私の信仰生活を振り返って思う事 

2022年12月23日

2022年12月4日
参照聖句:ピリピ4:8~9
説教題:私の信仰生活を振り返って思う事 
松井田キリスト集会礼拝宣教
 
おはようございます。本庄リスト教会で牧師をしております吉田孝と申します。
前回2018年8月26日の暑い日にお招き受けて「信仰の在り方をもう一度考えよう」というテーマでエペソ2:4~10を通してともに考えました。覚えていますか?恵みと信仰による救いを受けた後、キリスト者は行い、良い業を通して社会に出ていくべきだと述べました。確かに救いは信仰のみですが、救いを受けた後はそれぞれの立場で良い業に励もうという内容でした。
 
今日はその続きで自分の信仰生活を振り返って思う事を共に考えてみたいと思います。
私は50年前18歳の時に初めて聖書を読みイエスをメシヤと信じて救いを受けました。そして
茨城県の下館キリスト集会、日本橋集会、茨城に戻って5年後、栃木県益子町で開拓伝道22年続け、働きながらJTJ宣教神学校で学び、友愛グループで按手礼を受け、その後福音伝道教団足利キリスト教会を経て本庄キリスト教会から招聘を受け10年目になります。

過去50年の信仰生活を振り返って不思議なのは、なぜ日本では、まじめに伝道に取り組んでいるのにクリスチャン人口が増えないのかと言う疑問です。日本のクリスチャン人口は何万人か?4年前の東京基督教大学の調査によると105万人と言われます。内訳はカトリック44万人、東方教会1万人、聖公会を含めたプロテスタント60万人。合計105万人。人口の0.83パーセント。礼拝出席している方は多分その半分くらいだと思います。というと52万人ぐらいでしょうか。4年後の今年2022年は死亡者のほうが救われる人より多いのではないか。すると52万人よりも少ない可能性があります。減少傾向にあるのが日本のキリスト教会の現状です。

思えば日本で宣教が始まり150年以上経過し、多くの宣教師が来日し、教会形成されてきました。様々な工夫をしながら熱心に伝道に取り組んできました。今、特に多いのは音楽伝道ですかね。最近は落語伝道もあります。また昔は宣教師たちがミッションスクールを設立して教育伝道をしてきました。素晴らしいことですね。こうして150年取り組みましたが。救われる人は少ないのが現状です。どうですか?キリスト集会関係は、勢いがあって、成長し続けていますか? 

今日は過去の経緯を踏まえ私たちキリスト者の生き方を再点検したいと思います。
※日本は今、亡くなるなる方が増え、生まれる子供が減っているので人口減少が続いていきます。そんな中で生きているキリスト教会でも信者が増えていく事は困難なことです。
本庄教会を例にすると教会メンバー関係者は60人くらいですが礼拝出席者は半分以下です。
私が赴任して10年で15人くらい洗礼を授けましたが、15人以上の方が高齢のため礼拝に出席できません。老人ホーム入居者6名、亡くなった方5名、コロナで来ることを控えている方も10名くらい、休眠信仰の方がいるので礼拝は午前と午後に行っていますが25人~30人ぐらいです。このようにこれからの教会は人数が増えることは難しいのかなと思います。

1.ではどう生きたらよいか。  ポイントは7つです。
●ピリピ4:8~9 こころに留める事 新約399頁 最初に読んだところ。この個所はパウロ達が設立したヨーロッパ最初のピリピ教会に対し書かれた手紙です。ピリピ教会はコリントなどと違いパウロと良い関を保っていました。ただ有力女性信者2人の間での争いがあり分裂の危機にありました。又ユダヤ律法主義者が偽の教えが持ち込んで混乱していたのです。しかしそんな中にあって喜びをもって信仰の歩みをしていた人もいたのです。
8節が最後の勧めです。パウロがこれは言っておきたいという大切なメッセージです。まずキリスト者が心に留める事を述べています。以下の内容です。
・すべて真実な事➡常に正しい事を心に留める。信仰生活、聖書理解、政治、経済、文化芸術。
私達に完全はないが真実、事実を知ろうとすることが求められています。
・尊ぶべきこと➡立派な行いと、人から尊敬されるような生き方。
・すべて正しいこと➡神の前に正しいことに心を留める。それは人の前にも正しいことですから。
・すべて清い事➡この世の基準ではなく神の前に清さを求めて生きる。
・すべて愛すべき事➡神の御心にかなっている。
・すべて評判の良いこと➡キリストにあってよい証になる、人々に喜ばれる事。
・徳とされる事➡道徳的に優れていること。
・称賛に値すること➡結果的に人々から評価される事。
以上の8つに心を留めよとパウロは命じています。これは私たちに対するメッセージでもあります。キリスト者は自分が恵まれている事だけに満足せず、隣人が幸せになる事を考えてすべての良いことに心を留めることがポイント。

2●実行すること(9節行いなさい)です。心に留めるだけでは足りません。肝心なのは
それぞれが自分にできることを喜んで実行すること。私から学んだこと、受けたこと、聞いたこと、見たことを行いなさい。これは8節で述べている事と重なります。パウロが生きたように私達も生きる。それはイエスが生きた道につながります。キリスト者は行い・良い業を実践することが求められます。救いは信仰によってのみ与えられ、救いを受けたら信仰に応じてキリストの心を良い業を通して実践すること。パフォーマンスとか言われようが関係なく実践する。

