マルコの福音書(8)

2022年12月13日

2016年8月14日
聖書箇所:マルコ1:35~39 
宣教題:祈るイエス  

マルコの福音書8回目の学びになります。前回はイエス様が安息日にペテロの姑の熱病を癒し、
また多くの人の病気や悪霊につかれた人を癒した事を学びました。学びの結論はイエスこそ神から遣わされたメシヤ・救い主としての権威を持つお方だという事です。このイエスこそ私たちの信じる神でありますのでもっともっと大胆な信仰によって歩もうではありませんか。そうすると私たちの信仰生活はもっと豊かなものになってきます。

続いて今日の箇所ではイエスが朝早くまだ暗いうちに起きて寂しい所へ出て行きそこで祈っておられる光景を見ます。イエス様は神である方なのになぜ祈るのかと不思議に思う人がいるかもしれません。人々から祈られる存在ではないかと。でもよく考えてみるとイエス様は人としてこの世界に来られた方でありますし、この地上に於いては父なる神に対して子という立場であります。そして祈りは神との交わりであり、神の御心を知り、神から力を受ける行為で、イエスは私たちの模範者であるますのでこの様に祈りを大切にしています。

35節:イエスが朝早くから何を祈ったかは分かりませんが一日の生活、行動を始める前に祈るのでありますから、それだけ祈りは大切であると理解できます。

○そこで今日は祈りとは何か。当たり前のことをもう一度確認してまいりましょう。

1、まず私たちは誰に対して祈るか。
 この宇宙・太陽・月・星・地球・その中にあるすべての生物・私達人間をはじめから神のかたちに造られたこの創造主なる神に祈ります。言葉を通して。あるいは心の中で祈ります。勿論イエス様も父なる神と共にこの世界を創られた創造主ですから直接イエス様に祈る事も出来ます。子なる神であるイエス様は父なる神と本質が全く同じお方ですからイエス様に祈る事も出来ます。
また私たちが祈る方は人間が木や石で作った偶像ではありません。偶像は何も答えてくれません。お盆の時期にいくら位牌に向かって祈っても祈りは聞かれません。またご先祖様はお盆の期間4日間だけこの地上に戻る事はありません。この点は皆様も良く理解している事であります。

2、神および子なる神との交わり
祈りは父なる神及び御子イエスに語り掛ける事ですから神との交わりです。交わりですから一方的にこちらが話すばかりでなく、神が語り掛けてくださる声を聞くこともあります。むしろその方が多いでしょうか。静かに礼拝しながら神の声なき声を聞くのです。脳の障害によっておこる幻聴ではなく、神が静かに私達の心に語り掛けてくださるのです。こうしなさいとか。これをしないようにとか。その時々に応じて聖霊様を通して語り掛けてくれます。このようにこちらから語り掛け、また神の声を聞くのが神との交わり即ち祈りなのです。ここで主イエスは朝早く起きて寂しいような場所で父なる神との交わりを通して静かな内に神の声を聞き、神のお考えを確認したのです。

3、神の力を受ける
イエス様は十字架刑を受ける前にもゲッセマネの園で苦しみ悶えつつも祈りをささげ力づけられて立ちあがります。そして十字架刑を受けるのです。そして十字架上で苦しみの中にあっても自分をあざける者の為にとりなして祈りました。私たちも祈りを通して主なる神から力を貰います。不安でどうして良いか分からない時も祈ると不思議な事に心は平安で満たされます。聖霊が働き私達の心を励ましてくださるのです。更に祈りを通して神の御心を優先すべき事を教えられます。

4、祈りの内容
ところで祈りの中身は何があるでしょうか。どんなことを祈ればよいのでしょうか。原則的には心の中にある事を隠し立てしないで正直に話す事です。最初はお願いごとばかりになるかもしれません。でも信仰生活の積み重ねによってだんだんと祈りの中身は変わってきます。それは
①とりなし。イエス様は十字架上で「父よ彼らを許してください。彼らは何をしているのか自分ではわからないのです」と自分を敵対する者に対し人と神との間にでとりなしの祈りをささげた。。
②賛美する。主をたたえる事です。あなたのみ名をほめたたえます。主にある人生を喜ぶ。
③感謝する。恵みを感謝する。主の守りを感謝する。主は最善を成してくださるので感謝する。
 一日の守りを感謝する。
④悔い改める。考えの認識を変え、視点を変えるという事が悔い改めです。聖霊によってこのようにする事が出来ます。

5、主が応えてくださる
神への信頼をもって祈る時、主は答えてくださる。直に願い事が適う事もあります。何年も待たされることもあります。また主の御心ではないので願い事が聞き入れられないこともあります。それぞれです。でも主なる神は生ける神ですので何らかの答えを下さることは確かです。そして祈る人に最善の道を用意してくださっている。これを忘れてはなりません。

イエス様の祈りを通して私たちも祈りについて様々な事を教えられます。

適用
祈りと行動の順序
35節~38節の流れを見ると主イエスは祈った後に行動(別の村里へ行こう。福音を知らせよう)はあります。祈りがあって次に行動があるのです。イエス様の行動パターンは私たちの行動パターンです。実にキリスト者の基本的な原則なのです。祈って御心を確信したら行動する。あるいは御心を確かめつつ行動する。こうすればする必要のない失敗はしなくても済みます。
ここのポイントは聖霊様の働きであります。私達の心の内に住んでおられる聖霊が主のみこころを教え導いて下さるのです。行動があって祈りではありません。祈りと行動の順番をいつも覚えよう。

結び
イエス様は今どうしているでしょうか。そうです、父なる神の右の座にいて今も生きて私たちの為にとりなして下さっています。このイエス様を信頼して、私たちの全ての面に於ける人生の模範としてお従いしてまいりましょう。私たちも個人的な祈り、互いに人と一緒に祈る事を実践してまいりましょう。