マタイの福音書(19)
2024年11月3日
聖書箇所:マタイの福音書1章6~16節
宣教題:イエスの系図から見る人間模様
おはようございます。11月最初の週を迎え、兄弟姉妹と共に主に礼拝をお捧げして一週間過ごせることを感謝します。またライブ配信で参加している全国の兄弟姉妹の皆様、病気療養中のあなた、フィリピンから、ブラジルから参加しているあなたもおはようございます。あなたの参加をとても嬉しく思います。
また、能登半島地震から10ヶ月が経ちました。いまだ能登の皆さんは苦労しています。ぜひ続けて復旧・復興の為に祈り自分達に出来る支援をしてまいりましょう。私も来月2日から能登に行く予定です。良い働きが出来るようにお祈りください。
先週はライブ配信で声が全く出ないというトラブルがありましたが、浅香さんに調べてもらったところ、この集音マイクの破損していた事が判明しました。今日から集音マイクをここに置いてその都度移動できるようにしてもらいました。ライブ配信を利用している方にはご迷惑をおかけして申し訳ございませんでした。報告は以上です。それでは聖書から共に考えてまいります。
さて、今日は「イエスの系図から見る人間模様」という題で共に考えてみたいと思います。マタイはイエスの生涯を書くにあたり、ユダヤ人を対象にしたので彼らが良く理解できるような書き方に工夫しています。逆に日本人にはよくわかりません。そんな訳で日本人でもマタイが言いたいことは何かを考えながら読み進めてみたいと思います。今日の聖書箇所は、6節のダビデ王~16節迄のイエス誕生まで約千年に生きた人物の名前が出てきます。
初めに17節の言葉に注目しましょう。アブラハムからダビデ王から14代、ダビデからバビロン捕囚までが14代。ダビデからバビロン捕囚までが14代。14という数字は7(聖書では完全を意味する数字)の倍数なのでマタイはイエスの系図がより完全なのを示しているのです。
また系図には様々な人物の名前が出てきます。調べてみると、とんでもない悪人もいます。私達も先祖をさかのぼってみると時々、家の財産を使い果たす人もあります。実際その様な家も知っています。家のご主人が酒ばかり飲んで働かず、最後には田んぼや畑、全財産を売り飛ばして無一文になってしまった例もあります。
同じようにイエス様の系図は偉大な信仰の人アブラハムから始まり、ヨセフ迄メシヤ(救い主)の系図だから立派な人ばかりかなと思いますが、その逆でとんでもない悪人が時々登場してきます。でもイエスは聖霊によって母マリヤが身ごもり生まれたメシヤ(救い主)なので罪は犯されませんでした。全く罪のない方ですが、先祖をさかのぼっていくと罪にまみれた王様や様々な失敗をした王様が数多く登場します。
例えば、6:エッサイがダビデ王を生んだとあります。ここまではいいのですが、この次がポイントです。ダビデがウリヤの妻(バテシェバ)によってソロモンを生んだという言葉が出てきます。ちょっとおかしいとは思いませんか。実はこの話はⅡサムエル記11章~12章(旧約555頁)に出てきますが、ダビデがウリヤの妻バテシェバに一目ぼれして、彼女と関係を持ち妊娠させたのです。それが発覚すると忠実な部下の兵士ウリヤを激戦地の最前線にわざわざ送り、戦死させ、証拠隠滅してウリヤの妻バテシェバを自分の妻にしてしまったのです。驚きです。
これは神の前に大きな罪であり、預言者ナタンを通してその罪が指摘されます。やがて生まれた子供は7日目に死に、その後生まれたのがソロモンです。ダビデ王は徹底的に神の前に悔い改め、神に立ち返りました。詩篇には彼の歌が多く残っています。
ダビデの子ソロモンは平和の人で、ずば抜けて優れた知恵をもつ良い王として手腕を発揮し。国を広げて大いに栄えました。しかし多くの外国の女を妻に迎えたことが失敗です。彼には700人の王妃と300人の側室がいました(Ⅰ列王11:3、旧約616頁)。これが仇となり晩年には偽物の神々を信じ神への信仰を失っていきます。彼の犯した罪があまりにも大きいので、神からの刑罰として、ソロモンの子供の時代に国が分裂し民族が分かれることになります。悲劇ですね。ソロモンの書と言われる伝道者の書(旧約1138頁~)は、いかに真の神から離れた人の人生が空しいものであるかを書いています。ただ一方で、この書物を通してクリスチャンになる人も多いです。私もそのひとりです。
7:平和の王ソロモンの後継者レハブアムは苦労知らずの王で、悪い冷酷な人です。彼の時代に国は2つに大分裂して、北の10部族、南の2部族へと別れてしまいます。これが有名な北イスラエル王国と南ユダ王国になります。(Ⅰ列王記11章~・旧約616頁~)
10:ヒゼキヤ(良い王29年間在位)がマナセ(悪王)を生み、マナセは55年間王として国を治めたが、罪のない多くの人を殺した大悪人でした。マナセは主の前に悪を行い続けた為に彼の時代に王国の屋台骨が揺らいで破滅の方向に向かいます。(Ⅰ列王記21章、旧約692頁)
10:マナセの孫のヨシヤ王、この人物は逆にまれにみる立派な王でした。8歳で王となり31年間王であった。彼はダビデ王の道に歩み、右にも左にもそれず主に従い続け、堕落しきった南ユダ王国の中で宗教改革を断行しますが、時すでにおそし、彼が死んだ後のユダ王国は一気に滅亡に向かっていきます。ヨシヤ王はエジプトとの戦いの時に弓で射られて戦死します。(Ⅱ歴代34章~。旧約808頁から)
16:時代は一気に進み、マリヤの夫ヨセフの頃になるとダビデ王の直系といえども、すっかり落ちぶれ、田舎のガリラヤ、ナザレ村に住んでおり、彼は大工を生業として生活していました。王家としての栄光は過去の話であります。でも彼はメシヤであるイエスの義理の父親に相応しく、曲がったことが大嫌いの人でした。何故、義理の父親かというと母マリヤはイエスを聖霊の働きによって身ごもり産み育てたからです。イエスの本当の父は「父なる神」です。
以上一部をピックアップしましたが様々な人間模様をマタイは正直に書いています。いかがでしょうか。ダビデはまっすぐな信仰の人でしたが殺人の罪を犯し、ソロモンも知恵に富んだ人物でしたが、やがて真の神から離れ、国が2つに分裂する原因を作りました。マナセは悪い政治を続けた為にユダ王国がガタガタになってしまいました。孫のヨシヤは稀に見る優れた王で宗教改革を断行しましたが、時すでに遅く国は滅びの道に進んでしまいました。
結び
この様な系図の中から神のご計画の中であらゆる人の救い主イエスは誕生したのです。「人の子は失われた人を探して救う為に来たのです」ルカ19:10。皆さん今日の聖書箇所を通して何をどのように感じましたか。又週報の裏にあるように気づいたことを書き出してみましょう。