ダニエル書(20)

2023年6月4日
聖書箇所:ダニエル書10章15節~21節
説教題:特別に愛されている人よ 

おはようございます。2023年6月第1週目の主の日を迎えました。ネット配信をご覧のあなたもおはようございます。お元気でしたか?あなたが本庄キリスト教会の礼拝に参加してくださることをうれしく思います。それではご一緒にダニエル書10章15節から学んでまいりましょう。

今日の箇所は前回の続きでダニエルがペルシャのキュロス王時代に見た幻の箇所です。内容は「大きな戦の事」で、これから諸国で繰り広げられる戦争について、その中でエルサレムをめぐる戦いがあります。具体的には11章45節迄に詳しく書かれていますが今日はその前段階としてみ使いたちによって励ましを受けたダニエルから学んでいきたいと思います。

15:ダニエルを守るみ使いがこの後起こることを話すうちに彼はうつむいて黙ってしまいます。
苦痛によって力を失い(地にひれ伏し、口がきけなくなってしまった)90歳のダニエルこれからどうする。

16:丁度その時に別のみ使い(人のような姿をした方)このお方は多分この世界に人間として来られる前の栄光のイエス様であると思われます。彼がダニエルの唇に触れ励ましてくださった。ダニエルは答えます。(ここを読む)新共同訳も読む「主よ、この幻のゆえに苦しみが私を襲い、私は力を失いました」

17:ダニエルは幻故に相当力を失ってしまいます。「今や私に力はなく息も残っていません」精根尽き果てた状態のようです。私たちがここまでダメージを受ける経験はあまりないかもしれません。彼は年齢的に90歳近いのでこの霊的経験は大きな苦難があったことと思います。

18~19:人のように見える方が再びダニエルに触れて励ました。彼の言葉によりダニエルは大きな力を受けます。このダニエルに対する4つの呼び掛けが素晴らしいですね。
①特別に愛されている人よ
思い返せば彼の人生はつらく悲しいものでした。10代で祖国を失い、異国のバビロンに連れてこられ、名前も変えられ、人から嘲られ、妬まれて生きてきた。そして今気づいたら90歳近くになっていました。でもどんなにつらい中にあっても彼は特別に神に愛され、知恵と力を受けて生きた人生でした。友達に恵まれ、人からも、王からも信頼される人へと成長していったのです。国は失い祖国を追われましたが神と人から特別に愛され幸せな生涯を送った人物です。
②恐れるな
 ダニエルの心にあった恐れとは何か?考えられる事の一つは5万人の同胞がキュロス王の勅令によりエルサレムに喜んで戻りましたが、彼らの心のよりどころである神殿建設は3年経っても全く進まない。これからどうなるのか、また外国から侵略されるのではないか。そんな心配があったのかもしれません。恐れがあるのは当然です。でも恐れるなと励ましてくれたのです。裏付けは神が共にいて助けてくださるから。
③安心せよ
恐れがあると人の心を支配するのは何か?そうです。不安です。彼は老後の生活の不安というものはなかったと思います。そんなことより自分の周りの人、同胞(ユダヤ民族)の事が一番心配だったと思います。でもこれに対しても根拠に基づく「安心せよ」と、励まされました。11章に書かれていることは、これから400年近い後まで含めたイスラエルの歴史です。結論は多くの困難を乗り越えながら彼らは主の守りの中にあることです。特に反キリストの雛型であるシリヤの王アンテオコス・エピファネスは多くのユダヤ人を殺し迫害し暴れまくるけれども、ユダヤ人は勇敢に戦い、アンテオコス・エピファネスは誰からも助けられることなく終わりを迎えると預言されます。だから安心せよと励ます。そして実際の歴史はそうなるのです。
④強くあれ、強くあれ
最後の励ましは前の3つ(あなたは特別に愛されている。恐れる必要はない。安心せよ)だから強くあれ、強くあれと2回も励ましてくださるのです。私があなたを強くする。体力も気力も信仰も様々な面で守り支えるから強く生きよと励ましてくださる。
この言葉によりダニエルはどれほど大きな励ましを受けたことでしょうか。特にこの場面は人のような姿をした方(この世界に来られる前のイエス・キリストだと思われます)から直接励まされたのは大きなことです。こうしてダニエルは奮い立ち生きるのです。(力付けてくださいました。)これこそ私たちが信じる神の励ましなのです。

20:続けて人のような方が言います。何故私が来たか知っているか。私はペルシャの君(天使長)と闘うために帰っていく。ペルシャの君即ちペルシャの側に立つ天使、堕落した天使、悪霊ども長と霊的戦いをする為です。霊の戦いについては前回話した通りこれは常にあることですが、今度はギリシャの君(堕落した悪の天使長)との戦いがあると言っています。このような天の霊の戦いがあって、地上の見える戦いが繰り広げられることを知る必要はあります。現実の世界の歴史はペルシャ帝国はやがてギリシャに敗れてやがて世界はギリシャ帝国の時代に移っていきます。

21:真理の書は天において過去、現在、未来の事がすべて記録されている書物。それをダニエルに知らせよう。また堕落した天使たちと闘うのはミカエル。彼は神の陣営につく天使長です。

適用
①ダニエルへの励ましは全部私たちへの励ましでもある。だから主にあって自信をもって神に仕えていこう。①特別に愛されている人よ ②恐れるな③安心せよ④強くあれ、強くあれ 
引用:イザヤ41:10(旧約1233頁)恐れるな、私はあなたと共にいる

②地上の戦いの背景には天上における霊の戦いが元になっています。神の陣営につく天使たち(ミカエルやガブリエルたち)と堕落した天使たち(悪魔と多くの悪霊ども)私たちはこのような霊的戦いに過敏になる必要はありませんが、今も霊的戦いが繰り広げられていることを認識し、そのうえで地上の戦いがあることをもっと意識しよう。エペソ6:12(392頁)暗闇の世界に騙されるな。霊的戦いを意識せよ。

結び 
神に特別に愛されている私たちの聖書理解と生き方
ヤコブ4:6~7(462頁)神の前にへりくだり、神に従い悪魔に対抗する。
その為にもダニエルの生き方から学ぼう。お祈りしましょう。