ダニエル書(9)

2023年4月24日

2023年2月12日
聖書箇所:ダニエル4:19~33 
説教題:「夢の解き明かしと成就」   

おはようございます。2023年2月第2週の礼拝をささげる恵みにあずかり感謝します。
またネット配信を通して共に礼拝しているあなたもおはようございます。お元気でしたか?お会いできてうれしく思っております。それではご一緒に聖書から学んでまいりましょう。
 
前回はダニエルの友達3人の生き方から学びました。彼らには常に神が共にいて助けてくださるという信仰がありました。また、彼らはたとえ神が助けてくれなかったとしても(たとえそうでなくても)当時の絶対権力者ネブカデネツォアル王の前で堂々と信仰告白をしたのです。
適用として信仰の本質部分は曲げない、譲らないことを教えられました。又キリストの証は、普段の生き方が大切であると教えられました。ぜひ私達も聖書信仰の本質は譲らない。しかし本質以外の事は柔軟に対応しキリスト者として証するものでありたいと思います。

 さて今日は4章です。どんなことが起こったかざっと見ていきましょう。ユダ王国で成長したダニエルは少年時代に国が侵略されエルサレムから遠いバビロンへ連れていかれましたが、この時には既に長い年月が経ち、経験を積み王から絶大な信頼を得て政治家として活躍していました。
4章はネブカデネツォアル王が簡潔な言葉で民に書き送った信仰告白文で有ります。この時代になると王はユダヤやその他の国々を完全制服し、帝国が最も繁栄していました(4節)。でもこのようなときが危ないのです。これから徐々に下り坂となり、ある時一気に滅亡していきます。5章ではそのような展開になっていきます。

ここで王は再び夢を見ておびえます。どんな夢か?10節~天に達するような大きな木があり、その木には豊かな食べ物があり、野の獣や鳥たちも憩い住んでいた。すると、聖なるものが(多分み使い)天から降りてきて叫びます。木を切り倒し、枝を払え、獣や鳥を追い出せ。但し根株は鉄と青銅の鎖をかけて残しておけ。天の露に濡れさせ地の青草と獣を分け合うようにせよ。その心を人間の心から変えて獣の心にそれを与え、七つの時をその上に過ぎゆかせよ。奇妙な夢でした。

17節、以上の宣言は見張りの者たちによる決定。後半、これはいと高き方(神)が、人間の国を支配し、御心にかなうものに与え、また人間の中の最も低いものをその上にたてる宣言でした。2節と17節にもいと高き方という言葉が出てきますが、これは聖書の神のことです。この告白から王は唯一神への信仰があったと思われます。その上で王はダニエルに夢の意味を私に告げよと問いかけるのです。ではどのようにダニエルは夢を解き明かしたのでしょうか。

●ダニエル夢の意味を解き明かす 19~27
19:ダニエルはしばらくの間驚きすくみ、いろいろと思いめぐらし動揺します。彼は良い夢でないことをすぐに理解しました。そして夢の意味を解き明かします。
20~22:中央の大きく高い木はあなた(バビロンの王ネブカデネツォアル)です。あなたは大
きくなって強くなり、その偉大さは増し加わり、天に達し、あなたの偉大さは地の果てに及びます。ネブカデネツォアル王が治めるバビロン帝国が栄えていく事が示されている。
23~24:聖なるものが天から降りてきて叫んだこと「木を切り倒して滅ぼせ、但し、その根株は鉄と青銅の鎖をかけ地に、野の若草の中に残せ。彼(ネブカデネツォアル王)を天の露に濡れさせて、7つの時がその上を過行く迄野の獣と青草を分かち合うようにせよ」これはわが主、王に届いた、いと高き方の決定です(神が主権をもって決めたこと)

25~:王が人間の中から追い出され、野の獣の共に住み、牛のように草を食べ、天の露に濡れる。王は一時期精神的な病になる。七つの時が過ぎとありますので、ある一定期間このような事が起こると言う事です。こうしてあなたはいと高き方(神が)人間の国を支配し、御心にかなうものに与えることを知るようになる。木の根株は残せとありますのでまだあなたの国は固く立つでしょう。 「それゆえ、王よ、私の勧告を快く受け入れ、あなたの罪を除き、貧しいものを憐れんであなたの咎を除きなさい。そうすれば(条件付き)あなたの繁栄は長く続くでしょう」

●夢の成就 28節~33節 
12か月後、彼のうちに起こったことが以下に述べられています。神は1年間忍耐しておられました。しかし王が罪を悔い改めませんでした。むしろ高慢になったのです。それが29節と30節の言葉です。宮殿の屋上を歩き、国の様子を見て自分を誇り始めました。

この大バビロンは、王の家とするために(私のものとする)又、私の威光を輝かすために、私が、私の権力によって建てたものではないか。この私が、私がという言葉を神は最も嫌います。王はただ単に神の器にすぎないにもかかわらず、己の力を誇り自分が神の立場に立っています。
夢の成就
31:ついに神の時が来て彼は王の立場をはく奪されます。国はあなたから取り去られた。
32~33:あなたは人間の中から追い出され、野の獣とともに住み、牛のように草を食べるようになる。いと高き方(神)が人間の国を支配し、これを御心にかなうものに与える(夢の成就)
33:たちどころにこの言葉が成就した。王は人の中から追い出され、牛のように草を食べた。
適用
●人の歴史は神の主権によって支配されている。
神は主権をもって不思議なことをなさいます。傲慢なバビロン帝国を用いて、傲慢で堕落したなユダ王国を攻め滅ぼしました。そして神は再び傲慢なバビロン帝国を別の国を使って滅ぼしたのです。神はご自身の御心のままにその時々に応じて国や王を立て、又廃するお方です。

この様に最強国家とは言え神の前には一つの器にすぎません。傲慢ならやがて砕かれるのです。
日本もそうでした。戦前は軍隊が強すぎて、いと高き方の(神の御心)に反した歩みをしたため戦争に敗れすべてを失いゼロからスタートしたのが78年前です。神は日本人の傲慢を砕いたのです。私たちも歴史のうちに働く神の主権を認めて謙虚に歩むことが求められています。
●謙遜な人生
バビロンの王は、自分の力を過信していました。その言葉が30節の私が、私が、私がという言葉です。この時以降徐々に国は衰退していきます。そしてついに強大な国は取り除かれるのです。私たちの歩みも同じです。いつも主に信頼し、主の恵みに生かされていこう。神の前にも人の前にも謙遜に生きる事が祝福される人生のカギになります。
●結び
ネブカデネツォアル王とダニエルの生き方は真逆です。ダニエルのように誇り高ぶることなくいつでもどこでも主の言葉に聞き従う生き方をもう一度確認して一歩前進させていただこう。