ヤコブの手紙(8)

2022年12月14日

2016年1月17日
聖書箇所:ヤコブ4:1~10
宣教題:神の前にへりくだれ 

ヤコブの手紙は私たちがイエスを救い主と信じた結果、その生き方は如何にあるべきかを問いかけるものです。それは成熟したキリスト者の在り方を示しています。3章では私達の舌、口をコントロールする事、また上からの知恵を求めて平和の種を蒔いて生きる様強く勧めています。

4章になると私たちが成長したキリスト者として生きるための勧めが次々に書かれています。
何が原因でキリスト者も含めた人間の間には戦いや争いが続くのかという事です。別の言葉でいうと何故、人は仲が悪く、喧嘩ばかりする関係になるのかという事です。

Ⅰ キリスト者の成長を妨げるもの 1~4 争いや戦い
①私たちの心の内にある(体の中で戦う欲望)
イエス様の十字架の死と復活の御業を信じて罪の赦しと永遠の命を受けた人の心の中に聖霊様が住んで下さいます。これを御霊の内住とか新生(ボーンナゲイン)すると言います。一度救われると御霊、聖霊は逃げる事はありませんのでご安心ください。これをクリスチャンと言います。
同時に私達の心の中には生まれながらの罪の性質、アダムとエバの罪の性質が依然として残っています。これが自分中心、自己中心の生き方をします。肉とも言います。この2つの性質が絶えず私たちの心の中で戦っているわけです。救いを受けて御霊の内住がある人は良く理解しているところです。そしてたびたび生まれながらの罪の性質が勝利してしまうこともあります。これをヤコブは「あなた方の体の中で戦う欲望」と述べています。

②他人との関係において 2
厄介な事にこの自己中心の生まれながらの罪の性質は自分の心の中だけでは働きが止まりません。他の人との争いに発展します。自分の物でないのにやたら人の物を欲しがります。旧約聖書モーセ十戒の中でむさぼりと言います。ここから人殺しが起きます。また争いや戦いが起こります。今の生活に感謝し、満足する事をしないで様々なものを手に入れたがるのが人間の欲深さであり、そこから罪につながってきます。
私たちの日本においても人の命を奪うような事件は毎日起きています。なぜ起きるか、人の物をむさぼり手に入れようとするからです。そして我慢できず人を傷つけてまで奪ってしまうのです。

かつての日本もそうでした。明治時代になってからアメリカ、ヨーロッパに追いつけ追い越せと言う政府の方針によって富国強兵政策(国を富ませ、軍事力を強くする)が進められ、やがて日清日露戦争に勝利すると朝鮮半島、満州、また多くの資源や富を奪い取り支配しました。そして太平洋戦争を引き起こした結果310万人の日本人が戦死し、その数倍の人の命を奪いました。これが欲しがっても手に入らなかったら人殺しをするというみことばに書かれている通りのことです。
また今も世界中で領土問題は欲望に繋がる争いの種になっています。

③創造主(神)との関係において 神を敵とする事3~4
願っても与えられないのは自分が良い思いをするためだけに願っているからです。主のみ心を求めて願う事が重要です。願っても与えられないのは自分に必要ないかもしれないし、まだその時期ではないのかもしれません。
悪い動機で願う事をヤコブは貞操のない人だと断言しています。これを男女の夫婦関係の例をとり不貞の妻のようだと言います。即ち私達が神に対して結婚の誓いを破ったものだと言うたとえです。世の友になるとはこの世の中の流れに沿う事を最優先にする人が神に敵対している人だとヤコブは言います。あなたの心はいかがですか。点検してみましょう。

Ⅱ 御霊の働きの重要性 5~6
いままで見てきたように人の心の中にある自分中心の悪い欲望、むさぼりを乗り越えてキリスト者が真にキリストの僕がキリストに似た者として歩めるようになる為に私達に何が必要でしょうか。

5節:私たちの内に住む御霊、聖霊とも言います。このお方が私たちの心の中で自由にのびのび働けるようになるのがキリスト者成長のポイントです。
6節:更に豊かな恵みをもって私たちを導いてくださるお方。この恵みがこの上なく注がれています。恵みとは私達に与えられている一方的なよいもの。神からの一方的な愛の思い。カリス賜物です。このことを私たちはもっともっと自覚する必要があります。これが私たちの内にある悪の性質に打ち勝つ力になります。

Ⅲ 創造主(神)との関係の持ち方 8~10 この御霊の賜物恵みが豊かにこの上なく注がれているのを確認しながら積極的な勧めが次の3つの事です。
①神に従いなさい
神の性質としてへりくだるものに恵みを注いでくださいますから、自分の力のないことを認め謙虚に生きる事をヤコブは勧めています。そして、悪魔の考えに対して全てイエスの御名で反対の事を選んでいく事です。これが悪魔に立ち向かう事になります。ただ必要以上に恐れる必要はありません悪魔は逃げていきます。

②神に近づきなさい
これはどういう意味か。考えられることの一つは私たちが主のお考えになる道を常に選び取る事があります。それが9節の言葉に繋がります。苦しみなさい。悲しみなさい。泣きなさい。時に自分の足りなさを覚え、弱さを覚え私たちが主に心が向かう時にこのような経験をします。何故か。自分の心の奥に罪深さで満ちていますので、苦しみ、悲しみ、泣くのです。でもこれはやがて聖霊の力によって洗い流され、満たされてさわやかな思いに変えられます。

③主の前にへりくだりなさい
神の前にも人の前にも適用される信仰の大原則です。謙虚にされる人は主が高く上げて下さいます。逆に主は高ぶるものを退けますのでその覚悟をもって高ぶりたい人は高ぶって下さい。
適用
私たちが創造主との健全な関係を阻むものは何か
ヤコブ書を読んで何を受け止めましたか。今日私達はもう一度心を見直し傲慢な心、態度を悔い改めして整えられてまいりましょう。是非今日のみことばは自分に対して語っているのだと確認してまいりましょう。そして私たちと創造主との健全な関係を阻むものを取り除いてまいりましょう。
暗唱聖句 ヤコブ4:1 お祈りします。