喜びの知らせを告げよ

2022年12月23日

2022年12月18日
参照聖句:ルカ2:1~20 
説教題:喜びの知らせを告げよ 

 
おはようございます。2022年12月アドベント第4週の礼拝をささげる恵みにあずかり感謝します。またネット配信をご覧のあなたもおはようございます。お元気でしたか?あなたと共に礼拝をささげる恵みにあずかり感謝します。

さて今日は皆様とともにイエス誕生の箇所を交読いたしましたが、宣教個所も同じ聖書箇所からになります。ここは毎年クリスマスのたびに語られる有名な箇所です。1節~7節が、イエス誕生の場面。8節~20節迄が羊飼いたちに誕生が知らされた場面です。

この福音書は医者であるルカという人物がテオフィロというローマ政府の高官にイエスの生涯を詳しく書き送った個人的な書物です。いつ頃書かれたか断定できませんが紀元60年代前半のようです。ルカはイエスの生涯を綿密に調べ上げ、正確に年代順に書いていますので、他の福音書と読み比べる時に前後関係が参考になるので助かります。又ルカは医者として使徒パウロと世界伝旅行を共にしたことでも有名で、使徒の働きの著者でもあります。

1:イエスはいつ生まれたか?時代背景として「そのころ」とは?ローマ皇帝アウグスト(アウグストは称号で本名オクタビアヌス)の時代。今から2千年以上前。当時ローマ帝国が地中海沿岸を含む広い地域を支配し平和な時代が続きました。これをパックス・ロマーナ(ローマによる平和)と言います。それが「そのころ」です。この力による平和が以後200年続きました。

2:そのころはシリヤ総督キリニウスがユダヤを治めていた時代です。こうしてルカはイエスがいつ誕生したかを正確に記録しています。何があったか?最初の住民登録が実施された。
これにより正しい人口を調査して税金を徴収のためと思われます。

3:ユダヤの人々も先祖の町に行く必要があり登録の為に人の大移動がありました。ヨセフの場合、北部のナザレから南のベツレヘムまで100キロ以上の距離をロバで移動したとしても数日かかります。大変厳しい旅をしたのです。

4:丁度そのころ、イエスが誕生します。ダビデ王の子孫ヨセフもガリラヤのナザレからダビデの出身地ベツレヘムへ向かいます。5:身重のマリヤも一緒ですからゆっくりとした旅であったでしょう。「いいなずけ」の妻、婚約状態なのでいいなずけという言葉が使われていますが法律的には妻の立場です。但し周りの誤解から守られる為に一緒に住んでいませんでした。

6:ところがベツレヘムにいる間にマリヤは月が満ちて 7:男子の初子を出産した。出産場所は、飼い葉桶に寝かせたとあるので家畜小屋です。ここは通常人間が生まれる場所ではありません。
※これは何を意味しているか?メシヤでありながら人が生まれない家畜小屋で生まれたとは、人々から阻害され、最も貧しく生まれたと言う事です。逆に神の立場から見ると世界のつくり主でありながら最もへりくだって生まれたのです。これが人を罪から救う為の神の計画でした。
この事実は人々から救い主と呼ばれ、力によって平和を作り上げた皇帝アウグストと十字架の死と復活によって真の平和を作ったイエスとの違いです。メシヤの本当の姿は栄光に満ちたものですが地上においてはすべての人に救いの道を開くため、低く謙遜になり生まれたお方です。
8節~20節が羊飼いたちに知らされたメシヤ誕生の記録。
・羊飼いとは
8:ダビデの家系は代々羊飼いであり立派な職業でした。先祖のアブラハム。イサク、ヤコブ、そしてイスラエル12部族とも羊飼いでした。ところが時代が後になってくるとイエス誕生時には羊飼いの社会的立場は低くなってしまいました。それは彼らが年中休みなく牧草地を求めて旅をし、土曜日の安息日を守ることが出来ない仕事だからです。彼らは大切な仕事の割には人々からさげすまれていたのです。住所不定という面もあったのかもしれません。そんなわけで当時は社会的に最も底辺に属する立場にあったと言ってもよいでしょう。

しかい、そんな彼らを神は見捨てませんでした。メシヤ誕生の知らせは第一に羊飼いに知らされたのです。それが8~10節の言葉です。大きな喜びを告げ知らせる。これは福音です。
11節~12節、今日ダビデの町であなたがたの為に救い主がお生まれになりました。この方こそ主キリストです。そして天使による賛美の大合唱と続きます。

15節~16節。彼らはイエスが生まれたベツレヘムへ駆けつけマリヤとヨセフ、嬰児を探し当てたのです。20節、彼らは神をあがめて賛美しながら帰っていきました。

※この一連の記述を見ると、第一に羊飼い達こそ神に選ばれた者(今日ダビデの町であなたがたの為に救い主がお生まれになりました)主は人の心を良く見ておられることがわかります。彼らはメシヤ誕生を知らされたらすぐに行動しています。そして救い主を見て喜び主をたたえています。一方、マタイの福音書2章4節以降にはイエス誕生数年後にヘロデ大王からメシヤ誕生のことを問われた祭司長や律法学者たちは「ユダヤのベツレヘムで生まれる」という返事をしていますが無反応です。羊飼いと全く違った無関心、冷たさが見える感じです。ここまでです。
適用
・皆さんの中で自分には居場所がない方がいますか?大丈夫です。イエス様こそ、すべての人の中でこれほど自分の居場所がないような家畜小屋で生まれました。ベッドは家畜の飼い葉桶。ご自身が最も居場所がないことを経験したので、どんなに居場所がない人をも理解し救うことが出来るのです。
・主は決してあなたを見捨てない。あの羊飼いたちは自分の仕事に誇りをもって誠実に生きた人たちだと思うのです。故に神は最初にメシヤ誕生を知らせました。私達もたとえ人から見捨てられても、主が彼らの信仰に答えたように、あなたのすべてをご存じで、尚、共にいてくださるお方で有りますから主を見上げていこう。主はあなたを決して見捨てません。(主イエスは特に弱い立場の人を大切にされるお方です)

・あなたはメシヤ誕生の知らせを聞いてどんな態度で受け止めますか? 
知識があっても何もしない律法学者のように冷たく無関心か、それともみ使いの知らせを聞いて、すぐ反応して行動し、神をたたえた羊飼いのような態度をとるかどちらでしょうか。

結び
あなたに居場所がなくても大丈夫、見捨てられても大丈夫。主イエスがあなたと共にいてあなたを捨てません。是非私を罪から救う為、自ら貧しくなってこの地上に来られたメシヤを自分のこととして受け止め 喜び迎え、喜びを告げ知らせる人へと変えられてまいりましょう。