すべて評判の良いことに生きよう①

2023年1月1日
参照聖句:ピリピ4:8~9
説教題:すべて評判の良いことに生きよう①(信仰生活50年を振り返って思う事)  

 あけましておめでとうございます。混迷の2022年はあっという間に過ぎました。2023年も混迷の度合いが増していく感じです。私たちはそれぞれがこの時代に生まれ、生かされていますが、この今の時代を生きるキリスト者としてどう生きたらよいかを考えてみたいと思います。

私は50年前18の時に初めて聖書を読みイエス様を救い主と信じて救いを受けました。茨城県の下館キリスト集会に所属し、日本橋キリスト集会を経て故郷の茨城に戻って5年後に30歳の時に栃木県益子町で教会を設立し、ずっと開拓伝道を22年でした。又神学校は働きながらJTJ宣教神学校で学び、友愛グループで按手礼を受け、その後に福音伝道教団に加わり足利キリスト教会を経て本庄キリスト教会から招聘を受け10年目になります。

そこで、信仰生活を振り返ってまず初めに思う不思議な事は、どうして日本の教会は、まじめに伝道に取り組んでいるのにクリスチャン人口が増えないのか?と言う疑問です。日本のクリスチャン人口は何万人か?2020年文化庁発行の宗教年鑑によると、概算ですが、カトリック44万人、聖公会を含めたプロテスタント(大きい教団)合計32万人、合計76万人、それ以外の教派を5万人。大雑把に見て合計81万人。礼拝出席者はその半分で40万人というところでしょうか。

勿論多少の誤差はありますが80万人前後だと思います。どう見ても100万人迄はいかないと思います。総務省統計局の2021年10月現在の調査で日本の人口が1億2550万人なので0.6パーセントです。これが実際の数字に近いと思います。さらに高齢化と共に亡くなる方が多いので、キリスト者人口も減る傾向にあります。良い悪いに関係なく現実を知ることが重要です。

思えば日本の宣教が始まって150年以上経過し、多くの宣教師が来日し、教会形成、伝道に励みました。様々な工夫をしながら熱心に取り組んできました。今、特に音楽伝道が盛んです。
最近は落語伝道というのもあります。また当初から宣教師たちがミッションスクールを設立して学校教育伝道が進められ素晴らしい働きでした。こうして日本の教会は150年間伝道に取り組んできましたが。現実は伸び悩んでいるのが現状です。 

※では私たち(日本の教会)で何が足りなかったかを振り返ると私は2つ原因があると考えています。一つは聖書に示されている「良い業に励む事の理解が乏しい事」個人も教会もですね。もう一つは「信仰を次世代へつなげることの不足」の2つだと思います。今日は良い業についてだけポイントを絞って話をします。

日本のキリスト教会、特に私たち福音派の教会は聖書信仰という素晴らしい面がある反面、様々な良い業を通して世の中と積極的にかかわっていく事が不足しています。結論の出ない会議ばかりしている。人のやっていることを批判ばかりする。結局何も変わらないで50年が過ぎた。ここが私たちの弱さだと私は思っています。様々な方法で伝道が盛んにおこなわれ、学びのセミナーも多くありますが根本的にキリスト者の生き方が変わらないので何も変わりません。
※また日本では今、亡くなるなる方が、生まれる子供を上回っているのでここ15年前から人口減少が続いています。最近では前年比人口約64万人減。これはそのまま日本のキリスト教会に適用できますので、現状のままだとキリスト教会の信者が増えていくのは困難です。
※例えば本庄教会を例にとると教会関係者は約60人ですが礼拝出席者は半分ぐらいです。私が赴任して10年で15人くらい洗礼を授けましたが、それ以上に亡くなった方や施設で生活している方が10名以上、コロナ等で教会に来るのを控えている方も10名くらい、お休みしている方もいるので午前と午後に礼拝を分けても出席者は20人~30人です。このようにこれからは教会員が増えることは難しいのが現状です。

●卒直に言うと今までの私たちは聖書が示す生き方をしてこなかった。それ故救いを受ける人が少ない。そしてこの状態が続くと救いを求める人は少なく、将来的に教会は合併して延命措置をするか、また高齢化とともにほぼ全員死に絶え閉鎖する教会となる。これが10年後20年後の日本の教会の現実です。以上は私のたどり着いた仮説ですが皆さんはどう思われますか?

ではどうしたらよいか。暗い気持ちになる必要はありません。信仰の基本に生きれば大丈夫 
●ピリピ4:8~9 1、こころに留める事 新約399頁 ピリピ教会はパウロ達がヨーロッパで最初に設立した教会です。コリント教会と違いパウロと良い関を保っていました。ただ有力女性信者2人の争いや、ユダヤ律法主義者が偽の教えが持ち込み教会内部が混乱していました。

8節 最後の勧め。パウロがこれだけは言っておきたい大切なメッセージです。まずキリスト者が心に留める事を述べています。以下の内容です。
・すべて真実な事➡常に正しい事を心に留める。信仰生活、聖書理解、政治、経済、文化芸術。
私達に完全はないが真実、事実を知ろうとすることが求められています。
・尊ぶべきこと➡立派な行いと、人から尊敬されるような生き方。
・すべて正しいこと➡神の前に正しいことに心を留める。それは人の前にも正しいことですから。
・すべて清い事➡この世の基準ではなく神の前の基準をもって生きる。
・すべて愛すべき事➡神の御心にかなっている。
・すべて評判の良いこと➡キリストにあってよい証になる、人々に喜ばれる事。
・徳とされる事➡道徳的に優れていること。
・称賛に値すること➡結果的に人々から評価される事。
以上の8つをパウロは命じています。これは直接私たちへのメッセージでもあります。キリスト者は自分が救われている事だけに満足せず、隣人(自分のまわりの人)が幸せになる事を考え、すべての良いことに心を留めて生きる。視野を広め世の中を見ていく柔軟性のある信仰者を目指す。

2●実行すること(9節行いなさい)です。心に留めるだけでは足りません。肝心なのはそれぞれが自分にできる事を喜んで実行する。私から学んだこと、受けたこと、聞いたこと、見たことを行いなさい。これは8節で述べている事と重なります。具体的にはパウロが生きたように生きる。それはイエスが生きた道につながります。特にキリスト者は、行い・良い業を行うように求められます。救いは信仰によってのみ与えられますが、救いを受けたら信仰に応じてキリストの心を良い業を通して実践する。周りからパフォーマンスとか言われようと関係なく実践する。

3,結び まずはすべての良い事、誉あることに心を留め、広い視野をもってのびのびと生きる。その上でイエスが言われたように神を愛し、隣人を愛する生き方(良い業の実践)に生きる。実行する。イエスのように、パウロのように本気で隣人を愛する生き方を実行すればあなたも、教会も変わります。聖書が示す生き方を通して周りの人はキリストに導かれます。次回へ