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ガラテヤ人への手紙(6)

2022年12月14日

2015年9月6日
聖書箇所:ガラテヤ3:15~22
宣教題:律法と約束 

ガラテヤ人への手紙は6回目になります。3章から共に学んでまいりましょう。
前回、キリストの救いは旧約聖書に出てくるアブラハムが神の言葉を信じる信仰によって与えられるものである事を学びました。ガラテヤ諸教会の人々は教会をかき回す「偽教師たち」に翻弄されいつの間にか、福音+割礼と言う儀式を受けなければ救われないという教えを受け入れてしまいました。そうすると皆さんどう思われますか。この教えは福音ですか。救いの条件は福音だけですから、割礼(行い・律法)を守らないと救われないと言ってしまうとこれは福音ではありませんから救いを受ける事が出来ないのです。全く似て非なるものとなり聖書の信仰とは違ってきます。
これに対してパウロは福音の真理を守る為に手紙を書いたのがこのガラテヤ人への手紙です。
キリストの救いは福音の言葉を信じて恵みによって与えられることをいつも覚えていく必要があります。救いに必要なのは福音だけです。決してプラスアルファを付け加えてはなりません。
但しクリスチャン生活を送るためには義の基準であるモーセ律法の言わんとすることを理解するのは大切な事ですから誤解の無い様にお願いします。律法を理解する場合キリストに向けていけば真意を深められると思います。

この流れをうけて14節でパウロはガラテヤ人たちが、あなたがたが御霊を受けて救いを受けキリスト者として歩むようになったのは信仰によってのみですと語り掛けます。
15 契約(約束)
信仰による救いの有効性を人間社会の契約に例えて述べています。契約は遺言とも訳せる言葉です。口語訳や新共同訳は遺言と訳しています。遺言は作成されて後、遺言者がなくなった場合に変更はできません。神が人と結んだ契約も一旦結ばれたら変更されることのない遺言に例えその絶対性を強調しています。信仰によって恵みによってイエスを救い主と信じて救われた人の救いは無効になり変更になる事はありませんので皆さんご安心ください。遺言と同じ効力があります。
16
神がアブラハムに与えた祝福の約束(神がすべての民族を祝福する)はその子孫たちではなく子孫であるキリストによって与えられるのだと述べています。これは信仰によってすべての人が救われ祝福されるという約束です。キリスト誕生から現代に於いて実際に起こっている事であります。
創世記12:7、22:18、24:7の約束。預言の言葉。
17~18
恵みと信仰による救いはアブラハムの後430年後モーセを通して与えられたモーセ律法によって、取り消しや無効になる事はないと述べています。18節はアブラハムとの相続の約束がモーセ律法よりも優先すると述べているのです。モーセ律法が絶対と思っていた人にとっては考えられないことであります。

19~22:ではモーセの律法とは一体何でしょうか。当時の時代の人々の多くはモーセ律法がすべてに優先されるものと考えていました。
しかし現代に生きるキリスト者は旧約聖書に出てくるモーセの律法と私達信仰者の関係はどのようにするべきなのかを疑問に思う事があるかもしれません。その為にも旧約のモーセ律法とは何かを知る必要があります。最初に確認しておきますが律法と聞くと何か悪いものと思う人がいるかもしれませんが、決してそうではありません。モーセの五書も神の霊感によって書き記された神の言葉ですが、律法の言わんとする事、役割、精神を正しく読み取っていかないと様々な弊害が出てきます。パウロも決して律法を否定しているわけではありません。パウロが否定しているのは律法の下に閉じ込められてはいけないいう考えです。すなわち、いつの間にか本来の神の御心から遠く離れて律法の教えを振りかざし字面に縛られ支配されやすいのです。では律法の真の意味は何か。
1、19:人の罪を暴く。違反を示す。人は自分の心の中にある罪を義の基準である律法を通して知らされる。例えば律法の中心モーセの十戒。人を殺してはならない⇒憎む(山上の垂訓)
2、ローマ7:7 罪を促す。正しいものを知って余計悪いことをする。むさぼってなならない。
3、19:律法は限定期間。キリストが来られるときまで。
4、22:律法は正しいが救いの力はない。神の正しさを知らしめるだけである。すべての人を罪の下に閉じ込める
5、24:律法はキリストの福音へと導く養育係となる。キリストの十字架の死と復活の御業によって律法の要求は全うされました。キリストの十字架の御業によって律法は全て成就したとみなされる。だから信じるだけで神の前に正しいとみなされるのです。

適用
○モーセ律法を正しく理解しよう。(律法は神の言葉です)
 しかしその役割は本体ではなく陰でありキリストへの信仰に導く養育係です。旧約聖書を学ぶときにはキリストにつなげていく視点で学びましょう。律法は影。本体はキリスト。

暗唱しましょう。ガラテヤ3:13 
結び 
キリストが私達の為に神に呪われた者とされました。呪われるとは父なる神から見捨てられる事であります。具体的には私達の罪の為に身代わりとなって十字架に掛かって死なれたことです。キリストの十字架の死と復活故に、キリストを救い主と信じる信仰によって私達は罪の支配から贖いだされ救いを頂きました。贖いとは代価を払って買い取られることを意味します。ゆえに私達は罪赦されて真に自由の身となり、キリストの者とされました。これが使徒パウロの述べ伝えた福音であり信仰による救いを受ける道であります。お祈りいたしましょう。