マルコの福音書(17)

2022年12月13日

2016年11月6日
聖書箇所:マルコ3:13~19
宣教題:12弟子の任命②

今日はマルコの福音書17回目の学びになります。前回は「12弟子の任命」というテーマでしたが少しあっさりし過ぎていたので、あと何回か話した方が良いと思い今日はヤコブとヨハネについて学びます。ところで聖書を読むと12弟子の名前はなかなか覚えられませんが鉄道唱歌のメロディに合わせると覚えられます。いいのを見つけましたので歌ってみますか。

①イエスの使徒たち12人、彼らは全員20代、一組4人で活動し、御国の福音伝えます。

②ペテロが最初の長(おさ)となり、弟アンデレそこに付き、ヤコブとヨハネの兄弟も、御国の為に仕えます。

③ピリポの組の者たちは、バルトロ、別名ナタナエル、マタイ、もとは取税人、トマス、あだ名がデドモ(双子)です。

④ヤコブの父はアルパヨで、シモンの前歴熱心党、別名タダイのユダがいて、裏切り者のユダ最後。

彼らの①家族構成 ②彼らの性格 ③十字架後の彼らの生き方、今日は聖書を何ヶ所か開きます。

①家族構成
マルコ3:17ゼベダイの子、ヤコブとヨハネ。兄がヤコブで弟がヨハネ。ニックネームが二人とも雷の子・ボアネルゲ(雷の子)、怒りっぽい性格で、復讐心が強かったようであります。

父はゼベダイ。マルコ1:16~20にペテロやアンデレたちがイエスの弟子になる場面があります。続いてヤコブとヨハネがイエスの弟子になる場面があります。この時父のゼベダイや雇人たちもいました。当然船も数隻あったようであります。
ルカ5:10に「シモンの仲間であったゼベダイの子、ヤコブとヨハネも」とありでチームを組んで魚を獲っていたことが分かります。彼らはガリラヤ湖の浅い所で投網をして魚を獲っていた訳ではありません。深い場所で二艘の船で協力し刺し網漁です。大量の魚が獲れる方法です。故にゼベダイは網元として裕福でした。この様にキリストの弟子達の中には金持ちの子供もいたのです。

母の名はサロメ。イエスの母マリヤは姉妹であると言われています。この母は日本的に言うと教育ママでした。マタイ20:20~21。こともあろうにイエス様の十字架の死が近づいている時に、ヤコブとヨハネの母(サロメ)は息子たちを引き立ててもらうためにこっそりとイエス様の前に出て息子たちが後で偉くなれる様に頼みに来たのです。サロメとイエスの母マリヤ兄弟ですのでイエス様は甥にあたります。息子の出世のために必死になっている教育ママぶりが伺えます。この時点では弟子達や母親達もその他の女性達も、民衆も全ての人がイエスこそローマを倒して独立を勝ち取りメシヤ的王国(新約聖書の言葉でいうと千年王国)を作ってくれると大いに期待していました。だからイエス様王になったらこの子たちを高い地位にしてくださいと頼みに来たのです。母サロメはヤコブとヨハネの出世の為なら手段を択ばないような人でした。この母親に育てられたのですから当然母親の影響は強かったと思います。勿論ヤコブとヨハネも一緒にひれ伏してお願いしたのです。
そして後で、この事を後で知ったほかの弟子達は先を越されたと言ってこの二人に対しカンカンになって腹を立てます。信仰的でないと思ったのではなく、先を越されたので怒ったのです。彼らは未だこの時点では全くイエスの心を理解しきれてはいませんでした。

②ヤコブとヨハネの性格
人の性格は生まれながらの面もあり、育った環境を受け継ぐものもあります。イエス様は彼らの共通する性格を見抜いて弟子にしたようであります。マルコ3:17で弟子に任命した時から雷の子ボアネルゲという怒りっぽい性格を見抜いていました。案の定ルカ9:51~54でイエス一行がエルサレムに向かっているときサマリヤ人が妨害して通らせなかった時に、彼らは即座に「主よ、私たちが天から火を下して焼き滅ぼしましょうか」と提案しています。非常に激しい性格の持ち主であります。また母サロメと一緒にイエスの所に来て自分たちを出世させてと願い出たように中々抜け目ないと所があります。いずれにせよ荒削りの2人でありました。金持ちの性格の良い青年というよりも排他的、短気で怒りやすく、攻撃的な性格をうかがい知ることができます。

③イエスの十字架後の彼らの生き方
しかしイエス様の十字架の死と復活の後、ヤコブとヨハネは復活のイエスに出会い変えられます。それは目に見えませんがキリストに「接ぎ木」されキリストと一つにされました。これを聖霊のバプテスマを受けると言います。こうして彼らは心の目、信仰の目が開かれキリストの新しい命を受けました。人生観が全く変わります。自分中心から主なる神の御心の内に生きる事を大切にするようになります。具体的には隣人を自分と同じように大切にする心に変えられたという事です。これは今のキリスト者である私達も全く同じです。兄ヤコブは使徒12:1~3キリスト信仰故に迫害により命を落とします。たぶん40才代でありましょう。弟ヨハネは新約聖書である手紙、福音書、黙示録を残し、最後はエペソで主のみもとに召されました。たぶん90才代です。彼らは地上の生涯が長い短い差はありますがそれぞれが自分の使命・役割を全うして、あの昔の性格からは考えられない程の愛の人に変えられて人生を生きぬいたのです。

適用
私たちの性格はヤコブやヨハネと比較してみて似ている所もあれば似ていない所もあります。でも彼らと同じようにイエスを救い主と信じてイエスに接ぎ木され、一つになりイエス様の新しい命を受け継いでいます。なんと幸いなことでしょう。益々私たちも聖霊の導きに従いつつ主イエスに似た者へと変えられてまいりましょう。

暗唱聖句を覚えましょう。

結び
今週も主の恵みに信頼してあなたらしく明るく元気でのびのびと歩んでまいりましょう。