役に立つ人 

2022年12月22日

2018年09月30日
参照聖句:ピレモン9~12
説教題:役に立つ人 

先週はひと月遅れの夏休みをいただき、栃木県私の家で栃木県の終活の一環としての家財等の整理をしてきました。終活と言っても就職活動のことではありません。いつこの地上の生涯が終わるか分かりませんので、出来るうちに自分たちの物を整理、処分することです。あと数回しないと終わりそうもありません。お蔭で守られて金曜日に帰ってくる事が出来ました。
さて皆さんに質問します。
○質問:今の日本人の平均寿命は何歳でしょうか?そうです。男性が81才、女性が87才ですね。
○質問:では健康寿命は何歳か?:介護のお世話や寝たきりにならないで健康で生きていける平均年齢の事。男性72才、女性75才。ここでも女性優位です。とっくに健康寿命を10才くらい超えていく方もいますのでやっぱり女性は強いですね。素晴らしいです。
○私は64才なので、健康寿命はあと8年です。平均寿命はあと17年です。これは人によって違いますが今の日本人の平均なので自分の生き方を考える上で参考にはなりますね。逆算して自分の地上生涯はあと何年かとか?こんなことを考えながら毎日を生きると主の恵みを改めて覚える事が出来るのではないでしょうか。そして自分の残りの人生をより豊かに生きたいと考えている方が多いのではないでしょうか?そこで今日はあなたの人生を豊かなものにする為「役に立つ人」というテーマで2人の人物を通して考えてまいりましょう。
○オネシモ
●この人は2千年前に生きた人です。オネシモは奴隷の立場です。金で買われピレモンと言うご主人のもとで働いていました。ところが彼は、何らかのトラブルを起こし、主人の元から逃げ出してしまったのです。普通職場放棄して逃げ出す時に人はどこへ逃げるでしょうか。そうです。東京のような大都市です。当時でいうと世界の中心ローマです。直線距離にすると千キロ以上。歩いて流れ流れてローマまで来ました。彼はこれでやっと自由になれると思いましたが、どこか心の中が満たされません。罪を犯して主人の元から逃亡した事が気がかりです。
●その時オネシモは悪いことをして見つかり牢獄に入れられます。はからずもここで使徒パウロと出会います。パウロはイエス・キリストは神であるとして人々に伝えたために牢獄に入れられてしまったのです。パウロは当時第一のキリスト教伝道者でした。オネシモは牢獄の中のパウロの生き方やメッセージに心打たれ、パウロの人生の背景にはイエス・キリストがいる事を知ります。やがてオネシモはパウロを通してイエスを信じてクリスチャンになり、生き方が変わっていきました。

今迄は自分の事ばかり考えていましたが、隣人を幸せについて考える様になりました。そしてパウロの手伝いをして心が満たされるようになりました。しかし彼の心の中には昔トラブルを起こして主人の家から逃げ出したことが未解決で、心がチキチクとしていたのです。それを知ったパウロは彼の元の主人であるピレモンに手紙を書いてとりなしたのが今読んでいるピレモン書です。

はからずもピレモンはクリスチャンで、パウロを良く知る人物だったのです。実はオネシモという名前は「有益な」「役に立つ」という意味で日本的に言うと益男さんという事になります。でも彼は主人の所を逃げ出して「無益な」「役に立たない」人物となってしまったのです。でも今は名前の通りに主人にとっても、パウロにとっても「役に立つ有益な」存在に変えられました。そのオネシモをこの手紙と共にあなたのもとに送り返すから赦してあげて下さいと書き送っています。この後彼はこの手紙を携え主人のところコロサイに戻り、許しを請い。過去の罪が赦されました。
○こうして彼の人生は、主人の元から逃げ出し役に立たないものから、パウロを通して真に自分の生きる道を見つけたのです。そして名前の通り、有益な人に変えられていったのです。

○2人目長尾さん
もう一人の人を紹介します。長尾さんです。2千年前ではなく今を生きる人です。彼は40台。本庄出身で今は沖縄糸満市でキリスト教会の牧師をしています。彼は子供のころ素行が悪く、飛行の道に入り盗みをしました。警察にも厄介になったことがあります。覚せい剤にも手を出したこともあります。地元にいられなくて、オネシモの様に旅をします。これって大方の流れでしょ。こういう場合日本だとどこに流れ着きますか?東京か沖縄が多いようです。

長尾さんの場合は片道切符で沖縄に行きます。沖縄の人はふところの広い人たちが多くいます。イチャレバきょうでー。「会えば兄弟」知らない人にも非常に親切なのです。彼は何の当てもないのに沖縄に行き生活する事になります。やがてお金が無くなり沖縄でも悪いことをして警察の厄介になります。この時にずっと父親の様に彼の面倒を見たのが沖縄ベタニヤ教会の山内昌良牧師です。ホームレス用に自分が持っている施設に無償で泊めてくれました。裁判の時にも山内牧師は身元引受人となり寛大な処置を求めて裁判長にとりなしてくれたのです。
○結局彼に執行猶予はつかず懲役刑になります。でも長尾さんは刑務所の中で聖書と真剣に向き合って罪を悔い改めイエスをメシヤと信じて新しい命を受けました。ここから彼の生き方は少しずつ変えられ、刑務所の中でまじめに働き、焼き物の技術も認められる様になったのです。やがて彼の職業となっていきます。また、いつかは自分も牧師になりたいという気持ちが与えられ、神と人に仕えたいと思うようになります。そして沖縄の牧師養成の神学校に入学します。3年の学びを終えて、数年前に卒業し、去年3月結婚し本庄まで新婚旅行に来て本庄教会にも寄ってくれました。
○本人の話によると子供の頃本庄教会の日曜学校に来ていたそうです。今は糸満市ベタニヤ「ユイマール教会」の牧師として活躍しています。「ユイマール」とは助け合うという意味です。毎週土曜日には教会近くの恵まれない子供たちの為に子供食堂もしています。

○思えば彼の前半の人生は自暴自棄になり、そして盗みを覚え、チンピラになり、ついには覚せい剤に手を出し、沖縄に流れ、そこでも悪さをして警察に捕まり、刑務所に行きます。でも山内牧師と出会い彼は聖書を読み、イエス様を信じて新しい人に変えられます。そうです。彼もオネシモと同じように役に立たない人生から人の為にも神の前にも役に立つ人生へと変えられたのです。
適用
○二人の共通点はイエスへの素直な信頼です。
神の子イエスは私の罪の為に十字架に掛かって死に、葬られ、三日目によみがえり、今も生きておられると信じる。そうしたらキリストの新しい命を受ける。キリストと一体となる。イエス様はあなたと親しくなりたいと望んでいます。それ故あなたの残りの人生をどのようにして人と神の為に役に立つような生き方をしますか。基本はイエスに対して素直に信頼することです。

○最後になりますが、地上生涯はそれほど長くありません。あなたの寿命はあと何年でしょうか?実は誰もわかりません。分からないからこそ、これからの人生をあのオネシモや長尾さんの様に、イエス・キリストを救い主と信じて神の前にも人の前にも役に立つ人生を生きる事が出来ますように祈ります。その信じる中身は素直にイエスを信頼しながら生きることです。そうしたらあなたの残りの人生奇跡が起こりますし、奇跡が連続して起こる恵みの人生です。その人生が待っています。