使徒信条⑨ 天に昇られたイエス 

2022年12月22日

2016年5月15日
参照聖句:使徒1:6~11
説教題:使徒信条⑨ 天に昇られたイエス 
 

今日は使徒信条の第9回目の学びになります。今回も内容を確認します。使徒信条は使徒たちが作ったものではありませんが、使徒たちが教えた事と内容が同じですので使徒信条と呼ばれています。そしてキリスト教会では昔から洗礼式の時に使徒信条を通して信仰内容を確認してから洗礼式が行われました。また異端の教えから守られるためにも使徒信条は大切に守られました。告白の中身は三位一体の神に対するもので、特にキリストについての告白が多くあります。この様にしてキリスト教会では長期に亘って告白し続けてきました。

前回はイエスが十字架の死の後、よみに下った事を学びました。このよみとは苦しみの場所でありますが地獄とは違います。イエスは、このよみに下り悪霊どもに対して勝利の宣言をしたのです。
続けてイエス様はどうなったのでしょうか。そうです。三日目に死者の中から甦られたのです。今日は続けて「天に昇られました」と言う箇所で①昇天の預言②昇天の成就③昇天の意味の3点です。

①昇天の預言 ヨハネ7:32~33
人がなくなった時に、昇天しましたと言ってこの漢字を使う人がいますがそれは間違いですね。人がこの地上の生涯を終えて主のもとに行く場合は、主のもとに召されるので天に召されると書きます。但しイエス様が復活された後は文字通り天に昇られたのでこの昇天の漢字を使います。

聖書を見ると祭司長、パリサイ人が役人を遣わしてイエスを捕えようとした時に話された言葉です。「しばらくの間、私はあなた方と一緒にいて、それから、私を遣わした方のもとに行きます」あなた方は私のいるところに来る事が出来ない。私を遣わした方のもとに行きますと言うのが、天の上ると言う預言です。このようにイエスがこの地上生涯を終えたら天にかえる事が預言されていました。

②昇天の成就 使徒1:6~11 
このみことばは、イエスが復活後に、栄光の体をもって40日間この地上で神の国の事を語り数多くの証拠をもってご自分が生きている事を使徒たちに示された後、天に上げられました。これはもちろん創造主なる神の力によります。雲に包まれてとは神の栄光の雲に包まれてという意味でありバタバタ羽をつけて上ったのではなく、神の力によって上ったのです。これが天に上りという事です。11節には天に昇られたイエスが、同じ有様でまたおいでになりますと預言されています。これから起こるキリストの再臨の事であります。使徒信条ではこの事実を告白しています。

③昇天の意味
ではキリストが天の上られたことは意味があり、私たちと何の関係があるのでしょうか。これは今も父なる神の右の座にあって様々な働きをされているのが天に昇られた後のキリストの姿です。
①キリストの地上生涯が終わった
人類の歴史の中に人として来られたキリストの地上生涯はこれで終わりました。以前の栄光の姿に戻られました。
②イエスは父なる神の右の座に座しておられる
ヘブル1:13 使徒2:31~33 
ペテロの告白。神の右に上げられた。右とは権威を表す言葉です。
③聖霊の時代が来た
ヨハネ14:16~18 聖霊はもう一人の助け主、真理の御霊と呼ばれている。イエスを救い主と信じる人のもとにイエス様が送られたお方が聖霊です。イエスを救い主と信じた人には全て聖霊様が助け主として住んで下さっています。これを聖霊によってバプテスマ(浸される、一体とされる)されると言います。特別な体験があろうとなかろうとイエスを救い主と信じた人にはすべて与えられます。
④キリストは教会のかしらとなられた。(見えない普遍的教会の事。ユニバーサルチャーチ)
Ⅰコリント12:13 目に見えない普遍的教会。一つ体となるように。そしてキリスト信者は古い生活から離れて新しい命の中に生きる様になります。ローマ6:4~5。本当の信者は古い罪の生活から離れて生きる、新しい命に生きる様になります。あなたはどうですか。もし神の前に罪を犯し続ける事が楽しいと思う人がいたならばあなたは救われていないと思います。
またキリストは教会のかしらとして、一人一人の信者に御霊の賜物を与えて活躍するように導かれています。あなたはどのような御霊の賜物を受けているのか、よく確認して生かされましょう。
⑤大祭司となってとりなしておられる
祭司とは神と人との間に立ってとりなすのがお仕事である。
私たちの弱さをよくご存じであるイエス様が、大祭司の役割を担っていて下さる。私たちが気付いていない必要の為にも父なる神にとりなしてくださっている。ヘブル7:24~28
⑥私たちの住まいを用意してくださっている
ヨハネ14:1~3 
十字架に掛けられる前にイエスは言われました。父の家には住まいが沢山あります。私はあなた方の為に場所を備えに行くのです。場所を備えたらまた来てあなた方を迎えます。用意が出来て戻ってくるのがキリストの再臨です。特にこれを携挙と言います。キリストが戻ってきて信者を携え挙げるのです。これは次回少し詳しく話します。

結び
キリストは昇天により地上生涯は完成し、キリストが送られた聖霊によって、信者は新しくされ、また神の右に座しておられる大祭司なるキリストのとりなしによって私たちはとりなされ、祈られているのです。このように大きな恵みの中にあるのがキリストの昇天によってなされたのです。今週もこの恵みを覚えて歩んでまいりましょう。