執事とは

2022年12月21日

2019年1月13日
参照聖句:Ⅰテモテ3:8~13・ピリピ1:1
説教題:執事とは 

今日は礼拝の後、責任役員の改選を決める予備選挙投票があります。まだ投票が済んでいない方は祈りつつ投票してください。そこで今日は改めて責任役員とは何なのかを共に考えてみたいと思います。
まず責任役員という言葉ですが、新約聖書のパウロが書いた手紙を読んでも責任役員という言葉は有りません。話は少し変わりますが、私達の国の在り方の根本的な基準、大元は日本国憲法です。皆さんご存知のように第二次世界大戦後の昭和22年5月3日に新しい憲法により日本の国作りが始まったわけです。今も5月3日は憲法記念日で国民の祝日でお休みになっています。

今日の話の関連で憲法の中身を調べてみると第3章、国民の権利及び義務の中で、第20条に①信教の自由は何人に対してもこれを保障する。いかなる宗教団体も国から特権を受け、又は政治上の権力を行使してはならない。とあります。

この憲法20条をもとに信教の自由を尊重することを目的として作られたのが宗教法人法です。
一定の条件をクリアすればキリスト教会も法人格を持てるようになります。
本庄キリスト教会も五十子に移ってから宗教法人格を持てるようになりました。宗教は人の心に働きかけ、信仰に関する事なので、土地や建物について固定資産税はかかりません。また法人なので相続もありません。教会の運営については教会総会が最高意思決定機関です。決して一部の人によって決められる訳ではありません。
但し実務的な運営は代表責任役員と責任役員が中心になります。ここでやっと責任役員と言う言葉が出てきましたが、これは宗教法人法で代表責任役員とか責任役員という言葉が使われているので私たちの教会でもそのまま使っているわけです。聖書では何と呼ばれているか?そうです。執事です。これは奉仕者、仕える人という意味です。代表責任役員は牧師のことで、責任役員は執事のことです。これは地位ではなく働きや役割、責任を示しています。

○ピリピ1:1を見て下さい。これはパウロがピリピの教会に送った手紙です。ここにキリスト教会の仕組みがよく書かれています。すべての聖徒たちがいるのが教会です。聖徒は、神によってこの世から分けられた者で、監督や執事を含めたすべてのクリスチャンによって構成されています。
次に監督は見守るものと言う意味なので、今でいう牧師と理解して大丈夫です。執事は仕えるものです。その牧師や執事も含めて、キリスト教会は構成されています。

週報を見て下さい。△と○があります。例えば△は会社組織の様になっています。ピラミット式で責任のある人が上にいて段々下の方に下りてきます。上に社長がいて、次に専務、常務、取締役、部長、課長、係長となります。キリスト教会もこのような組織かなと考えやすいのですが、ピラミット型ではないので注意してください。

次に○印を見て下さい。実はピリピ1:1が示している教会の組織は○印の方です。この○の中にはすべての兄弟姉妹達がいます。その中に監督、即ち牧師や執事がいます。これは地位ではなく、賜物による働きの違いからくるものです。これで人の優ぐれているか、劣っているかを決めるものではありません。執事に選ばれたから執事の仕事をしますというものではなく、それぞれの賜物にそって執事に選ばれようが選ばれまいが忠実に、自分の出来る事をさせていただくという姿勢が大前提になります。こうしてキリスト教会は健全に建て上げられていくのです。これが教会の組織であることを良く覚えて下さい。非常にシンプルですね。

○執事の資格 テモテ一3:8~13
初めに申し上げますが、牧師も含めて皆な工事中の人間ですから、欠点はあります。完璧な人は誰もいません。どうせ自分は執事に相応しくないというのではなく、信仰と人間性の資質を高めていく事が重要な事です。それを踏まえて執事の資格を見ると以下の様になります。

8:男性か女性に関係なく、第一は神の前にも、人の前にも誠実な人柄である。

9:キリスト信仰の本質をよく理解している人。例えば、聖書の神はどのような方か。イエス・キリストについての理解、聖霊について、そしてキリスト教会とは何かとか。牧師と執事の役割についてとか。恵みと信仰による救いと歩みについて等々。

10:審査方法の一つに兄弟姉妹が祈りつつ相応しい人に投票するというものがあります。この方法は民主的ですが人気投票になる可能性もあるのでその点は課題です。また信仰的かというよりもこの世の中の実力者が就任の可能性があります。

11:婦人執事の場合は、女性の特質を踏まえてパウロはきっちり書いています。威厳がありとは誠実である。喋らないと気が済まないのではなく、人の悪口や陰口を言わない。自分を制する事。直に感情爆発して人と争いをしない。節度を保っている人。誠実な人。

12:男性の場合だと結婚しているならば、一夫多妻ではなく、妻は一人という事。そして家庭を良くおさめている。
13:結論、執事として仕える人はキリスト・イエスにある大きな確信を得る事が出来るのです。
恵みが返ってくるのです。
○具体的な奉仕 使徒の働き6章1~7
キリスト教会の働きや実務全般に関する幅広い働き。時にはみことばを取り次ぐこともあります。
適用
自分に与えられている賜物、能力を生かそう
執事に選ばれる、選ばれないに関係なく、キリスト者は全員、神と人に誠実に仕えていく事が大切です。そのためにも、自分に与えられている賜物、能力を用いて証や奉仕をします。出来ない事は無理してしなさいとは誰も言いませんので負い目を感じる必要はありません。そして私達が愛してやまない本庄キリスト教会が更に成長できるように建て上げて行こうではありませんか。
結び
今見てお分かりの通り、執事として月1回の役員会議出席や礼拝時に司会をする事はほんの一部です。キリストにある誠実な生き方が最大のポイントです。神の前にも人の前にも誠実に生きる事が基本です。神に仕え、人に仕える。それが具体的な行動となって現れてきます。是非誰が執事に選ばれるかではなく、執事とはどのようなものなのかを理解することです。これを踏まえてそれぞれが一歩成長したキリスト者を目指してまいりましょう。