婚関係と見なされる。18節の事は二人がまだ一緒にならないうちにマリヤに対して聖霊の超自然な力による働きでマリヤは身ごもったのです。この様にイエス誕生の時にも聖霊はしっかりご自分の役割をして働きをされています。

○19:ところが聖霊の超自然によるマリヤ懐妊の事実をヨセフは全く知りませんでした。それ故マリヤをさらしものにしたくなかったので世間の人の目を恐れ、ひそかに離縁しようと考えていたのです。

○20:思いめぐらしていたヨセフに対して、み使いが語り掛けます。恐れずマリヤを妻として迎えなさい。其の胎に宿っているのは聖霊によるものです。この様に聖霊の超自然の働きか家があったのです。

○21:性別(男)、名前(イエス)、地上生涯(自分の民を罪から救ってくださるという使命に生きる)の働き迄丁寧に教え示してくれました。このように聖霊はイエス誕生に際し超自然の働きされたのです。

②マタイ3:16、ここはイエスが公生涯に入ったところですので30才という事になります。
1章から既に30年たっています。ここではイエスがバプテスマのヨハネから洗礼を受けている時です。正しいことをすべて実現することが、私たちには相応しいと言い、水のバプテスマを受けられました。イエスが水から上がると天が開け、神の御霊が鳩の様な形をして自分の上に下ってくるのをご覧になりました。ここでも御霊なる聖霊は新しい段階に道を進めたイエスと共にいて下さったのです。では何故、御霊は鳩のような形で来られたのでしょか?

御霊について鳩とつながるのは度の聖書個所であると思われますか?
③創世記1:2です。あの天地創造の時に、茫漠、混とんとした地を回復するために神の霊、即ち聖霊は、地上を覆って回復の働きをしていました。ここは親鳥が卵を温める姿をイメージするものです。後にユダヤ教ラビたちはこの鳥は、鳩であるという解釈がされます。
鳩を見て私たちは何を思うでしょうか?鳩だけにハッとしますか?そうではありませんね。鳩はご存知のように平和、柔和、聖潔のシンボルです。ここでは聖霊は鳩のような形でイエスの上に下ってこられたのはメシヤとして公に宣言されたことを意味します。こうしてイエスはメシヤとして奉仕するために力を受けます。
・関連聖句イザヤ11:1~5
ここは聖霊が鳩のような形をして下ってこられたイエスの公生涯を預言する箇所です。エッサイとはダビデ王の父親の名前です。このダビデ王の流れからメシヤであるイエスが誕生します。そのメシヤの上には主の霊(即ち聖霊)がとどまっているのです。その中身は何があるか。知恵と悟り、思慮、力、主を恐れる知識の霊、正義、真実です。これがメシヤ預言でありイエス・キリストの姿であります。

④最後にマタイ4:1に戻ります。
神の子イエスは御霊の導きに従い荒野に行かれました。神はイエスを罪に誘い込んだりしませんが、イエスが悪魔の試みを受け、それを退ける機会を備えます。それはイエスが罪人の立場に立つだけでなく人の受ける試みを自分も受ける事によって、真の救い主となる事を示すためでした。これが荒野で悪魔の誘惑を受けた理由です。この様に御霊はイエスを導いたのです。

以上イエス・キリストの地上生涯に於ける聖霊の働きに就いてみてきましたが、聖霊なる神はキリストの誕生に際して、マリヤの胎内からメシヤが生まれる事が出来る様に超自然の働きをし、イエスを胎内に宿す働きをしました。またヨセフにも信仰による確信へと導き、イエスが30才になって新しい段階に入る為バプテスマを受け公にメシヤ宣言された時にもずっと共にいて下さったのです。そして33年間の生涯の間ずっと共にいて導き、力を与え続けました。

適用
今まで見た通り、聖霊は天地創造の時からイエスの時代に至るまで、ずっと神としての働きを続けておられます。更にイエス以降の新約聖書時代の信徒に対しても共にいて導きと力と確信を与えて下さって下さいました。そして今の私たちの時代にも同じように聖霊は働きをしています。力のない弱き者たちに対して共にいて励まし支えて下さっています。

結び
今週も聖霊なる神についての理解を深め聖霊の力を頂きながら前に向かってまいりましょう。