旧約聖書に於ける聖霊②

2022年12月20日

2020年3月15日
参照聖句:ハガイ2:4~5
説教題:旧約聖書に於ける聖霊の働き② 

おはようございます。本題に入る前に先週3月11日は東日本大震災から9年が立ちましたのでそのことを少し話します。今回の震災被害はあまりにも大きく改めて今も大震災が人々の心に大きな悲しみとなっている事を覚えました。私達はあの日の事を忘れてはなりません。そして出来うる限り何らかの関わりを持って行ければ幸いです。私の知っているほとんどの団体は活動を辞めてしまいました。記憶が薄れ忘れてしまう事が一番怖いですね。私達が忘れてならない事は他にもあります。例えば第二次世界大戦で日本が加害者で近隣諸国の方々を殺して、侵略した事、また同時に日本人も昭和20年8月6日広島原爆、8月9日長崎原爆を受けた事。昭和20年8月15日終戦記念日、また終戦の日には伊勢崎と熊谷に大空襲があり沢山の家が焼かれなくなった人が大勢いました。規模は小さいですが本庄にも空襲がありました。私たちはそのような事を忘れず、平和に生きる事や隣人愛に生きる事を心して歩んでいければと願っています。

さて、今日は聖霊について7回目の学びになります。今迄聖霊は人格を持つ神である事3回、そして聖霊は父なる神と子なる神イエス・キリストと全く同格な神であるという視点で2回、そして前回は旧約聖書に於ける聖霊の働きを創世記から詩篇を通して考えました。今日は旧約聖書から続けて聖霊の働きを考えてみましょう。これで合計7回になります。よろしいですか。2ポイント。

①ハガイ書2:4~6
ここには指導者や国の全ての民を励ます聖霊の事が書かれています。
その前にハガイ書について考えましょう。読まれた方はいますか?旧約の小預言書と呼ばれるところはあまり読まない聖書個所かもしれません。
頭を切り替えてアブラハムから行きましょう。イスラエル人はアブラハムの信仰故に神に選ばれた民族です。そしてイサク、ヤコブを経てダビデ、ソロモン時代の半ばまでは栄えていましたが、それ以降、王を初め人々は神への信仰を捨て、偶像礼拝に走り神のみこころから遠く離れた生活になり、ついに国はバビロン帝国に奪われてしまいました。民は殺され、そして多くの人がバビロンで捕虜となって連れていかれました。実にこの期間が70年続きます。

70年が過ぎるとバビロン帝国もついに衰えメド・ペルシャに征服されます。ペルシャの王はバビロンと違って宗教的に寛容な政策を打ち出して、イスラエルの人々もエルサレムに帰る事が出来る様になりました。最初にその数約5万人が戻ってきたのです。これが紀元前538年の事でした。

これが預言者ハガイの生きた時代で調度この頃です(1:1)帰国を許された人たちが第一にしたいことは何でしょうか?彼らは偶像礼拝を悔い改めて、真の神を礼拝する神殿を作ることだったのです。帰国後彼らは神殿作りに励んだ結果土台は完成しましたが、その上物がなかなかできません。そしてついに工事が16年間中断してしまいます。理由は地域に住む人たちの妨害、嫌がらせや反対運動です。また彼ら自身の無気力が原因でした。神殿の土台は出来たが上物が出来ずそのままです。調度この時、主が預言者ハガイを通して語られます。1:2~4(説明する)またここの時代背景はエズラ記に書かれていますので関心のある方は後で読んでみて下さい。

この時、指導者(ユダの総督ゼルバベル、ダビデ王の子孫です。大祭司ヨシュア)全ての国民が意気消沈している時でしたが、主は励ましの言葉をかけられるのです。主は彼らの弱さを見て責めるのではなく、強くあれ、さあ仕事に取り掛かれ、私が共にいるという励ましの言葉を下さるのです。すごいですね。
5:モーセの時代にエジプトから脱出して荒野での生活中ずっと主が共にいて下さり励ましてくださったように、今も私の霊(聖霊)はあなた方と共にとどまり働いているから恐れるなと励ましているのです。モーセの時代からハガイの時代までは約千年有りますがその期間もずっと聖霊は働いているから恐れるなという励ましのメッセージです。彼らは聖霊の励ましを受けてついに帰国22年後に自分達の心のよりどころ、生活の原点、人生の原点である神殿を完成させるのです。

②ゼカリヤ4:6
ゼカリヤもハガイと同じ時代、即ち捕囚後にエルサレムに戻ってきた時代に生きたということです。そして神殿再建に情熱をもって取り組んだ預言者です。それ故時代背景の説明は省きます。ゼカリヤも同じような励ましを神から受けています。直接的には神殿再建に取り組む指導者ゼルバベルに対する励ましの言葉です。権力や能力に寄らず、私の霊によって、即ち聖霊によって取り組みなさいと言うメッセージです。この聖書箇所は有名な言葉ですね。何かをするときに、まず私達は頭に思い描くのはこの世の有力な指導的な力をどうしから引っ張り込めるかとか、自分の頑張りでどこまでうまくやっていこうとかあれこれ考えます。しかし信仰者が、まず、第一にすべきことは神の霊、聖霊の力を信じて一歩踏み出しなさいということです。そうすれば聖霊はこの世の権力や能力を飲み込んでご自身の主の業を進めて下さるということです。

適用
①使命を全うするには聖霊の力が不可欠です。
私たちは欠けだらけ、失敗だらけのキリスト信仰者ですがこのような者にも聖霊は共にいて、ハガイの時代と同じように励まし導いてくださいます。是非主の聖霊に励まされ自分に与えられた使命を全うさせていただきましょう。
②権力や能力によらず
私達が主の御心に沿う事をする時にも、外側と内側からの妨害や攻撃、あるいは足を引っ張られる時があります。また私たち自身の無気力が原因で前に進まない事が多くあります。そのような時に、如何すれば良いか?まず聖霊の導きを求めて、主のみこころを確信し、聖霊の力と励ましにより前に向かって進んでいく。そうすれば聖霊はこの世の権力や能力をも飲み込んでご自身のみこころを成してくださる。これが私たちの確信するところです。この二点は私たちに必要とされることです。

結び
以上旧約聖書の中から聖霊の働きを見ていきました。これを見て思うことは、聖霊は旧約聖書の時代に在っても当然ですが、人々に働いて導き、励ましてくださっているのです。勿論今の時代も同じ聖霊が共にいて下さいます。しかも私たちの内に住んで下さっているのです。この聖霊にますます信頼して力や知恵を貰って今週も主と共に歩んでまいりましょう。以上で旧約聖書に於ける聖霊の働き2を終わります。来週はイエスの時代に於ける聖霊の働きです。是非ご期待ください。