ヨセフのクリスマス

2022年12月20日

2021年12月19日
参照聖句:マタイ1:18~25
説教題:ヨセフのクリスマス

おはようございます。クリスマスおめでとうございます。今日も愛する兄弟姉妹と共に礼拝出来る恵みを感謝します。また、ライブ配信で共に礼拝しているあなたもおはようございます。お元気でしたか?場所は違っても同じ時間に同じ主を礼拝出来る恵みを感謝します。
さてアドベント(待降節)4週を迎えました。今日のクリスマスメッセージはメシヤ誕生に際してヨセフに焦点を当てます。マタイ1:18~25から「ヨセフのクリスマス」です。

皆さんはイエスの肉の父親であるヨセフについてどんなイメージがありますか?旧約聖書創世記のヨセフならば、兄弟に妬またれ、売り飛ばされ、牢獄に入れられつつも、やがてエジプトの総理大臣として波乱万丈の生涯を送った興味深い人であります。彼は多く語る人です。
一方新約聖書のヨセフはダビデ王の家系ではありますが全く対照的な人物で、聖書を見ると一言も言葉を発していません。
日曜学校のクリスマス劇や紙芝居では、身重のマリヤを心配し「マリヤ、大丈夫かい」とか
宿屋に行って「今晩留めてください」と述べています。でもそれは想像の話であり、聖書にそのような発言記録はありません。
むしろ彼は沈黙の人で、イエス誕生に際し、思いめぐらし、主の使いの言葉を聞いて行動するのみです。そしてイエスが30歳になり公生涯の時は既に亡くなっていたようです。そんなわけで短い、沈黙の人生を生きたヨセフですが、どのような人かを見てまいりましょう。

その前にもう一つ、沈黙について。聖書では旧約最後の預言書マラキ書からイエス誕生まで400年の間、神の啓示はぴったり止まっていました。神の沈黙。この時代に書かれた聖書はありません。この旧約と新約の間を中間時代と言います。しかし聖書の記述は確かにありません。
確かに困難の連続で有りましたが、神はイエスラエルの民を見捨てた訳ではありません。彼らは信仰を試され試練の中に在りつつも、神の時が整いメシヤ誕生の時代に入っていきます。
こうして神の啓示が無く400年もの間沈黙の時が続きましたが神はイスラエルの民を守り導いてくださっていたのです。
そしてヨセフも短い間でしたが沈黙の人として静かに神の御心を思いめぐらして求めていたのです。そこに神は主の使いを通して語り掛けたのです。今日神は私たちに対して何を語り掛けようとしているのでしょうか?因みに新約時代の70年代から80年代も神は沈黙しています。
●正しい人ヨセフ 18~19
18:婚約していた、これは今の婚約、結婚の流れとは違います。当時のユダヤで婚約すれば法律的に夫婦と見なされました。但し一定期間二人は共に住むことが出来ません。今の二人はそんな関係です。これが「一緒にならないうちに」の背景です。しかしマリヤの内には聖霊の働きによって子どもが宿りました。但し夫ヨセフにそのことは分かりませんでした。

19:事情を知らされていない夫ヨセフは当然大いに悩みます。夫の紹介は法律的のみ夫婦として認められていただけで、ヨセフは妻と一緒に生活していないのに妻が妊娠したのですからものすごく悩むわけです。「正しい人」ここに彼の人間性が出てきます。正しい人は神の前にも人の前にもまっすぐな人と言う意味です。彼は妻マリヤを愛していましたから、まず妻を守ることを考えます。このままお腹が大きくなって彼女の不倫がばれると、厳しい制裁(さらし者にされる)が待っていると考えました。そうするとマリヤに未来がなくなる。ヨセフはひそかに彼女を離縁しようとします。自分の事よりマリヤの事を先に考える。男らしいですね。
普通、マリヤを疑い、「あなたは何をしたのか」と怒ってもおかしくない所です。でもそうしないでひそかに離縁して彼女を守ろうとしたのがヨセフです。
●20~21思いめぐらす人
ヨセフは言葉の人ではありません。むしろ、多くを語らず沈黙を貫く人物です。彼は沈黙して色々なことを思いめぐらし、熟慮しています。どうしたらマリヤを守ることが出来るか考えたのです。そうしているうちに眠ってしまいます。
そこに主の使いが夢で現れ語り掛けます。ヨセフはダビデ王の直系にあたる人物です。当然彼の心には恐れがありますので主の使いは「恐れずマリヤを妻として迎えよ。宿っている子は聖霊によるものです」ヨセフはマリヤが不倫したのではないことを確信します。しかも男の子を産み、名前はイエス。イエスは当時の一般的な名前で「主は救い主」と言う意味です。ヘブライ語でヨシュア。ギリシャ語読みでイエスになります。役割はイスラエルを罪から救う、救い主、メシヤ宣言。
●預言の成就 22~23
マタイはこの出来事を預言の成就であると述べています(イザヤ7:14)イザヤはイスラエルが北と南に分裂していた時代の人物です。当時の南ユダ王国の王は非常に不信仰な人で、ありましたが、預言者イザヤは一つのしるしを示しました。
それが14節「処女が身ごもっている」名前はインマヌエル「神が私たちと共におられる」不信仰の時代に在って希望がある預言の言葉を示されたのです。イザヤ書の預言をマタイは引用しています。イエスの生涯の特徴。インマヌエル「神が私たちと共におられる」こうしてキリストは導きと力を与え続けたのです。
●眠りから覚めるヨセフ 24~25
24:ヨセフが思いめぐらし、熟慮の時は終わりました。いつも思いめぐらすばかりで行動が無い人もいます。そうすると考えるだけで一生が終わってしまいます。逆に思いつく前に即行動する人もいます。これも困りものです。
ヨセフは思いめぐらして主の使いの命令を受けた後、速やかにマリヤと一緒に生活することを選び取りました。妻として迎え入れたのです。相当なバッシングと後ろ指を指されることを覚悟しての決断です。彼は多くを語らない人でしたが神の御こころに忠実に従いました。

25:彼は忠実に神に従い、イエスが生まれるまでマリヤを知ることはなかった。これは夫婦関係を持たないという意味です。名前も主の使いに言われた通りイエスと名付けます。こうしてマリヤは聖霊によって身ごもり神の御子イエスを生むのです。ヨセフのクリスマスでした。

今日のメッセージをあなたは生活の中でどのように適用しますか?
①人生の困難な嵐の中でも静かに熟慮し神のみ心を求める生き方
②困難の中に在ってもまず相手、隣人を大切に考え最善を求めて生きる生き方。
③神の御心が示されたら神の心を優先して即従う生き方。
結び
私たちの信じる神は、いつも私たちと共にいて励まし導いてくださるインマヌエルの神です。