ダニエル書(5)

2023年4月24日

2022年11月20日
聖書箇所:ダニエル2:12~24
説教題:知恵と思慮深さをもって

おはようございます。2022年11月第3週の礼拝をささげる恵みにあずかり感謝します。

ネット配信で礼拝しているあなたもおはようございます。共に礼拝をささげる恵みを感謝します。

さて今朝の聖書箇所はダニエル書2章12節~24節。共に学んでまいりましょう。

まず前回の聖書個所を振り返ります。ネブカドネツァル王が就任早々不思議な夢を見るのですが、その意味することが分かりません。よってその意味を知りたくて知識人を呼び寄せ答えを求めますが、だれも夢の解き明かしが出来ず王の意に沿わない答えばかりだったので王は怒り狂いました。この個所から聖書では夢について何が書かれているか、そして人間の本質、バビロンの王と真逆に位置するソロモン王を対比して学びました。ここまでが前回のあらすじでした。続いて12節から。

12:王は怒り狂い、自分の意に沿わない宮殿に仕える知識人たちだけでなくバビロンにいる知者どもも全員殺せと命じました。王の後先を考えない荒っぽさ、気性の激しさが伝わってきます。

13:バビロンの王の権力は絶対だったので即刻この命令が全地に発令されます。普通に考えると知識人全員を殺すと国の大損害になるので関係者に限定して実施するならまだよいと思うのですが、怒り狂った王の命令は全員殺せというものです。当然王宮で仕えるダニエル達にも類が及ぶことになり仲間全員共に殺されることになります。

14:ついにダニエルをとらえるため、王の親衛隊長アルヨクが彼のところに来ます。この時のダニエルの応対が素晴らしいですね。普通の人だと恐れが先に出て、慌てふためく事が多いと思いますが、彼は冷静沈着な態度でアルヨクを迎えます。何故このようにふるまえたのか?彼の神に対する信頼の結果だと思います。神から来る知恵と思慮深さをもって冷静に応対しています。

※適用①私たちにもダニエルのような態度が必要です。私たちは予期しないことがあると慌てふためいてパニックになりやすいものです。でもそういう時こそ一度深呼吸して心を落ち着け神への信頼の心で対応したいと思います。神から来る知恵と思慮深さをもって冷静に、そして主に信頼し時に主の聖霊の力に覆われるときに物事は前に進んでいきます。

15:彼が王の全権大使、親衛隊長アルヨクに対しとった行動は、質問から始めています。

※適用②これも私たちが身に付けたい応対ですね。彼は自分の意見を言う前に、まず相手に質問し、アルヨクの言葉を通して王の考えを理解しました。理解したらそれにふさわしい答える言葉が見つかります。それによって話し合い全体が、かみ合って理解が進みます。私たちの会話も同じです。自分の考えを言うばかりでなく、相手の話をよく聞き(質問を含めて)理解が進みよい会話となってきます。これがないと一方通行のままで、時には相互不信に陥り、お互いが不幸になります。

16:ダニエルの考えはまとまりました。既に彼には夢の意味の解明について方向性が見えているようです。ダニエルは人を介さずに直接王に会い意見を述べます。ここがポイントです。他人を介すると真意が伝わらない時があります。余計な情報がついてきて、肝心な事が伝わらないことがあります。個人の主観が付くので正しく情報が伝わりにくいのです。

ダニエルは王と会い事の真相をさらに深く理解し、もうこの時、既に夢の意味を解き明かせる確信を持っています。王にその夢を示すため、しばらく時間をくださいと申し出ています。これが確信の結果として現れた彼の言葉です。日本人のような曖昧な答えや態度はありません。神から来るものがあれば人は大胆になれます。

17:その次の行動、家に帰り信仰の仲間3人と話し合い、情報を共有します。情報の共有は物事の解決には欠かせない事柄ですね。

18:そして、すぐ行動を起こすのではなく心を合わせ仲間とともに神に祈り

祈りの内容は①一緒に滅ぼされないように(彼は一回、国が滅ぼされ、ここでまた滅ぼされたら大変です。)②夢の秘密の解き明かしを願って祈りました。

※適用③キリスト者の重要なポイント。仲間とともに祈り、神の声なき声を聴く。御心を聞く。

マタイ18:19~20 新約37頁。自分の力や頑張りで行動する前に、まず主に祈り求める。そうしたら必ずヒントや解決の道が備えられます。

19:夜神は彼に幻を通して啓示を示した。王が見た夢の内容と意味について神がダニエルに示したと言う事です。20節~23節の言葉は神への賛美です。知恵と力は神から来る。季節と時を変え、王を廃し王を立てるのは神の主権である。知恵を授けて賢者とし、知識を授けて悟りのあるものとする。すべては神の主権のもとにあるのです。23:啓示を受けたダニエルが神をたたえ感謝しています。

24:夢の意味を神によって啓示されたダニエルはアルヨクのところへ行き、王に夢の内容と意味を解き明かすから、バビロンの知者を滅ぼさないように、そして私を王の前に連れて行ってくださいとお願いし、一連の流れは急展開の解決へと大きく変わっていきます。知恵と思慮深さをもって信仰に生きた結果状況は変わっていきます。今日はここまでです。今の私たちの信仰の在り方につながる適用もいくつかありました。今日の話はここまでになります。

結び

今までの世界で起きていることはすべて創造主なる神が支配しています。このバビロン帝国が栄えることを許可(容認)されたのも神で有り、この帝国が一気に衰退し滅ぼされ、後のペルシャ帝国に変わっていく事を許可(容認)されたのも神です。

現代もロシヤによるウクライナ侵攻で信じられない悲惨なことが起きています。それは人間が引き起こした罪の結果ですが、やがて神の時が来れば神はいろいろな方法を通して働き、戦争終結が訪れます。

世界は今、神の定めた終末、キリストの再臨に向かって進んでいます。今こそ私たちはすべての主権者なる神の御心を求め、御心に従っていく態度、生活が求められています。その考え方の根底にあるのは神の主権を認めることです。私たちは創造主なる神によって造られた被造物であり、全世界を創造された創り主が世界を支配していることを忘れてはなりません。

 

今こそダニエルの生き方から学び、知恵と思慮深さをもって信仰によって歩んでまいりましょう。