ダニエル書(13)

2023年4月24日

2023年3月26日
聖書箇所:ダニエル書6章16節~28節
説教題:「穴から引き上げられたダニエル」

皆さまおはようございます。2023年3月第4週目主の日を迎えました。
ネット配信を通して共に礼拝しているあなたもおはようございます。お元気でしたか?ネット越しでは有りますがお会いできてうれしく思います。今日も聖書から共に考えることが出来まして感謝します。それではダニエル書6章16節~28節から学んでまいりましょう。
 
前回はダニエルが神の前にも人の前にも誠実に生きた姿から学びました。
あの強大なバビロン帝国があえなく滅び去り、メディヤとペルシャの連合国家時代に代わりました。ダニエルは捕虜となって既に65年が過ぎ80歳前後の高齢者になりました。でも彼はここから再び政治の表舞台に登場し活躍するのです。このようなダニエルの記録を読むと超高齢社会日本に生きる私達は大いに励ましを受けます。あなたは私も80歳になっても、もう一度活躍の場があるのだと言う事ですね。

さてダニエル80歳の時に何が起こったのか?振り返ってみましょう。彼はバビロン滅亡の直前に、神から書き送られた言葉を解き明かして後、王から認められ、高く引き上げられ、王に次ぐ大臣3人の一人に任命され、その能力は他の大臣よりも際立って優れ、良い仕事をしたのです。

その優れた能力の根拠は何か、彼のうちにすぐれた霊が宿り大きな力をもって彼を導いていたのです。知恵や知識、判断力、実行力があったのです。でもダニエルの活躍を快く思わない人がいました。これはいつの時代でも同じです。他の大臣たちには妬み心が出てきたのです。

彼らはダニエルを陥れ、失脚させるため、「これから30日間の間に王様以外の誰をも拝んではならない」という法律を作り、違反したら獅子の穴に投げ込まれるという内容です。ダレイオス王の時代はバビロン帝国と違い一旦決まった法律は王であっても変えることができません。他の大臣たちはそれを逆手にとってダニエルを訴えたのです。ダニエルを陥れる法律ですね。ダニエルはどんな法律が出来ても神礼拝を優先するだろうと考えていたからです。こうして大臣たちの陰謀によりダニエルは法律違反していると訴えられ逮捕されてしまいます。それが15節迄です。

16:ダニエルの行為は法律違反となり即日死刑執行されます。獅子の穴に投げ込まれたのです。王は大臣たちの罠にはまってしまったことに気づきますがもう手遅れです。たとえ王で有っても一度成立した法律を変えることが出来ない制度なので。
17:穴は石で封印され開けられないようにされ死刑が執行されます。
18:王は宮殿に帰っても一晩中断食して一睡もできませんでした。

19~24:さて翌日どうなったか。王は夜が明けてすぐに獅子の穴に向かいます。そして問いかけます。(20節読む)なんと高齢のダニエルは奇跡的に生きていました。神がみ使いを送り獅子の口をふさいでくれた。こうして彼が助かったことは神の前に潔白であることが証明され、王に対しても何も悪いことをしていないことが認められたのです。彼は穴から引き上げられ体に何の害も受けなかったのであります。何故彼は無傷で済んだのか?
23節。彼が神に信頼していたからです。ここが今日のポイントですね。いつでもどこにいても彼の人生は神に信頼していました。人の評価よりも神の前にどう生きるべきかを考えていたのです。この生き方こそ神の恵みと力を受ける事につながります。結果的に人からも信頼を得ることにつながります。
※但し、気を付けたいことは、神に信頼すれば神はすべてにおいてライオンの口をふさいで守ってくれるかというと、そうではありません。ローマ帝国時代、キリスト信仰に対する迫害が続いたときコロセウム(競技場)で大勢のキリスト者がライオンに襲われ殉教の死を遂げています。
また大勢の人が迫害され火あぶりの刑で死んでいったのです。これらの人たちも主に信頼して歩んだ立派なキリスト者で有ります。でも悲運の死を遂げました。

ダニエルのような事例は少ないのです。でも結果はどうであれ神への信頼が重要です。結果は主にゆだねて生きるのがキリスト信仰です。同じダニエル書の3章18節でバビロン帝国時代、ダニエルの三人の友達が偶像礼拝しないために捕らえられた時、彼らは王に対し堂々と、神は火の燃える炉から助けてくださる。しかし、たとえそうでなくても、王よ、ご承知ください。私達はあなたの神々に仕えず、あなたが建てた金の像を拝むこともしません。と宣言しています。結果的に彼らも助けられましたが、歴史の中では死んでいく人のほうが圧倒的に多いのです。たとえそうでなくても神への信頼は変わりませんという信仰が大切です。

24:さて話は戻りますが王をだまし、ダニエルを罠にはめた大臣たちは妻子共々獅子の穴に投げ込まれて即かみ砕かれ食べられてしまいました。
25:ダレイオス王はダニエルが信じていた神を認め、全土に布告しダニエルの神の前にふるえおののけと命じたのです。王様の創造主なる神理解はきちんとしています。
①この方こそ生ける神である。②永遠の存在③その主権はいつまでも続く。(ダニエル書のテーマ)④この方は人を救い、助け出し、しるしと奇跡をおこなう神(全能の神)
28:こうしてダニエルはダレイオス、キュロス王(前538年~)の時代まで栄えます。
ここまでがダニエルが生きた時代の歴史です。

●私達への適用 
①困難な人生にあるとき
ダニエルの生き方を見ると逆境の中にあっても道は開かれる。それ故、私たちもそれぞれの人生においてどんなことがあっても大丈夫です。神が共にいて道を開いてくださる。
②証の力となる
たとえ時が良くても、悪くても、神に信頼し、人に仕えていく時、大きな証の力になる。
また人を愛し仕えていくと、時々快く思わない人は出てくるが、神から乗り越える力を受けて前に進むことが出来る。その生き方が大いに神を証しすることになります。その結果あなたの周りの人が救いを受けるのです。

●結び
ここまでがダニエルが80歳前後までの歩みです。私も含めて高齢者の皆さん、あなたの人生はこれからです。そして若い皆さん、あなたの人生はもっとこれからです。たとえこの先どうなるかわからないような時代でもダニエルのように自信をもってどんなときにも神を信頼してまいりましょう。7章からは全く話が変わりダニエルに啓示された預言になります。