マルコの福音書(1)

2022年12月13日

2016年6月12日
聖書箇所:マルコ1:1~8
宣教題:荒野で叫ぶ者の声  

新約聖書の書かれた順番にそって学びを続けています。今迄ヤコブ書、テサロニケⅠ・Ⅱ、ガラテヤ人への手紙を学びました。また使徒信条を12回に分けて学びました。今日からマルコの福音書になります。何回かかるかは分かりませんが最後まで続けていきたいともいます。
マルコはイエス様の生涯を異邦人に対して書きました。ですから旧約聖書の引用は少ないです。読む人が旧約聖書の背景を知らないローマ人等の異邦人だからです。日本人も旧約聖書の背景をあまり知らないのでこのマルコの福音書はとっつきやすい書物です。それと簡潔に書かれていますし、丁寧に書かれていますので分かりやすいと思います。これから親しんでまいりましょう。

ところでマルコはどのような人物でしょうか。聖書を手掛かりにして調べてみると、バルナバといとこだという事が分かります(コロサイ4:10)またパウロの第一次伝道旅行に一緒に行っています。但し第二回は自己都合により途中でやめています(使徒15)。しかしまた時間を経てからパウロの信頼を得て同労者(コロサイ4:11)と呼ばれていますし、ペテロとは常に特別な信頼関係がありました(Ⅰペテロ5:13)。マルコの福音書はこのペテロの証言を基にして書かれたと言われています。こうしてみますと様々な困難を乗り越えて主にある信仰の歩みをしていったマルコの姿も少し見えてきます。

今日の箇所はイエス様の前段階としてバプテスマのヨハネと言う人物について書かれています。
1:1 
神の子イエス・キリストの福音、素晴らしい知らせの始まり。事実の始まりという言葉から始まります。分かりやすいですね。これは読者がローマ人等の異邦人であるからです。でもいきなりイエス様の話にはいきません。最小限の旧約聖書の預言が出てきます。
2:
マラキ書とイザヤ書を代表してイザヤの書に「こう書いてある」と旧約聖書の預言書が引用されています。マラキ3:1 イエスがこの世界に人として生まれメシヤとしての歩みを始める前に人々の心が整えられ、イエスを受け入れやすくするために、使いを遣わして道を備えると言う預言を紹介しています。これがバプテスマのヨハネの使命です。※皆さんの使命は何ですか。
3:
イザヤ40:3バプテスマのヨハネを荒野で叫ぶ者の声と紹介しています。荒野とは砂漠の事です。声だから役割をはたしたら消えます。あーと叫びます。いつか消えますね。バプテスマのヨハネは人々にイエスを伝えて、人々の心がイエスを受け入れやすくするのが使命でした。
4:
イエスの公生涯は30歳からですが、もう間もなく働きが始まります。その前にバプテスマのヨハネが人々の前に現れて、イエスを受け入れやすくするような働きを始めました。しかもエルサレムに登場したのではなく、エルサレムから遠く離れた砂漠、荒野で活動を始めたのです。何をしたかというと人々に悔い改めを迫ったのです。これはイエス様を受け入れやすくするための働きでした。バプテスマと言うのは一体になる事です。バプテスマのヨハネの心と一体となるとでも言いましょうか。具体的にはヨルダン川で人々を水の中に浸しました。浸すと言うのがバプテスマという意味になります。因みに悔い改めるとは心の認識を変え、向きを変えて方向転換する事です。
5:
するとどうでしょうか。人々が続々とヨハネのもとに押し寄せました。エルサレムの全住民が彼のもとに行きいうと、全員と思ってしまいますが、これは当時の文章の書き方で誇張法と言うのがあります。オーバーに書く方法です。次から次へひっきりなしにバプテスマのヨハネのもとに押し寄せたという意味です。人々は彼のもとで自分の罪を告白して彼からバプテスマされました。即ち水の中に沈められ、彼の心、思いと一体とされていったのです。これが悔い改めのバプテスマです。

これは私たちが受けるバプテスマと似ています。一体となる事ですから。しかしキリスト者の受けるバプテスマとはやや意味が違います。
キリスト者が受けるバプテスマは2つあります。一つはイエスを救い主と信じた時に私たちはキリストと一体とされます。別の言葉でいうと、イエス・キリストと同じお方である聖霊、御霊が私たちの内に住まわれます。これを聖霊によってキリストとバプテスマされると言います。故に聖霊のバプテスマを受けると言います。皆さんはもう受けましたか。そうです。目には見えませんがイエス様を信じた時に受けました。これは一回きりの経験です。救いを受けると聖霊は逃げませんので大丈夫です。安心してください。
2つ目はこの聖霊によってバプテスマされた、一体とされたことを目に見える形で表すものは何でしょうか。主の恵みを目に見える印が水のバプテスマ、洗礼式ですね。水のバプテスマは聖霊を受けた人だけが受けられるものです。

未だ聖霊のバプテスマを受けていない人はイエスを救い主と信じて、聖霊を受けて下さい。そうしたら人生が変わりますから。何故でしょう。聖霊なる神が共にいるのですから当然でしょう。そして続けて水のバプテスマを受けて下さい。この順番が逆になる事はありません。

6:
ヨハネの姿かたち、ラクダの毛でおったものを着て、腰には皮の帯、当時としても異様な姿だったようです。800年前の昔の預言者エリヤと似た格好ですね。

適用
○あなたの使命は何ですか。
バプテスマのヨハネは自分の使命を自覚してメシヤの前触れとして人々の心が整えられる為に生きました。私たちにもそれぞれ御霊の賜物が与えられています。そして自分の役割、使命がありますので自覚、理解、確認してそれぞれが、人と比較せず自分らしく生きましょう。そして使命を全うしましょう。
○忍耐
マラキ書から400年がたっています。そしてさらにメシヤの公生涯が始まるまで30年がたっています。神の時間は何と人間と違って長いことでしょうか。私たちもそれぞれの生涯の中で忍耐を持ちながら一つひとつの働きを忠実にしてまいりましょう。

結び
マルコを通して語られるイエスを見上げてあゆんでまいりましょう。