コリント人への手紙第二(17)

2021年10月17日
聖書箇所:Ⅱコリント8:16~24
説教題:惜しみない業  

おはようございます。ライブ配信で礼拝を捧げているあなたもおはようございます。共に礼拝を捧げる恵みにあずかり感謝します。一週間ぶりにお会いできてうれしいです。

さて、今日はコリント人への手紙第二8章まで来ました。初めに手紙が書かれた背景を考えます。コリント教会はパウロが設立したヨーロッパの教会で、その土地柄故に知恵や知識を求める人が多く集まり、信仰熱心な教会でしたが、教会がキリストの体であり、相互の信頼や愛によって成り立っていることを忘れ、自分を誇り、自分の正義や優位性を主張した為に分裂してしまいました。信徒がそれぞれキリストの体一部で、補うあう存在であることを忘れてしまうと内部が混乱します。

現状を知らされたパウロは手紙を書きました。それがコリント第一。しかし彼が期待していたような成果はなかったので、エペソに帰った後、もう一回手紙を書きます。これが2:4にある涙の手紙と呼ばれているものですが、この手紙によっても、最初は反応がありませんでした。

しかし、しばらくしてテトスからコリント教会の人たちが罪を悔改めたという知らせが届いたのです。彼らはキリストが自分の罪のため死んで、葬られ、よみがえられた十字架の御業や教会の在り方について、もう一度よく教えられたのだと思います。そしてパウロは喜びの内にもう一度手紙を書きます。今私たちが読んでいる、コリント人への手紙第二です。この様に手紙が書かれた事情や背景を理解しながら8章15節まで皆様と共に学んできました。

今日は8章16~24になります。ここはパウロがコリントに自分が信頼する3人の奉仕者を送る推薦をしている箇所です。何の為の奉仕かと申しますと、エルサレム教会への指定献金の勧めです。エルサレム教会の信者達は干ばつ等の自然災害、またユダヤ教からの迫害によって苦しい、困難な状況が長く続いていました。これに対し心を痛めていた使徒パウロは各地の諸教会に呼び掛けて指定献金を集め、エルサレム教会に届けていました。これを長い間続けていたのです。

しかし、パウロの後から来た偽使徒たちによって、パウロは献金をだまし取って自分たちのふところに入れているとか、不正をしていると言われていたのです。それを真に受けたコリント教会の人たちもいてパウロの働きを妨害するのです。そういう中でコリント教会の人々はパウロの涙の手紙を通して、罪を悔い改めました。そこで彼は喜んで手紙が書き送ったのがコリント人への手紙第二です。献金理解をしてもらうために、マケドニヤ諸教会の例を示して書いています。

続きが16節から。彼はマケドニヤから献金奉仕を派遣するのがテトスです。彼はパウロの弟子で非常に信頼されている人物です。彼はこの働きの重要性を理解し、進んで奉仕に参画しました。自ら進んで(17節)とありますが、これが大切です。いやいや乍らの奉仕ならやらない方が良いと思います。しかしテトスは働きの重要性を理解して自ら進んでコリントに行こうとしたのです。

18節にはもう一人の人を送ると書かれています。一説にはルカではないかと言う解釈もありますが誰かは決定できません。でもこの人も福音宣教の働きにおいてすべての教会で称賛されるような人なので信頼されている人であります。19節では、彼はこの恵みの業、即ち献金の管理運営について、諸教会から任命されているとの事ですから相当な信頼と評価を受けている事が分かります。
またここでは献金の業の結果が書かれています。①主ご自身の栄光(イエスの栄光が現わされます)②私たちの熱意(これはキリスト者の相互扶助、別の言葉で言うとキリスト者が互いに助け合うこと)を進める為に仕えたのです。異邦人はユダヤ人から霊的な恩恵を受けたので、物質的なものでお返しするという考え方で、これは現代でも大切なことです。

20節はこの献金について使徒パウロが惜しみない業であるといいます。惜しみなくとは、けちけちしないで気前よく捧げるという意味です。又取扱いについては誰からも非難されない為。パウロは、偽使徒達からさんざん悪口、非難中傷されましたからここでもきちんと対応しています。

※私たちの教会会計も、皆さんが捧げた献金を、一円の誤りも無く管理しています。そして帳簿に記帳し、コンピユーターデータ管理をしています。そして皆さんに毎月会計報告をしています。誰が見ても非難の無い様にしています。21節にもあるように、神の前にも、人の前にも公明正大と言うのが大原則です。22節以降には三人目の同労者を推薦しています。この人物も、献身的で奉仕について真剣に取り組む人物であるというのが試験の結果分かった。そして何よりもコリント教会の皆様に信頼を寄せている。仕事をする上で相手を信頼するという事は非常に大事なことです。

23:推薦理由、テトスは自分の同労者、他の二人は諸教会の特別の使者である。三人ともキリストの栄光を現すにふさわしいものである。
24:結論部分2つ、①コリント教会の愛の証拠を見せて欲しい。具体的にはエルサレム教会の兄弟姉妹に対する愛を、豊かな献金の祝福を通して示してください。
※愛には行動が伴うことが前提です。②コリント教会を誇りとする十分な理由を他の諸教会の前でエルサレム教会の皆さんに示してください。
以上ですが、パウロはコリント教会の人たちの惜しみないわざである献金を管理する3人を遣わします。ここから献金が公明正大に、誰からも非難されることなく、神の前にも人の前に正しく取り扱われるようにするべきことが分かります。私たちもこれを模範として、恵みのわざである献金を取り扱っていきたいと思います。
適用
●献金を扱う人は信頼されて人(複数)を選ぶ事。
きちんとお金を勘定できる事が前提ですが。信頼できる人を選ぶ。何故か?人は罪人ですから、不正をする人が出てくるものです。聖書の世界でも、キリストの優秀な弟子であるイスカリオテ・ユダがお金をごまかしていました。現代でもお金をごまかした会計係の話をたまに聞きます。

●エルサレム教会への指定献金の結果は①神の栄光が現わされる。②助け合いが進んでいく(相互扶助が進む)。イスラエルから霊的恩恵、祝福を受けたから、異邦人教会は物質的なものでお返しする。この原則は今も生きています。
結び
献金は神の恵みを受け神にお返しするという恵みのわざです。私達も献金を捧げる時に、惜しみないわざとして、喜んできっぱりと主に捧げて行きましょう。教会内部では経済に困って孤独になる人がいないようにする。そしてその輪を地域社会に広げていけるようにしてまいりましょう。