※自分の信仰生活を通してやっと気づいたのはキリスト者が良い業に如何に生きる事の重要性。
日本のキリスト教会、特に福音派に属する私達は良い業を通して世の中に打って出ていく事が不足しています。会議ばかりして何も結論が出ない。人のやっていることを聖書的でないと批判する。そういう事が得意です。そして結局何も変わらない50年が過ぎた。ここが私たちの弱さだと私は思っています。一方音楽会や様々な方法で伝道は盛んにおこなわれています。学びのセミナーもたくさんあります。でも根本的にキリスト者の生き方が変わらなと何も変わらない。

3●実行しない言い訳①日本は伝道が難しい国なのだ(居直っている)②祈りが足りない、③鎖国が悪かった。④先祖崇拝が悪い⑤挙句の果てにはそもそも救われる人は少ないのは当たり前だのクラッカーとかいろいろ言われています。がそうではないのです。実は私たちが聖書が示す信仰の生き方をしていないから。パウロのように生きていないから救われる人が生まれないのです。
結果的に教会が地域に認知されていないので救いを求める人もなく、将来的には合併して延命措置をするか、高齢化とともに死に絶え閉鎖する教会が増える。10年後20年後の世界です。
これが私のたどり着いた結論です。過激ですかね。皆さんはどう思われますか?

4●では私たちの行いについて聖書は何と言っているか?
・箴言3:27~28 旧約1096頁 善を行う力を持っていても、それを控えてはいけない。聖書の一貫した勧めは弱い立場の人に対して愛を示すことです。実は愛に生きれば、キリスト者が個人的に、教会全体としても、この姿勢を身に付ければ力まずとも証が出来で個人も教会も再生します。そしてこの生き方をすれば無理に頑張る必要もなければ、無理に伝道する必要もないのです。これで十分なのです。
※でも残念ながら私に行いの重要性を教えてくれた先輩達はいませんでした。救いや恵み、伝道することは教えなかった。弱者に対する積極的な愛の実践を行いで示してくれた人はいませんでした。でも唯一人、ルーテル教会の牧師を通して私は愛の実践することを学んだのです。
この方は捨て身で隣人愛に生きました。だから人が集まってくるのです。私はその方から多く学びました。

5●では具体的に聖書はどのような生き方を勧めているか? ヤコブ1:27 新約459頁
・弱者に対して冷たいのがこの社会です。でもキリスト者はこの逆に人が困っている時は助ける。お世話する。個人的にも教会全体もこれを実行する。
※何故韓国やアメリカの教会が成長していると思いますか?困っている人がいたらすぐに助ける。何かあると一緒に食事する。困っている人がいると分け合うのです。これを普通にやる文化が出来ているのです。だから東日本大震災の時すぐに支援活動してくれたのはアメリカ人です。アメリカのキリスト教会の底力を見ました。まず行動が大切ですね。
・更に進んで聖書の主張 ヤコブ2:14~18 新約460頁
信仰も行いが伴わないなら、それでは死んだものです。信仰と比例した行いがポイント。これをもっと進めていきたいですね。福祉事業は社会福祉協議会や市役所の福祉課がやることと決めつけないで教会でできることを無理なく実践する。これを教会の文化にしていくのです。

6●使徒パウロはどう生きたか? ・ガラテヤ2:10 新約376頁
この書物はパウロが小アジや(今のトルコ)ガラテヤ地方の諸教会が律法主義者達にかき回され割礼やモーセの律法を守るべきだという教えに流されていた時に憤りをもって書いた手紙です。
この中でパウロが貧しい人の支援をしていないのではないかと非難された時きちんと弁明しています。そのような働きを自分は大いに務めてきた。当時からキリスト教会の常識は弱い立場の人を助けることでした。又エルサレム教会が飢饉やローマの圧政によって経済的に困難にあった兄弟姉妹たちを先頭に立って支援しています。コリントやテサロニケ、ピリピのヨーロッパ諸教会に呼び掛け献金を届けています。(Ⅱコリント8章以降に詳しく出てくる)
このように聖書の世界では弱い立場や困窮している人に対して助けるのは当たり前なのです。
でも悲しいかな。ある教会では人に見せるためにやっているとか。パフォーマンスだと非難する。

7●結論 あなたはどう生きるか? 今回はキリスト者の愛の実践、良い業に焦点を絞ってみた。
・もう一度自分の生き方を点検してみよう。全ての良いことに①心を留め②実行しているか。
・個人も教会もこの姿勢を持ち続けよう。勿論教会の中で困っている人がいればプライドを傷つけないようにして助けよう。何故?教会は神の家族だからです。まずは神の家族最優先です。次は外の世界に向かっていこう。これから日本はどんどん貧しくなっていきます。生活困窮者が増えてきます。そうした時に教会は、大変ですねと言って、眺めているだけですか。

・皆さんはこれからどんなことにチャレンジしますか。このまま教会が世の中の弱い立場の人に目を向けないでいけば高齢化とともに消滅します。何もしないと座して死を待つだけです。
・それとも人から何を言われてもかまわない。イエス様の心をこころとして生きますか。あなたはどちらでしょうか。お祈りします。