ダニエル書(10)

2023年4月24日

2023年2月19日
聖書箇所:ダニエル4:34~37
説教題:「回復したネブカデネツォアル王」  

おはようございます。2023年2月第3週の礼拝をささげる恵みにあずかり感謝します。
またネット配信を通して共に礼拝しているあなたもおはようございます。お元気でしたか?
お会いできてうれしく思っております。それではご一緒に聖書から学んでまいりましょう。
 
前回はネブカデネツォアル王がダニエルから夢の解き明かしを受け恐れを乗り越えましたが、
1年過ぎると前に受けた恵みをすっかり忘れ高慢になってしまったところから学びました。
彼は、屋上を散歩して国を見渡し、「この王国は私の威光を輝かすため、私が、私の権力によって作ったものではないか」と発言した時(4:30)たちどころに天から声があり「国はあなたから取り除かれた」そして「あなたは人間の中から追放され牛のように草を食べるようになる」という内容でした。この事は直ぐ成就して王は7つの時の間、精神的病のような感じになっていきます。この個所から高慢な心は神に打たれるので謙遜に生きるべきことを再度確認いたしました。

さて今日の聖書箇所はネブカデネツォアル王のその後どうなったか(34節~37節)。

34:その期間が終わった時(32節:7つの時)には、聖書の神だけが自分を助け導いてくださるお方であることを認め「目を上げ、天を見上げた」のです。彼は試練の期間を経験し心砕かれ天の神こそが本当の神であることを体験的に知ったことでしょう。では彼が目を見上げて天を見上げた時、どうなったか?
「すると私に理性が戻ってきた」と告白しています。7つの時が過ぎて王は以前の傲慢で怒りっぽく、すぐに人を殺すような人物ではなくなった感じです。物事を悟り正しく判断する能力が回復したのです。この時の王は神が最も嫌う傲慢な態度が少なくなった様であります。

直ちに変化がありました。今まで自分の力をほめたたえていたのが、今度はいと高き方をほめたたえるように変わって行きます。以前は私が、私が、と言って自分を誇っていたのが、今は創造主なる神を賛美してほめたたえる人に変わっていたのです。ここは最も大切なところですね。私達も自分の弱さを認め神に信頼して生きる時、安定した人生への一歩を踏み出せるのです。

※考え方が変わる、主な要因は神の主権を認めることです。神が永遠の主権を持っておられる事、そして、その国は代々続くのを認めることです。神の主権を認め、それに従うと人は祝福されます。神の主権を認めるとは、神の言葉である聖書をできうる限り正しく理解することから始まります。そして神の言葉に従う事です。これは私たちの一生のテーマですね。その為、文脈を良く読み取り、当時の時代背景や文化、習慣、人々の考え方を理解する必要があります。そこから聖書に示された神のみ心を少しずつ学んでいくのです。

35:その主権は天の軍勢にも地に住むものにも御心のままに報います。それ故、誰も神の主権に逆らうことはできません。ダニエルが生きた時代もそうでした。やがて世界の支配者はペルシャ帝国に代わり、バビロンとは逆に寛容な政策をとるようになります。なんとエレミヤが預言したように人々はエルサレムに帰って国を再建するようになるのです。※神が主権を持っていることは今の時代も同じです。この時代において人間は神の御心に関係なく、好き勝手をやって動いていますが、実は神がご自身の主権をもって動かしています。それ故、終末時代において世界は、聖書預言の通りにイスラエルに向かいつつ動いています。やがて反キリストが軍隊を引き連れてハルマゲドンに集結します。今こそ私たちは神が主権を持っていることを認めるのが真に賢く生きる秘訣です。

36:創造主なる神をたたえ、神が主権をもって人の世界を治めているのを認めたその時、ネブカデネツォアル王の理性が戻り、彼は物事を正しく判断できるように変えられていったのです。
不思議なことに王の威光と輝きが戻り、神は周りの指導者たちの心も変えてくださり、彼は再び王として政治をするようになったのです。絶大な権威が与えられ、バビロン帝国はこの後、大いに繁栄します。このようにリーダーが謙虚にされ理性的になってくると国民は安定して栄えてくるようになります。

※この原則は会社も団体も同じですね。また教会もそうです。牧師・役員が謙遜にされ、主を見上げて主の主権を認めて歩むなら教会は神の祝福を受けます。神の主権に従うとは先ほども申し上げましたが、できうる限り聖書のみことばの意味を理解しその言葉に従う事です。
但し、人は完全ではありませんので時には失敗し、時には罪を犯す存在です。でもその都度、罪を悔い改めつつ神に赦され従い続けることを神は求めているのです。

37:ここで王は今までの出来事をまとめています。天の神である王を賛美し、あがめ、ほめたたえています。賛美し、あがめ、ほめたたえるとは同じような意味です。神に対してささげられるものです。牧師に対してささげるものではありません。王がこれほどまでに創造主なる神をたたえていることは神との出会いが人生を変える大きな出来事だったと思います。断定はできませんが救いを受けたのかもしれません。
そして王の最後の言葉。天の王であるお方は真実、正義であるという確信、高ぶって歩むものをへりくだらせることのできる方であるという告白。ネブカデネツォアル王は神の取り扱いをこのように確信しています。
この後、バビロン帝国の繁栄はしばらく続きます。以上ネブカデネツォアル王を通して傲慢な人間が低くされ、回復する過程を見てまいりました。
●私達への適用
神は高ぶるものを退け、へりくだるものに恵みを与える。今の時代もそのまま適用できます。
個人も、家庭も、地域も、会社も、教会も。もう一度王の生き方を通して神の主権を認めてへりくだる人生を選び取りましょう。その為にも聖書全体から神の主権(みこころ)を認めてまいりましょう。その為にも聖書を正しく読み取り聖書の言わんとする事をとらえてまいりましょう。

結び Ⅰペテロ5:5~6 471頁
5:ここは教会内でのペテロの勧めです。若い人は長老に従いなさい。みな互いに謙遜を身に着けよ、神は高ぶるものには敵対し、へりくだるものには恵みを与える。箴言3:34引用
6:神の力強い御手の下にへりくだりなさい。神は丁度良いときにあなたがたを高く上げてくださいます。これが聖書が示す私たちの生き方の原則です。
自分の弱さを認めてもう一度、心新たにされ主の主権に服従し、全面的に主を信頼して一歩前に進んでいこう。