マルコの福音書(63)

2022年12月13日

2018年2月11日
聖書箇所:マルコ13:9~20
宣教題:オリーブ山での宣教 

おはようございます。今日も続けてマルコ福音書から学んでまいりましょう。13章はイエス様の預言です。エルサレムを離れ向かいにあるオリーブ山からエルサレムに向かって座っておられるイエスに4人の弟子たちが来て3つ質問します(4節)。その中の一つは、いつエルサレム神殿が徹底的に破壊しつくされるかという事です(2節)。
質問に対するイエスの答えが今日の聖書箇所であります。9~20節ですね。それでは見ていきましょう。一つ確認をしておきますが、この聖書箇所はキリストの弟子たちやユダヤ人にイエスが語られた事です。その中で主は私たちに何を教えようとしているのかを探っていきましょう。

因みに9節~20節でイエス様が語られたことは紀元70年に成就しています。そうするとイエス様はこのオリーブ山で40年後に起こる事を預言したという事になります。実際に起こった事を検証しながら見ていきます。
9:議会に引き渡され、会堂で鞭打たれ、総督や王たちの前に立たされます。キリストの弟子たちがこれから迫害される事を預言しています。更にこれを否定的にとらえるのではなく、むしろ証の為であると述べています。ここにキリストの弟子はイエスの心を理解しその恵みの広さ、深さを知る為に厳しい状況に立つときもある事を教えられます。これは現代に生きる私達も同じですね。

10:これらの迫害によってエルサレムから人々は散らされキリストの福音があらゆる民族に伝えられます。実際に使徒の働きを読むと初代教会は迫害によりエルサレム、ユダヤ、サマリヤ、小アジア、ヨーロッパ、ローマへと広がっていくのです。そして日本にも今から450年前に福音は伝えられました。

11:捕えられ、引き渡された時、法定で弁明する時にきちんと話すべき言葉は聖霊によって示されるので示されたことを話しなさいと勧めています。誤解しないでください。ここから人前で宣教する時は聖霊が全部教えるからメッセージの準備は必要ないのだと適用する人がいますがここではそのような事を教えていません。時々宣教の準備を全くしない人もいるようですが、文脈を無視した適用です。

12~13:これは密告です。例え家族や兄弟でも迫害が激しくなると自分の身を守る為当局に密告するのです。理由は別ですがキリストの11使徒の内10人は迫害によって殉教の死を遂げています。しかしキリストに結ばれ一つとされているものは霊的な死から救い出されます。

14~20:いよいよここからが紀元70年にエルサレムがローマの軍隊、ティトゥス将軍によって攻撃された時の事を預言していることです。イエス様は山に逃げよと語られました。
このことは歴史家たちの書物によって知ることが出来ます。死亡した人が110万人と言われています。また多くの人がローマの奴隷となりました。物凄く多い人数です。
しかしこの時のイエスの言葉を忘れず、エルサレムの包囲が一時、解かれたすきに逃げたユダヤ人信者2万人は助かりました。エルサレム以外に住んでいた信者8万人も助かったと言われています。彼らは主イエスの言葉の通りにガリラヤのパラという町に逃れたと言われています。
19:天地創造からイエスの時代に至るまで未だかつてないような苦難の日であるとイエスは預言しています。ユダヤ人にとってはつらく悲しい出来事でありました。
こうして紀元66年から始まったユダヤのローマに対する反乱は紀元70年を経てその3年後の紀元73年、マサダに立てこもった人たちが集団自決して悲惨な結果となり幕を閉じるのです。この時から実に1948年にユダヤ人国家が建設されるまでの1900年近くにわたりユダヤ人は世界中に散らされ流浪の民となります。1948年にイスラエル国家が建設され、神の時計の針は時代の完成へと向かうのです。非常にスケールの大きな話をイエス様はお語りになったのです。

この様にイエス様は重要な事をオリーブ山でお語りになりました。以上20節までがエルサレム神殿の破壊される事についての弟子たちの質問に対する答えであります。
そしていよいよ21節から2千年の時を経てイエスはご自身が王としてこの世界に戻ってこられる時の事を話されます。これをキリストの再臨と言います。よく覚えて下さい。
適用
○苦しみにあった時の聖霊の導き
今日の箇所は直接私たちと関係ありませんが、適用は出来ます。その中の一つは聖霊の助けであります。私たちの内には聖霊が住んでいますが、他の人と同じように生きていく上で様々な困難があります。その時どうしますか。自分の力で頑張りますか。そうではありません。主の恵みにより頼むのです。そして主に祈るのです。そうすると私達の心の内に住んで下さる聖霊様がささやいて知恵を下さいます。11節では語るべき言葉を示してくださるのです。これが弱さの裡にあって働く私たちに対する強みですね。聖霊に導かれ、励まされ強くされる。語るべき言葉が用意されるのです。どうぞこの聖霊なる神により頼んで歩んでまいりましょう。

○主の言葉に従う事の幸い
当時イエスをメシヤと信じるユダヤ人たち、特に40年前に語られたイエスの言葉を忘れず、信頼して従った人々はエルサレム包囲網が解かれたわずかな隙に従順な信仰の態度を取りました。
14:山へ逃げよという言葉に従ったのです。そして助かりました。私達はイエスの言葉に対してどんな態度を取りますか。自分の考えを優先しますか。それともイエスの言葉を優先しますか。決断するのは牧師ではありません。あなたです。是非今日イエスの言葉を最優先して従ってまいりましょう。そうしたら様々な道が見えてきます。すべてを働かせてよしとしてくださるのです
結び
イエスの言葉はいつも時代でも真実です。今日語られたオリーブ山での宣教は40年後にその通りになります。そして私たちが生きている今の時代は8節の言葉を見ると、まさしく時代の完成は始まったのです。いつかは分かりませんが、これから陣痛のごとく神の時は早まっていき、キリストの再臨は近づいてきます。やがて大きな流れで見ると世界的な規模で起こる人類の最大の苦しみ7年の大患難時代が始まります。そして7年の最後の時にキリストが天から地上に王として再臨され世界を治めます。その後この地上にはキリストを王とする千年王国時代が始まります。そして千年後にこの天地が崩れ去り、新しい天と新しい地が創造されます。
今私たちはこのような一つの時代が完成する特別の時代に生かされているのだという自覚に立って、本庄教会に出来る福音宣教と社会的責任を自覚し自分達に出来る事は何でもしていきましょう。そして各人それぞれの使命についても賜物を生かし、それぞれに相応しいことを実行させていただきましょう。神に仕え、隣人に仕える人生です。それがオリーブ山のイエスの宣教に対する私たちのレスポンスです。お祈りいたしましょう。