ピリピ人への手紙(20)

2022年09月11日
聖書箇所:ピリピ4:10~14
説教題:あらゆる境遇に対処する秘訣

おはようございます。2022年9月第2週の礼拝をささげる恵みにあずかり感謝します。

またネット配信を通して礼拝しているあなたもおはようございます。お元気でしたか?週の初めの日に礼拝をもってスタートできることは大きな恵みです。それでは聖書を開きましょう。今日の聖書箇所はピリピ人への手紙4:10~14になります。

今日は4:10からですが、使徒パウロの4つの命令を学んできたので振り返ります。

・初めに4節、主にあって喜びなさい。彼は牢獄にあり喜べる状況にはなかったが、主にある喜びにあふれ一日々を自分の使命に生きていました。その源はキリストと命で結ばれていることから来る喜びでした。これこそ主にあって喜べと言う命令の根拠です。

・2つ目は5節の寛容であれ。寛容とは自己中心ではなく相手を思いやるという意味です。

具体的には自分の心がイエスに似ていく事によってイエスに似た生活をする。こういう生き方は自分の周りの人に影響力を与え、キリストの証となり伝道の基本となります。そして心がイエスに似れば似るほどイエスの救いを受ける人は多くなります。

・3つ目の命令、6節思い煩わない。どんなことにも思い煩うなという命令。なぜ思い煩う必要がないのか。それは、イエスご自身があなたの代わりに心配してくださるからです。だから私たちが必要以上に心配し、思い煩う必要がないのです。そのうえで神への祈りと感謝をささげるなら私たちのすべての理解をはるかに超えた神の平和が私たちの心を支配するのです。

・4つ目の命令。先週学んだところです。8節。すべての良いことに心を留めて実行せよ。キリスト者は狭い世界に生きるのではなく、クリスチャンだけの小さな世界で生きるのではなく、常に地域や外に向かって生きるべきです。人それぞれの行動範囲は違いますがいろんな人と関わりをもちクリスチャン、ノンクリスチャンを問わず世の中に向かってすべての良いものに心を留める事。

但し心に留めるだけでなく実行することが必要です。口先で人を愛すると言っても実行しないと何もなりません。では何を実行するか。それが9節。使徒パウロの生き方をまねることです。この中身は8節と重なります。パウロがピリピ教会で実践したように

私たちもパウロから

  • 学んだことを実行する。キリスト者はキリストの弟子である。
  • 受けたことを実行する。キリストの使徒たちから受けたこと。教え、福音、使徒信条
  • 聞いたことを実行する。キリストの十字架と復活の言葉
  • 最後は見たことを実行する。 パウロの生き方をまねる。

以上パウロのように行い、生きよ。実行せよという命令です。ここまでが大きな4つの命令。

ではどうしたら御言葉をできる人になれるのかが大きな課題ですね。これは自分の頑張りや人間的な力でするのではありません。人間的な力で実行してすると喜びは消え、人を裁き、律法的になります。ここがまじめな日本人の落とし穴です。イエスに信頼して、聖霊様の力により頼み取り組んでいく事ですね。そうすると一歩一歩成長させていただけます。これが聖書の示すキリスト信仰者の実行の仕方です。 結果はどうなるか?平和の神があなたがとともにいます。

ここから今日の箇所。10節~20節迄。パウロが贈り物への感謝を述べている。ここから学びます。ピリピ教会はマケドニア地方ナンバーワンの教会であったと思います。パウロ達の開拓伝道に設立された教会です。そのピリピ教会の兄弟姉妹が最初からパウロを物心両面で支えました。

これは働き人として非常に有難くうれしいことです。私もゼロから開拓教会を設立した人間ですがどういうわけか経済面で支えられたことはそれほど多くありません。ずっと自分で働いて生活の糧を得、ここまで来たタイプの牧師で、受けるより出すほうが大きいほうでした。ですからパウロがピリピ教会から支援を受けたのは心強かったと思います。但しパウロも常に生活の糧を得るためには天幕職人として働きながら伝道したのです。

そんなことを踏まえて10節の御言葉を読むと理解が深まります。ずっとパウロを支えていた、ピリピ教会でしたが、それが中断していたのです。有力女性信徒の争いでそれどころではなくなったのかもしれませんし、他の理由かもしれません。

しかし今、彼を支える献金や物質的な支援が復活したのです。このことをパウロは主にあって大いに喜んでいるのです。彼はピリピ教会の兄弟姉妹に対して叱りつけ、失望したと言っていません。ここは牧会的な配慮をもって書いています。「あなたがたは私のことを心配してくれたけれどもその機会がなかっただけだ」こう言ってもらうとピリピ教会の兄弟姉妹は裁かれていないのでうれしい気持ちになります。

11:でも具体的な支援について私は乏しいから言うのではありません。どんな境遇にあっても満足することを学んだ。パウロは常に成長しています。私たちもそうです。経済的に豊かなときも、そうでないときも。私たちの世代は豊かな時代と、そうでない時代も知っていますが、今の若い30代や40代は気の毒です。いつもきびしい経済状態で生きていますから。

12:続けてパウロは貧しさも経験し、富む事にも経験しています。彼の行きついたところはあらゆる境遇に対処する秘訣を心得ている。これがパウロのすごいところです。私たちならば富んでいるときは大いに歓迎。でも貧しいのはご勘弁願いたいものです。そこに行くと80年前の戦争を経験してきた先輩たちはパウロと似ている部分があり強い人たちですね。

13:あらゆる境遇に対処する秘訣は何でしょうか。そのポイントがここですね。状況が変わっていくというよりも、どんな状況の中にあっても自分が強められる。自分の頑張りではなく、私を強くしてくださるお方。即ち主イエス・キリストが共にいて強くしてくださるからです。

これこそパウロの強みであり。キリスト者最大の強みです。キリストの導きと御心であればどんなことでもできるとパウロは確信しています。

私たちも同じです。主にあって生きるならば主にふさわしい事はどんなことでもできるのです。それが7節と9節の言葉です。

最後に関連聖句のイザヤ40:27~31を読んで終わります。旧約聖書1232ページ

私は地の果てまで創造した方。疲れず弱くならず。その英知は計り知れない。

しかし、主を待ち望むものは新しく力を得る。わしはどうして空高く飛べると思いますか。

風です。自分の力で飛んでいません。上昇気流の風に乗ってどんどん上に上がるのです。信仰もそうです。聖霊の風に信頼していくときに新しく力を得ることが出来るのです。それがあらゆる境遇に対処できる秘訣なのです。