テサロニケ人への手紙第二(6)

2022年12月16日

2015年7月26日
聖書箇所:Ⅱテサロニケ3:13~18
宣教題:敵とはみなさず 

先週の火曜日に久喜教会で川合律子姉妹63才再の葬儀がありました。5歳の時小児リウマチを患い、体の不自由を覚える様になりました。18歳でイエス様を信じて救いを受けました。20才から車いすの生活が始まりなくなる時まで続きました。ヘルパーが24時間つきっきりでサポートしないと生きていけない人でした。しかし持ち前の明るさと行動力、そして独学で数学と英語を学び35~45歳まで河合塾を開講し英語と数学を教えていました。また50歳から6年間はデイサービス、オリーブを経営していました。
今回の葬儀を通して私は川合律子さんから2つの事を学びました。一つ、律子さんは自分が五体満足に生まれなかった事を親や家族に対して一度も文句や不満を言わなかったそうです。2つ目はアフリカガーナからジョージ君を養子に迎えたのですが、中々律子さんの願い通りに成長してくれませんでした。でも彼に対して無償の愛を持っていた人で「あなたがいてくれるだけでお母さんは幸せだ」とジョージに言っていたと話していました。まさしく神の愛をもってジョージを愛したのだと思わされました。
話は変わりますが、本庄教会のツバメさんは7月24日昼頃に無事巣立ちをしました。親鳥2羽がつきっきりで寄り添ってやっと飛べるようになりました。今回も彼らの姿を通して多くの事を学ばされた4か月となりました。子ツバメは2か月間餌をとる練習をして南の国まで数千キロの旅をします。来年また本庄に来ることを願っています。

さてテサロニケⅡの手紙は今日で6回目となり最後となります。今迄の事を復習してみましょう。手紙のテーマはイエス・キリストが再び来られる事に関するものです。再臨について間違った教えを持ち込む人に惑わされ教会の一部の人がパウロたちの教える事と違う考え方を持つようになりました。既にキリストが再び来られたといって落ち着きを失い、心を騒がせる人がいたのです。使徒パウロはだまされないようにしなさいとテサロニケ人信者に語り掛けます。そしてキリスト者の生き方について丁寧に教えました。中身は、道を外す歩みをする人に対して、教えた言い伝えを守りなさいという勧めでした。言い伝えとは、キリスト信仰の基本である、福音と教えです。これをしっかり理解して歩みなさいと勧めたのです。また何も仕事をせず、おせっかいばかりしている人がいましたので、落ち着いた生活をして自分の仕事に実を入れる様に教えました。今日は続きの部分でキリスト者に対する最後の勧めが述べられています。それでは読みましょう。
13
善なること、これは言葉を変えると良い業の事です。イエス・キリストの心に適っていることを実践するという事です。そのように考えると沢山あると思います。たとえば、
・家族と仲良くする。家の家事を良くする。家族に仕える心を持つ。
・自分に与えられた仕事、任された仕事を忠実にする事
・学生であれば良く勉強する。親の手伝いをする。
・隣人に対して親切にして助ける。
・キリストを崇めた生活をして、自分の置かれた立場でキリストを証する。
この善である事、良い業を、たゆむことなく行いなさい。やる気を失ったり、あきらめたりしない、落胆したりしないでキリスト者としての良い業に励みなさいとパウロは勧めるのです。
14~15
指示に従わない人とは、福音と教えの基本に従わないで、締まりのない歩みをしている人の事です。このような人に対して、注意を払い、交際しない、それは無視をせよという事でなく、自分の行い生き方がキリストにあって間違いなのだ、あるいは恥ずかしいと思う為に関わりを持たないように勧めているのです。
しかし敵とはみなさず兄弟として戒めなさい。訓戒しなさいと述べています。ここが大切ですね。多くの場合無視をすることが目的となってしまい、かえって本人を苦しめるような結果を招く場合があります。敵とみなさず、主にある兄弟姉妹として訓戒する事が大切です。
16
願い 平和の主 世の中がどう変わろうが平和の主が共におられるように願いつつ生きる。
主が与えてくださる平和とは平和、平安、繁栄、健康、和解をもたらせてくださるすべてを含みます。私達はこの夏、特に平和について考えます。ましてや今年は日本が戦争に負けて70年の区切りでもあります。わが日本は310万人(兵隊さん230万人、一般市民80万人)がこの戦争で亡くなり、また怪我をし、家や工場が焼かれ住むところを失いました。またアジアでは2千万人の人がなくなりましたので相当部分に日本軍隊が関わっています。特に今年は平和憲法が政府の権力によって公然と骨抜きにされ、破棄される事態となりましたので機会あるごとに憲法を守る事に心を注ぐ必要があります。特にキリスト者は真の平和を与えてくださる主イエスを見上げて平和の実践者として歩もうではありませんか。

17あいさつ
この時代のパウロの手紙は口述筆記が普通ですが、この部分はパウロが自筆でサインしています。何故なら偽物の手紙が横行していたからです。しかしこの手紙は私が書いたものであるという事を示す為にこのように述べています。そして、18祝祷して結んでいます。
適用
●あなたにとって善なる事、良い業とは何か。
是非それぞれにとって良い業とは何かを考えてみましょう。そして人と比較することなく自分の使命、役割を明確にして良い業に励んでまいりましょう。
●締まりのない人に対してどのように関わりますか。
私達は締まりのない人に対して批判するだけにとどまらず、その人を毛嫌いして自分の敵とみなしてしまうような傾向はないでしょうか。敵とはみなさず、主にある兄弟として受け止めていきたいものです。
結び
4月からテサロニケ人への手紙Ⅰ・Ⅱを学んできましたがどのような事を特に学びましたか。私自身はキリストが再び来られる事に対して、備えて生きるキリスト者の生き方を改めて考えさせられました。またキリストの再臨を待ち望んで生きるという本来のキリスト者の生き方である事を確認する事が出来ました。
また、特にパウロがテサロニケ人教会の兄弟姉妹たちに教えたことは、福音と教えに生きる事でした。福音とは天地の創り主がおられ、私達はその作品であるが、背を向けて生きていることを認めて、キリストが私達の罪の為に死なれたこと、葬られたこと、三日目によみがえられたことを信じたら救いを受けて新しい命を受けます。これがクリスチャン。人生が変わります。これが福音です。
教えは先日も確認しましたが、個人、家族、教会生活、仕事、政治、社会全般に於けるキリスト者の生き方の原則を教えています。この福音と教えをこれからも学んでまいりましょう。

暗唱聖句 Ⅱテサロニケ3:13 お祈り致しましょう。