旧約聖書に於ける聖霊 

2022年12月20日

2020年3月8日
参照聖句:創世記41:38
説教題:旧約聖書に於ける聖霊 

おはようございます。今日は聖霊について6回目の学びになります。今迄5回は聖霊の人格と聖霊は父なる神と子なる神イエス・キリストと同格な神であることを学びました。
今日からしばらくの間、旧約聖書に於ける聖霊の働き、イエス時代の聖霊の働き、そしてペンテコステ以降の今の時代を含めて聖霊の働きを学びます。因みに聖霊なる神はお一人ですが世界中どこにでもおられるお方です。これを遍在する神と言いますので覚えておいてください。

さて旧約聖書には神の霊という言葉で聖霊が良く出てきます。どのような御業をしてくださるのかこれから学びます。今日の聖書個所からは5箇所になります。最初に登場する箇所はどこでしょうか。そうです。
①創世記1:2
1節で神は素晴らしい天と地を創られましたが、2節になるといきなり、茫漠としています。何故か?1節と2節の間で神に対して天使の反乱があり悪魔、悪霊の働きによって混とんとしてしまったという解釈があります。私もその立場です。
ところで茫漠という言葉は日本人でも全く使わない言葉です。「ねえねえ、最近の世界情勢は茫漠しているよね」という会話は聞いた事ありますか?ないでしょう。茫漠とは混とん、カオスという意味があります。
しかし、早速創世記1章2節に出てきました。それは聖霊なる神の霊は、親鳥が卵を温める様に水の面を覆い回復の働きのわざをしていたのです。今日は週報に記載されている箇所を引用しながら旧約聖書に於ける聖霊の働きを見て行ければと思います。

②創世記41:38 
兄弟たちから憎まれてエジプトに売られたヨセフの話(今からざっくり3800年ぐらい前)
この聖書箇所はヨセフがエジプトのファラオの前に立って夢の解き明かしをする有名な場面です。彼の人生の大転換期です。ここから見ていきましょう。
今、ヨセフは濡れ衣の罪を着せられて牢獄の中にいます。ところが彼には神の霊即ち聖霊が共にいたので特別の能力がありました。それは夢を解き明かす能力です。以前もそうでした。この時はファラオが夢を見て不安を感じていた時にヨセフが紹介され王のみた夢を解き明かしました。彼が聖霊によって教えられた夢の解釈は7年の大豊作の後に7年の大飢饉が来る。だから今のうちに知恵に満ちた監督官を見つけて管理させなさいというものでした。
この時、ヨセフの実力を目の当たりに見た王は驚き、家臣たちにのべたのが38節の言葉です。ここに出てくる神の霊こそ聖霊の働きです。ヨセフに特別の能力を与えて夢の解き明かしを導いたのです。

③出エジプト31:2~3 35:31~34 モーセの時代、今から3500年前の話です。
ここはヨセフが総理大臣となった後、400年経った頃の話でイスラエル人はエジプトの奴隷となって苦しんでいました。神はモーセを指導者として立ててエジプトを脱出させ荒野の40年を過ごしている場面です。この時は荒野を旅する生活でしたので神殿の代わりに礼拝する場所として移動式天幕を作り神を礼拝します。誰が作ったか?ベツャルエル、オホリアブの2名が指名されます。知恵と英知と知識を持った人物。あらゆる務めに於いて神の霊に満たされた人。聖霊が共におり、非常に優れた能力が備わっていたのです。
ここでも聖霊が2人を導き特別の能力と力を備えて、神を礼拝する神の幕屋、移動式の礼拝所が作られるのです。このお蔭でイスラエル人は旅をしながら神の臨在を覚えて神と共に生きる事が出来たのです。

④民数記27:18 
モーセ率いるイスラエルの民がエジプト脱出して荒野で40年旅していた時代。彼に後継者ヌンの子ヨシュアが用意された場面です。主がモーセに言われた。あなたは神の霊が宿っている人。神、主はモーセの後継者として働いたヨシュアに神の霊、即ち聖霊が宿り彼に指導者としての能力を与えました。ヨシュアはモーセ亡き後、イスラエルの民が約束の地に入り、定住するまで抜群の能力を受けて指導者として活躍します。これはヨシュアが聖霊に満たされて生きた証になります。
そして有名なヨシュア記が聖霊に導かれて書きあげられていくのです。勿論モーセも聖霊に満たされ導かれて創世記から民数記迄の5つの書物を編纂していきます。今私達が読んでいるモーセの5書と呼ばれる旧約聖書です。ヨシュア記からは歴史書という区分になります。

⑤詩篇139:7~12 ダビデ王の時代なので今から3000年前
7:私は何処へ行けるでしょう。あなたの御霊から離れて、自分に命を与えた神、あなたの御霊 どこにでもおられる神、これを遍在の神と言います。御霊なる神はどこにでもおられる遍在する神なのです。
ここまでにしておきます。⑥ハガイ2:4~5 ⑦ゼカリヤ4:6は次回になります。

適用
聖霊は回復のわざを成し、ヨセフに夢を解き明かす特別の能力を与え、モーセを指導者として導き、天幕造りに二人の人物を備え、モーセの後継者としてヨシュアを立てて導きました。そして御霊はどこにでもおられる神です。こうして旧約時代に聖霊は働き、指導者を励まして共にいて下さったのです。
以上聖霊なる神は旧約聖書では神の霊とか、御霊と呼ばれていますが、天地創造の時からダビデ王の時代に至るまでそれぞれに相応しく働きをしています。しかも神を信じる者だけではなく、真の神を知らない人にも対しても現実的にわかるように導き、働きをしました。
ただ新約聖書時代と少し違うのは、御霊は全ての信仰者の内に内住はしていません。旧約聖書時代に御霊は信者と共に「あった」が信者の「内に」住んではいなかったのです。今の様に名移住してはいませんでした。ここが違うところです。

結び
今の時代は全てのイエスをメシヤと信じて救いを受けた者の内に御霊が住んで下さり離れませんのでご安心ください。そして私たちの内で御霊がのびのび、生き生きと働く時に、私たちも信仰の喜びと確信にあふれてキリストにある生涯を送ることが出来ます。
御霊が働かないと代わり映えのしない、ただ救いを受けただけで主イエスの素晴らしさが余り分からないキリスト者で人生を終わります。あなたはどちらを選び取りますか?